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第17話 生活設計の扉
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条件の文書化が進むと、部屋の出入りは増えた。だが増えたところで、こちらの心が軽くなるわけではない。視線は常にある。壁の向こうにも、扉の外にも。見張られている――そう断定できる材料はないのに、断定したくなるほど、空気が重い。
ヴァレリアが席を外したあと、入れ替わるようにローブ姿の男が現れた。年齢は三十代前半ほど。背筋が伸び、言葉遣いが丁寧で、視線の置き方が慎重だ。さっきまでの鑑定士たちのように、人を“道具”として見ていない。だからこそ、余計に不気味でもあった。礼儀がある相手ほど、組織の奥にいる。
「王室魔術局の技能整理官、リュシアン・フォルテと申します」
名乗りはあくまで控えめだった。母が軽く会釈し、月子は腕を組んだまま、目だけで頷く。父はコハクを抱き寄せ、犬の耳の付け根を撫でて落ち着かせる。コハクは鼻を鳴らし、ローブの裾を警戒するように見た。
男――リュシアンは、机上に厚手の紙束を置いた。こちらに押し付けるのではなく、置いてから一歩引く。距離の取り方が上手い。
「皆さまの技能について、整理した説明を行います。怖がらせるためではありません。誤解を減らすためです」
誤解、という言い方に、私は小さく頷いた。誤解で済むなら、まだ救いがある。だが、昨日の鑑定士の一件は誤解ではない。あれは“やった”のだ。
「まず、照査。これはご本人に関する状態の確認と、簡易な能力表示が中心の技能です。基礎的ですが、習熟すれば役に立ちます」
父が、ほう、と低く息を漏らした。父はこういう話に慣れていない。だからこそ、知識がひとつ増えるたびに、安心材料として抱え込む。
「次に、虚空収納。物品を別の空間へ出し入れできます。容量は技能の格に依存し、制約や癖は個々に異なります。……先ほど、紙の出し入れをされていたと聞きました。運用に問題はありません」
月子の口元がわずかに引き上がる。自分の手札が“通用する”と確認できた瞬間の顔だ。
母は、表情を崩さないまま問いかけた。
「照覧の扱いは?」
リュシアンは一拍置いて頷いた。
「照覧は、対象の安全性や性質、周囲の状況を読み取る方向に優れています。特に奥さまのそれは、通常の範囲を超えています。ですから――」
言いかけて、リュシアンは言葉を選び直した。慎重な人間だ。ここで“利用価値”などと言えば、こちらの警戒は跳ね上がる。
「……公的な場での行使は、強要されないよう配慮します。ヴァレリア殿からも、同様の指示が出ています」
母が小さく頷く。ひとつ、線が守られた。守られたと“言われた”だけだとしても、言葉にさせるのが大事だ。
そして、最後が私だった。
リュシアンは紙束の一枚をめくり、少しだけ眉を寄せた。困惑は作り物ではない。理解できないものを前にした人間の顔だ。
「葛石悠一郎さま。固有技能――生活設計」
その言葉が落ちた瞬間、私は背中の奥がひやりとした。名字と名を、音として呼ばれるのが嫌だった。ここで名前は鎖になる。名を呼ばれるほど、こちらはこの国の帳簿に固定される。
リュシアンは続ける。
「正直に申し上げます。こちらの記録に、同名の技能がありません。類似も見当たりません。固有技能は希少ですが、希少なものほど過去の召喚記録に痕跡が残ります。しかし――生活設計は、残っていない」
月子が目を細め、父がコハクを抱く腕に力を入れた。母は静かに息を吸う。
「分からない、ということでしょうか」
母の問いに、リュシアンははっきり頷いた。
「はい。発動条件や制約、成長の方向性を、こちらで断言できません。……葛石さまご自身が、慎重に確認しながら扱う必要があります」
私は、あえて平坦な声で返した。
「そうですか」
それで良い。分からないなら、向こうが勝手に型にはめられない。型にはめられないなら、奪うにも利用するにも手間がかかる。危険は増えるが、逃げ道も増える。
それでも、胸の奥のどこかが熱くなるのを止められなかった。変な直感が働く。理屈より先に、肌が言う。
この技能が――家族を救う。
金髪碧眼の王女は信用ゼロだ。あの目は、人を人として見ない目だった。国の上層がああなら、下がどれだけ丁寧に見えても、いつか握り潰される。ヴァレリアはまともに見える。だが、まともな人間ほど組織の中で消耗し、潰される。私たちは、誰かの善意だけに寄りかかって生き残れる状況ではない。
だから、目途が要る。自活の目途。家族と愛犬を守る目途。
リュシアンの説明が終わり、礼を残して下がると、部屋に残ったのは私たちだけの呼吸だった。母が言った。
「無理に急ぐ必要はない。でも、準備はする」
月子が頷く。
「外の情報。法律と相場。動ける範囲。……分かることから固めよう」
父はコハクの背を撫でながら、小さく笑った。
「庭があるなら、コハクは助かるな」
コハクが尻尾をふわりと揺らした。言葉は分からなくても、空気の温度は分かるのだろう。
その後、ヴァレリアが約束した通り、私たちは“家”へ移った。
私たちにとっては、屋敷だった。石造りで、天井が高く、窓が多い。庭は広すぎるほどではないが、犬が走れる。土の匂いがする。草の匂いがする。コハクが初めて庭に出た瞬間、短い足で駆け出し、くるりとこちらを振り返った。目が輝いていた。胸の奥が、少しだけほどけた。
異世界生活にも、少しずつ慣れていった。慣れたのは安心ではなく、段取りだ。水の確保。食事の順序。火の扱い。寝具の位置。窓の開け方。誰がどこで何をするか。設計士の母が家の導線を整え、専業主夫の父が家事を回し、月子が物の管理を引き受け、私は健康と危険の見立てを担う。役割が決まると、人間は踏ん張れる。
そして、生活設計を初めて使った日からも、一ヶ月が経った。
最初は、怖かった。知らない扉を開けるのは、臓器の奥にメスを入れるのと似ている。慎重さが足りなければ、取り返しがつかない。
だから、手順を決めた。
まず、母が照覧で周囲を確かめる。庭の隅、窓の外、廊下、屋根の上。覗かれていないか。気配がないか。次に、月子が虚空収納で筆談用の紙と道具を出す。口に出す言葉は少なく、必要なことは書く。最後に、私が発動する。
その日も同じだった。夕方、光が窓から斜めに差し込む時間帯。父がコハクを抱いて部屋の中央に座り、月子が扉側を見張り、母が窓辺で目を閉じる。
「……外、問題なし」
母の声が落ちた。私は頷く。
掌が汗ばむ。喉が乾く。だが、呼吸を整える。医師として、緊張に飲まれた手で誰かを救えるはずがない。
私は小さく息を吸い、言葉を口にした。
「生活設計」
空気が――ほんの少しだけ、折れた。
何もない壁の前に、輪郭が現れる。扉だ。木でも石でもない。けれど“扉”という概念だけがそこに固定されている。取っ手は、私が望んだ位置にある。無意識が形にしたのだと分かった。だから、怖い。だから、期待もする。
父が息を呑んだ。月子が目を見開き、母が静かに口元を引き締める。コハクは、耳を立てたまま、きょとんと扉を見つめていた。
私は取っ手に手をかけ、ゆっくりと回す。
開けた瞬間、匂いが変わった。
外の石と土の匂いではない。どこか、清潔な空気。湿気がなく、温度が一定で、音が柔らかい。扉の向こうは――室内だった。広すぎないが、狭くもない。壁は白く、床は滑らかで、光は眩しすぎない。外界の風も、遠くの物音も、入ってこない。
「……本当に、別の空間だな」
父が呟いた。腕の中のコハクが、くんくんと鼻を鳴らす。私の胸の奥で、直感が確信に変わりかける。
ここなら、守れる。
外がどう動いても、ここは揺らがない。閉めれば切り離せる。開けるのは私だけ。鍵は、私の意思だ。
ただし、私は浮かれない。未知の技能ほど、最初の油断が命取りになる。だから、最初にやるのは“慣れること”だ。派手なことではない。生活の枠組みに組み込むこと。
月子が筆談用の紙に短く書いた。
『ここは避難所になる。手順は固定。毎回、照覧→筆談→発動』
母がその紙に、さらに書き足す。
『使う頻度と目的を記録。発動時の体感、変化、広さ、温度。全部』
設計士らしい。構造は記録から生まれる。記録は、次の判断を助ける。
私は頷き、扉の向こうへ一歩だけ足を踏み入れた。床の感触は外の石床とは違い、足裏が冷えない。音が吸われ、心拍が落ちる。
この瞬間、私ははっきり分かった。
この技能は、ただの便利な収納ではない。
ただの避難所でもない。
私たちの“生活”そのものを作り直す器だ。
嫌な予感は消えない。国の上層の匂いは、相変わらず腐りかけている。だからこそ、こちらも構造で守る。善意ではなく、仕組みで守る。
家族と、愛犬を守るために。
私は扉を閉める前に、もう一度だけ内側を見渡した。白い空間は静かに待っている。まるで、こちらが使い方を決めるのを待っているかのように。
そして私は、取っ手から手を離した。
扉は音もなく消えた。
消えたのに、確かに“ある”感覚だけが残った。
それが、私たちの最初の一歩だった。
ヴァレリアが席を外したあと、入れ替わるようにローブ姿の男が現れた。年齢は三十代前半ほど。背筋が伸び、言葉遣いが丁寧で、視線の置き方が慎重だ。さっきまでの鑑定士たちのように、人を“道具”として見ていない。だからこそ、余計に不気味でもあった。礼儀がある相手ほど、組織の奥にいる。
「王室魔術局の技能整理官、リュシアン・フォルテと申します」
名乗りはあくまで控えめだった。母が軽く会釈し、月子は腕を組んだまま、目だけで頷く。父はコハクを抱き寄せ、犬の耳の付け根を撫でて落ち着かせる。コハクは鼻を鳴らし、ローブの裾を警戒するように見た。
男――リュシアンは、机上に厚手の紙束を置いた。こちらに押し付けるのではなく、置いてから一歩引く。距離の取り方が上手い。
「皆さまの技能について、整理した説明を行います。怖がらせるためではありません。誤解を減らすためです」
誤解、という言い方に、私は小さく頷いた。誤解で済むなら、まだ救いがある。だが、昨日の鑑定士の一件は誤解ではない。あれは“やった”のだ。
「まず、照査。これはご本人に関する状態の確認と、簡易な能力表示が中心の技能です。基礎的ですが、習熟すれば役に立ちます」
父が、ほう、と低く息を漏らした。父はこういう話に慣れていない。だからこそ、知識がひとつ増えるたびに、安心材料として抱え込む。
「次に、虚空収納。物品を別の空間へ出し入れできます。容量は技能の格に依存し、制約や癖は個々に異なります。……先ほど、紙の出し入れをされていたと聞きました。運用に問題はありません」
月子の口元がわずかに引き上がる。自分の手札が“通用する”と確認できた瞬間の顔だ。
母は、表情を崩さないまま問いかけた。
「照覧の扱いは?」
リュシアンは一拍置いて頷いた。
「照覧は、対象の安全性や性質、周囲の状況を読み取る方向に優れています。特に奥さまのそれは、通常の範囲を超えています。ですから――」
言いかけて、リュシアンは言葉を選び直した。慎重な人間だ。ここで“利用価値”などと言えば、こちらの警戒は跳ね上がる。
「……公的な場での行使は、強要されないよう配慮します。ヴァレリア殿からも、同様の指示が出ています」
母が小さく頷く。ひとつ、線が守られた。守られたと“言われた”だけだとしても、言葉にさせるのが大事だ。
そして、最後が私だった。
リュシアンは紙束の一枚をめくり、少しだけ眉を寄せた。困惑は作り物ではない。理解できないものを前にした人間の顔だ。
「葛石悠一郎さま。固有技能――生活設計」
その言葉が落ちた瞬間、私は背中の奥がひやりとした。名字と名を、音として呼ばれるのが嫌だった。ここで名前は鎖になる。名を呼ばれるほど、こちらはこの国の帳簿に固定される。
リュシアンは続ける。
「正直に申し上げます。こちらの記録に、同名の技能がありません。類似も見当たりません。固有技能は希少ですが、希少なものほど過去の召喚記録に痕跡が残ります。しかし――生活設計は、残っていない」
月子が目を細め、父がコハクを抱く腕に力を入れた。母は静かに息を吸う。
「分からない、ということでしょうか」
母の問いに、リュシアンははっきり頷いた。
「はい。発動条件や制約、成長の方向性を、こちらで断言できません。……葛石さまご自身が、慎重に確認しながら扱う必要があります」
私は、あえて平坦な声で返した。
「そうですか」
それで良い。分からないなら、向こうが勝手に型にはめられない。型にはめられないなら、奪うにも利用するにも手間がかかる。危険は増えるが、逃げ道も増える。
それでも、胸の奥のどこかが熱くなるのを止められなかった。変な直感が働く。理屈より先に、肌が言う。
この技能が――家族を救う。
金髪碧眼の王女は信用ゼロだ。あの目は、人を人として見ない目だった。国の上層がああなら、下がどれだけ丁寧に見えても、いつか握り潰される。ヴァレリアはまともに見える。だが、まともな人間ほど組織の中で消耗し、潰される。私たちは、誰かの善意だけに寄りかかって生き残れる状況ではない。
だから、目途が要る。自活の目途。家族と愛犬を守る目途。
リュシアンの説明が終わり、礼を残して下がると、部屋に残ったのは私たちだけの呼吸だった。母が言った。
「無理に急ぐ必要はない。でも、準備はする」
月子が頷く。
「外の情報。法律と相場。動ける範囲。……分かることから固めよう」
父はコハクの背を撫でながら、小さく笑った。
「庭があるなら、コハクは助かるな」
コハクが尻尾をふわりと揺らした。言葉は分からなくても、空気の温度は分かるのだろう。
その後、ヴァレリアが約束した通り、私たちは“家”へ移った。
私たちにとっては、屋敷だった。石造りで、天井が高く、窓が多い。庭は広すぎるほどではないが、犬が走れる。土の匂いがする。草の匂いがする。コハクが初めて庭に出た瞬間、短い足で駆け出し、くるりとこちらを振り返った。目が輝いていた。胸の奥が、少しだけほどけた。
異世界生活にも、少しずつ慣れていった。慣れたのは安心ではなく、段取りだ。水の確保。食事の順序。火の扱い。寝具の位置。窓の開け方。誰がどこで何をするか。設計士の母が家の導線を整え、専業主夫の父が家事を回し、月子が物の管理を引き受け、私は健康と危険の見立てを担う。役割が決まると、人間は踏ん張れる。
そして、生活設計を初めて使った日からも、一ヶ月が経った。
最初は、怖かった。知らない扉を開けるのは、臓器の奥にメスを入れるのと似ている。慎重さが足りなければ、取り返しがつかない。
だから、手順を決めた。
まず、母が照覧で周囲を確かめる。庭の隅、窓の外、廊下、屋根の上。覗かれていないか。気配がないか。次に、月子が虚空収納で筆談用の紙と道具を出す。口に出す言葉は少なく、必要なことは書く。最後に、私が発動する。
その日も同じだった。夕方、光が窓から斜めに差し込む時間帯。父がコハクを抱いて部屋の中央に座り、月子が扉側を見張り、母が窓辺で目を閉じる。
「……外、問題なし」
母の声が落ちた。私は頷く。
掌が汗ばむ。喉が乾く。だが、呼吸を整える。医師として、緊張に飲まれた手で誰かを救えるはずがない。
私は小さく息を吸い、言葉を口にした。
「生活設計」
空気が――ほんの少しだけ、折れた。
何もない壁の前に、輪郭が現れる。扉だ。木でも石でもない。けれど“扉”という概念だけがそこに固定されている。取っ手は、私が望んだ位置にある。無意識が形にしたのだと分かった。だから、怖い。だから、期待もする。
父が息を呑んだ。月子が目を見開き、母が静かに口元を引き締める。コハクは、耳を立てたまま、きょとんと扉を見つめていた。
私は取っ手に手をかけ、ゆっくりと回す。
開けた瞬間、匂いが変わった。
外の石と土の匂いではない。どこか、清潔な空気。湿気がなく、温度が一定で、音が柔らかい。扉の向こうは――室内だった。広すぎないが、狭くもない。壁は白く、床は滑らかで、光は眩しすぎない。外界の風も、遠くの物音も、入ってこない。
「……本当に、別の空間だな」
父が呟いた。腕の中のコハクが、くんくんと鼻を鳴らす。私の胸の奥で、直感が確信に変わりかける。
ここなら、守れる。
外がどう動いても、ここは揺らがない。閉めれば切り離せる。開けるのは私だけ。鍵は、私の意思だ。
ただし、私は浮かれない。未知の技能ほど、最初の油断が命取りになる。だから、最初にやるのは“慣れること”だ。派手なことではない。生活の枠組みに組み込むこと。
月子が筆談用の紙に短く書いた。
『ここは避難所になる。手順は固定。毎回、照覧→筆談→発動』
母がその紙に、さらに書き足す。
『使う頻度と目的を記録。発動時の体感、変化、広さ、温度。全部』
設計士らしい。構造は記録から生まれる。記録は、次の判断を助ける。
私は頷き、扉の向こうへ一歩だけ足を踏み入れた。床の感触は外の石床とは違い、足裏が冷えない。音が吸われ、心拍が落ちる。
この瞬間、私ははっきり分かった。
この技能は、ただの便利な収納ではない。
ただの避難所でもない。
私たちの“生活”そのものを作り直す器だ。
嫌な予感は消えない。国の上層の匂いは、相変わらず腐りかけている。だからこそ、こちらも構造で守る。善意ではなく、仕組みで守る。
家族と、愛犬を守るために。
私は扉を閉める前に、もう一度だけ内側を見渡した。白い空間は静かに待っている。まるで、こちらが使い方を決めるのを待っているかのように。
そして私は、取っ手から手を離した。
扉は音もなく消えた。
消えたのに、確かに“ある”感覚だけが残った。
それが、私たちの最初の一歩だった。
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