御曹司に捕まった孤児

胡宵

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視線(奏斗side)

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キーンコーンカーンコーン
「奏斗~帰るぞ!」
「光星ちょっと待って!」

俺達は子供の頃からずっと一緒だった。10年前、俺が児童養護施設に引き取られたときからずっと。
光星は俺が引き取られたときにはすでに施設にいて、環境が変わって泣いてばかりいた俺を幼いながらに励ましてくれた。
年が同じだった俺達はそれからずっと本当の兄弟のように育ってきた。

「そういえばさ、光星は中学卒業したらどうするか決めた?」

俺達が暮らしている児童養護施設では義務教育である中学校を卒業するとバイトをしながら高校に通うか、就職して施設から出るという選択をしなくてはいけない。

「奏斗、俺さ、色々考えたんだけど就職しようと思う。自分でお金稼いで早く自立したいんだ。それでさ、奏斗さえ良ければ将来また一緒に暮らしたいなぁなんて。」
「え!?」
「驚いたよな。今までずっと高校進学するって言ってたし。」
「うん。でも光星が選んだ道なら応援するよ!それにまた一緒に暮らしたいって考えてくれてるのもスゲー嬉しい!」
「よかった」 

光星はどこか安心したような顔で言った

「それで奏斗の方は?決めたの?」
「うん!おれはやっぱり高校まで進学するよ!だからこれからいっぱい勉強頑張る!光星も付き合ってね!」
「ああ。俺も奏斗のこと応援してるからな!」
「ありがと!でもさ光生といられるのもあと半年だと思うと短いよな。光星とはずっと一緒だと思ってたのに。」
「そうだな。思ってたよりも10年てあっという間なんだな。」
「あっ 光星!俺あそこの花屋でお花買っていい?」

俺は大通り沿いにある花屋を指して言った。

「いいけど、貴重な小遣いなのに花買うのか?」

たしかに俺達は毎月1500円のお小遣いから服なども買わなければいけないためお小遣いはとても貴重だった。

「そうなんだけどさ、カスミさんたちに今までのお礼したいなって」

カスミさんは施設でずっと俺達を育ててくれたお母さんのような存在だ。

「それなら二人でお金を出し合おう」
「いいよ、俺がやりたいだけなんだから。光星は自分のもの買うのに使って」
「お世話になったのは俺も一緒なんだから」
「、、、そうだね。ありがとう」

そうして俺達は施設で働いてくれているみんなのためにコスモスの花束を買って帰った。


このとき、自分たちの会話に夢中になっていた俺は、大通りを走る1台の車からの強い視線に気づくことがなかった。

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