御曹司に捕まった孤児

胡宵

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出会い(奏斗side)

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コンコンコン

「失礼いたします。お待たせしました。ほら奏斗くん挨拶して」

事務室に入るとそこには明らかに身なりの良い見たことのない男二人がいた。

「は、はじめまして。鈴木奏斗です。」

俺が挨拶をすると若くて美形のひとはとろけるような眼差しで俺のことを見てきた。

「はじめまして。奏斗くん。私は御園流夜と申します。こちらは息子の冬夜です。」

40代くらいに見える男の人は流夜と名乗り、となりの若い男の人を息子の冬夜だといった。

「単刀直入に言うと、君をうちで引き取りたいと思っている。」
「え?俺をですか?」
「ああ。冬夜がね、君をひと目見て気に入ったらしくて昨日相談してきたんだよ。うちは自分で言うのも何だが財力があるから、君に不自由な思いはさせないだろう。かなり条件は良いと思うんだがどうかね」

どうと言われても、そもそも冬夜さんが俺を気に入ったと言ってたけど俺が冬夜さんを見たのは初めてだ。こんなに美しい人、一度見たら忘れるはずがない。
それに、俺はこの施設から離れるのが少し怖い。みんなと一緒にいられなくなるのが。


「すいません。俺、ここにいたいです。施設のみんなと一緒にいたいんです。」
「そうか。じゃあ今日のところは帰るよ。また来るから、もし気が変わったら教えてね」
「はい、、、」

「本日はご足労おかけ致しました。」
「また来るよ」
「お待ちしております」

ガラガラピシャン

「奏斗くん、ほんとに良かったの?」
「はい。俺、ここにいるのが一番幸せなので!」

きっと俺の気が変わることはない。あの人たちは俺に不自由させないって言ったけど、俺は今の暮らしに満足してる。みんながいるから。

「奏斗、、、」
「光星?」
「ごめん。やっぱり気になって盗み聞きしちゃった。奏斗ほんとに行かない?ずっとここに居てくれる?」
「もちろんだよ!俺の居場所はここだから!」
「、、、」

このときの俺はこの出来事が運命を大きく変えることになるなんて思っても見なかった。
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