御曹司に捕まった孤児

胡宵

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監禁(奏斗side)

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「んぅ」

頭が痛い。ズキズキする。

パチッ

「ぁれ?ここどこだっけ?」

重いまぶたを開け目を覚ますと、俺は身に覚えのない部屋にいた。

壁は、コンクリートか?ドアが2つある、、、

「よいしょ」
ジャラ

「?」

寝ていたベットから起きあがとうとすると金属の擦れる音がした。
そういえば足が重いような、、、 

「!?」

かけられていた布団をめくると足には黒い足枷のようなものがついていた。
 
それに今思ったけど首にもなにか巻かれてる?

どういうことだ

徐々に記憶が覚醒してくる。

「俺、御園さんの養子になって、、、」

御園さんとの養子縁組の契約書にサインしたことは覚えてる。でもその後どうしたんだっけ?

ガチャッ ゴッゴゴゴーー

不意に鉄でできた扉が開いた。

「奏斗くん、おはよう」
「御園、、、さん?」
「そうだよ。冬夜って名前で呼んでほしいな」
「冬夜さん」 
「ん~まぁいっか」
「あ、あの」
「どうしたの?」
「ここってどこですか。足に鎖もついてて。」

俺は必死に状況を説明する。

「落ち着いて。大丈夫だよ、奏斗くんをここに閉じ込めたのは俺だから。」
「え?なんで、、、」

まさかの発言に言葉が詰まる。

「奏斗くんはもう俺のものだから、どうしようと俺の勝手でしょ。」

何を言ってるんだ。確かに縁組は受け入れた。だけど、それは誰かの所有物になるなんて契約じゃない。

「俺ね、生まれてから今までずっと恵まれてきた。金も権力も才能も全部もってる。だけどどうしてもなにかが足りなくて、そんなとき奏斗くんを見つけたんだよ。奏斗くんを見つけたとき、初めて心が満たされていく感覚があったんだ。」

嬉しそうに語る冬夜さんに唖然とする。

「欲しいものはすべて手に入れる。俺そう決めてるからさ、奏斗くんも俺のもの。だから、今日から奏斗くんはこの部屋で俺だけを待って俺だけのために生きるんだよ。」

愛おしむような眼差しの中に狂気が垣間見えた気がした俺は震えが止まらなくなった。

「か、かえして。施設に帰りたいです。お願いします!」

震える声で必死に懇願しながらベッドの上で土下座する。

「おい」
「っ⁉」

急に上から聞こえたどすの利いた声に驚いた。
今の声、冬夜さん?まるで別人みたいに冷たい。

「奏斗の家はここだ。外のことはもう考えるな。」
「で、でも!」
「俺の言うことが聞けないのか!」
ビクッ

まだ言いたいことがあるのに、冬夜さんが怖くて何も言えない。さっきまであんなに優しかったのに。

「俺はこれから少し出かけてくる。大人しく待ってろ」

そう言って冬夜さんはまた重たそうな鉄の扉から出ていった。
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