御曹司に捕まった孤児

胡宵

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会いたい(光星side)

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 コンコン

「光星兄ちゃん?朝ごはんの時間だよ?」
「ああ、みのるか」
「大丈夫?泣いてたの?」

小学一年生の実が声をかけてきた。もう朝なのか。

「なあ実、かなと兄ちゃんを連れて行った人を見たか?」
「かなと兄ちゃんなら、前ここに来たお兄ちゃんが迎えに来てたよ?」
「お兄ちゃん、、、高級車に乗ったお兄ちゃんか?」
「そう!黒いテカテカのくるま!」
「わかった。ありがとう実」
「光星兄ちゃん元気出た?」
「うん。でたでた!」
「良かった!朝ごはん食べよ!」

実が言ったお兄ちゃんは間違いない。あの御園冬夜とかいうやつだ。だけど、それが分かったところで中学生の、それも親すらいない自分にできる事なんてなにもない。

それでも、俺は奏斗をこのまま奪われるなんて耐えられない。ずっと一緒だったんだ。それに、これからだって、ずっとずっと一緒のはず、、、

「光星くんおはよう。目が腫れてるわね。冷やすもの持ってくるから待ってて。」

食堂に行けば、昨日の事がなかったかのようにカスミさんは振る舞ってくる。

「カスミさん、奏斗が引き取られたのは御園冬夜の家なんですよね?お願いします!もう一度、奏斗に会わせてください!」

床に頭を擦り付けて土下座する。

「ちょっと!光星くんやめなさい。そんなことしないで」
「お願いします!奏斗に会わせて!」
「、、、わかったわ。御園さんにお伺いしてみる。だからもうそんなことはやめて」
「ホントですか!?奏斗に会わせてくれるんですか?」
「御園さんの返答次第だけど一応聞いてみるから。準備して学校に行っておいで。」

学校、そうだ。学校に行けば奏斗も来るはず。奏斗に会いたい。あって話がしたい。

そう思うと居てもたってもいられなくなり、いつもよりも早く学校についた。教室にはまだ誰もいなくて、外から朝練の声が聞こえてくる。

十分程経ってクラスメイトが一人来て、それからどんどん登校してくる。だけど、奏斗は来なかった。

新しい家からの登校で道に迷ってるのかもしれない。 

朝礼の時間になると先生が教室に入ってきてこう言った。

「奏斗くんは体調不良でしばらく休みになるそうなので、係の仕事とかは協力してやってください。」

体調不良、、、本当に?しばらくっていつまで?
カスミさんは御園に連絡するって言ってたけど本当に会えるのか?

クラッ

目眩がする。心臓の鼓動もやけに大きく聞こえて、やがて視界が真っ暗になった。
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