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歓迎と理由
楽しい(?)会食
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「えー……。それじゃ自己紹介タイムでござる」
僕と灯花がソファに並んで座り、その対面に謎の少女二人が着席している。
一人掛けのソファに座るエルさんは何かを諦めたように無表情だ。
あの後、エルさんに引き剥がすのを手伝ってもらい『お茶の席で!ゆっくりお喋りでもしましょう!』と再びタックルをかましてきそうな少女二人を落ち着かせて今に至る。
「僭越ながら拙者から。稲代灯花と申すでござる。身体を動かすのが得意な花も月も恥じらう16歳……」
(初対面の相手に大きく出たな!?)
見知らぬ相手でもマイペースを保つ灯花に改めて驚く。
「こんな感じで良いでござるかな?」
「あぁ、いいんじゃないか?」
のびのびと自由にさせた方が結果的に良くなるのは知ってるしな。
「……次は僕が」
「ちょっと待ってお兄様」
対面に座る黒髪の子に手で制された。
「先に私達の紹介をさせていただきます」
お菓子をモグモグ食べている銀髪の子がそれを聞いて驚き、少し焦りながらお菓子をお茶で流し込んだ。
「ごくん……い、妹のアザム・アルネリアです!ヒュペレッドで巫女をしています!第二王女様の招待で一週間ほどこの国に滞在しています!」
元気よく自己紹介をしてくれたアルネリア……さん?に黒髪の子も続く。
「同じくヒュペレッドで占術の商いをして暮らしています、姉のアザム・サーラです。好きなものはお兄様、嫌いなものは父です」
口元は笑っているものの、恐ろしく淡々とした口調の自己紹介だった。
「じゃ、じゃあ最後に僕で……」
緊張感が尋常じゃない。
どうして偉い軍人さんの豪邸で国家レベルのお客様相手に自己紹介をすることになったんだろう……。
今の状況を真面目に考えてしまったせいで緊張で冷や汗が出てきた。
「ユウ氏……?」
灯花がめちゃくちゃ心配そうにこっちを見てる。よくこんな空気の中で普通に自己紹介できたなこいつ……!
「あ、天海夕と言います。特に何か得意なことがあるわけではない普通の人です。よろしくお願いします」
あぁぁぁ!普通に言えばよかったぁぁぁ!!
”特に何か得意なことがあるわけではない”ってなんだよ!
なにかうまいこと言おうとしてスベる失敗自己紹介だよ……。
「それで、お二方はどうしてユウ氏を”お兄様”と?」
僕の内心を知ってか知らずか、灯花はそのまま本題に移った。
「正確に言えば、ユウ様はお兄様ではありませんでした」
黒髪の……サーラさんが答える。
「容姿が生き写しのように似ており、身体から感じ取れる法力もほぼ同じと言えるくらい近しいので、妹が間違えてしまいましたが……」
「お姉様も本人に会うまではすっごいドキドキしてて……」
アルネリアさんは横からの鋭い視線に気付き、自分の手で口を塞いだ。
「こほん。ユウ様はこのあと何か予定がありますか?」
「えっと、総議長さんとの会食がある……と聞いてます」
エルさんにアイコンタクトを送るとうんうんと頷いた。
「そうなのですね」
「そうなんだぁ」
二人の少女は何か含みがありそうな微笑みを浮かべ互いの顔を見合わせる。
「いやまぁ、たぶんこうなると思ってたでござる」
広間にはビュッフェスタイルで彩り豊かな料理の数々が用意してあり、ローティさんが席に案内してくれた。
そして僕の席の両隣には……
「奇遇ですね」
「きぐうだねっ!」
エルさんの所にいた二人が座っていた。
「賓客は賓客で席を固めるというのは分からなくもないでござるが……」
円卓状のテーブルの席順は僕の右にアルネリアさん、左にサーラさん、その隣に灯花という飛び石のような並び方。
「僕の何がここまでの行動を引き起こさせたんだろう……」
別にイヤというわけじゃない。
可愛い女の子二人に懐かれるなんて、僕のこれまでの人生では無かったことだし。
ただ理由が謎過ぎて恐い。
「サーラさん、二人のお兄さんってどんな人なんですか?」
異世界で他人の空似っていうのもよく分からない確率だけど、二人がそこまで似ているって言うなら少し見てみたい気もする。
「私のことは”サーラ”とお呼びください。そうですね……とても賢くて合理的で優しい、”理想の王”と言って差し支えない方です」
「へ、へぇ~」
サーラさんがにこやかに答えてくれたが、人物像が抽象的でいまいち理解できなかった。
「残念ながら、こちらにいらっしゃることはまず無いでしょう」
忙しい人なのかな?
「かしこいやさしいあまーちか」
「突然意味不明な言葉で乱入するのやめてくれ」
暇を持て余した灯花が会話に割り込む。
「ユウ様ユウ様!二人はどんな関係なんですか?」
アルネリアさんが興味津々といった様子で質問をしてきた。
「ええっと……」
「夫婦でござる」
「そうなの!?」
灯花の冗談に対して本気で驚いている。
「違います!灯花とは幼馴染で仲の良い友達……」
そこまで言ったところで、何か強い視線を感じた。
左にいたサーラさんの眼が静かに燃えている。
「いやぁ~モテモテだねアマガイくん」
そこに縁なしの細眼鏡をかけたオールバックの男性……ナガル総議長さんが飲み物を片手にやって来た。
「ローティさんに一緒に飲もうって誘ったけどキレイに振られちゃったよ」
あっはっは、と笑う姿は肩書きの重苦しさを一切感じさせない……と言うか正直なところ雰囲気がチャラい。
だがいい助け舟だ。
「ナガルさん、ちょっとお話が……」
空気がヒリついてきたテーブルから逃げるために席を立つ。
「お?国の恩人の話とあればなんでも聞くよぉ」
横目でチラッと僕から視線を外したので、たぶん分かってくれたんだろう。
僕とナガルさんは料理が並んでいるカウンターの方へと向かった。
僕と灯花がソファに並んで座り、その対面に謎の少女二人が着席している。
一人掛けのソファに座るエルさんは何かを諦めたように無表情だ。
あの後、エルさんに引き剥がすのを手伝ってもらい『お茶の席で!ゆっくりお喋りでもしましょう!』と再びタックルをかましてきそうな少女二人を落ち着かせて今に至る。
「僭越ながら拙者から。稲代灯花と申すでござる。身体を動かすのが得意な花も月も恥じらう16歳……」
(初対面の相手に大きく出たな!?)
見知らぬ相手でもマイペースを保つ灯花に改めて驚く。
「こんな感じで良いでござるかな?」
「あぁ、いいんじゃないか?」
のびのびと自由にさせた方が結果的に良くなるのは知ってるしな。
「……次は僕が」
「ちょっと待ってお兄様」
対面に座る黒髪の子に手で制された。
「先に私達の紹介をさせていただきます」
お菓子をモグモグ食べている銀髪の子がそれを聞いて驚き、少し焦りながらお菓子をお茶で流し込んだ。
「ごくん……い、妹のアザム・アルネリアです!ヒュペレッドで巫女をしています!第二王女様の招待で一週間ほどこの国に滞在しています!」
元気よく自己紹介をしてくれたアルネリア……さん?に黒髪の子も続く。
「同じくヒュペレッドで占術の商いをして暮らしています、姉のアザム・サーラです。好きなものはお兄様、嫌いなものは父です」
口元は笑っているものの、恐ろしく淡々とした口調の自己紹介だった。
「じゃ、じゃあ最後に僕で……」
緊張感が尋常じゃない。
どうして偉い軍人さんの豪邸で国家レベルのお客様相手に自己紹介をすることになったんだろう……。
今の状況を真面目に考えてしまったせいで緊張で冷や汗が出てきた。
「ユウ氏……?」
灯花がめちゃくちゃ心配そうにこっちを見てる。よくこんな空気の中で普通に自己紹介できたなこいつ……!
「あ、天海夕と言います。特に何か得意なことがあるわけではない普通の人です。よろしくお願いします」
あぁぁぁ!普通に言えばよかったぁぁぁ!!
”特に何か得意なことがあるわけではない”ってなんだよ!
なにかうまいこと言おうとしてスベる失敗自己紹介だよ……。
「それで、お二方はどうしてユウ氏を”お兄様”と?」
僕の内心を知ってか知らずか、灯花はそのまま本題に移った。
「正確に言えば、ユウ様はお兄様ではありませんでした」
黒髪の……サーラさんが答える。
「容姿が生き写しのように似ており、身体から感じ取れる法力もほぼ同じと言えるくらい近しいので、妹が間違えてしまいましたが……」
「お姉様も本人に会うまではすっごいドキドキしてて……」
アルネリアさんは横からの鋭い視線に気付き、自分の手で口を塞いだ。
「こほん。ユウ様はこのあと何か予定がありますか?」
「えっと、総議長さんとの会食がある……と聞いてます」
エルさんにアイコンタクトを送るとうんうんと頷いた。
「そうなのですね」
「そうなんだぁ」
二人の少女は何か含みがありそうな微笑みを浮かべ互いの顔を見合わせる。
「いやまぁ、たぶんこうなると思ってたでござる」
広間にはビュッフェスタイルで彩り豊かな料理の数々が用意してあり、ローティさんが席に案内してくれた。
そして僕の席の両隣には……
「奇遇ですね」
「きぐうだねっ!」
エルさんの所にいた二人が座っていた。
「賓客は賓客で席を固めるというのは分からなくもないでござるが……」
円卓状のテーブルの席順は僕の右にアルネリアさん、左にサーラさん、その隣に灯花という飛び石のような並び方。
「僕の何がここまでの行動を引き起こさせたんだろう……」
別にイヤというわけじゃない。
可愛い女の子二人に懐かれるなんて、僕のこれまでの人生では無かったことだし。
ただ理由が謎過ぎて恐い。
「サーラさん、二人のお兄さんってどんな人なんですか?」
異世界で他人の空似っていうのもよく分からない確率だけど、二人がそこまで似ているって言うなら少し見てみたい気もする。
「私のことは”サーラ”とお呼びください。そうですね……とても賢くて合理的で優しい、”理想の王”と言って差し支えない方です」
「へ、へぇ~」
サーラさんがにこやかに答えてくれたが、人物像が抽象的でいまいち理解できなかった。
「残念ながら、こちらにいらっしゃることはまず無いでしょう」
忙しい人なのかな?
「かしこいやさしいあまーちか」
「突然意味不明な言葉で乱入するのやめてくれ」
暇を持て余した灯花が会話に割り込む。
「ユウ様ユウ様!二人はどんな関係なんですか?」
アルネリアさんが興味津々といった様子で質問をしてきた。
「ええっと……」
「夫婦でござる」
「そうなの!?」
灯花の冗談に対して本気で驚いている。
「違います!灯花とは幼馴染で仲の良い友達……」
そこまで言ったところで、何か強い視線を感じた。
左にいたサーラさんの眼が静かに燃えている。
「いやぁ~モテモテだねアマガイくん」
そこに縁なしの細眼鏡をかけたオールバックの男性……ナガル総議長さんが飲み物を片手にやって来た。
「ローティさんに一緒に飲もうって誘ったけどキレイに振られちゃったよ」
あっはっは、と笑う姿は肩書きの重苦しさを一切感じさせない……と言うか正直なところ雰囲気がチャラい。
だがいい助け舟だ。
「ナガルさん、ちょっとお話が……」
空気がヒリついてきたテーブルから逃げるために席を立つ。
「お?国の恩人の話とあればなんでも聞くよぉ」
横目でチラッと僕から視線を外したので、たぶん分かってくれたんだろう。
僕とナガルさんは料理が並んでいるカウンターの方へと向かった。
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