幼なじみギャル(偽)と異世界転移したら金髪ショタ(謎)に保護されました

定春

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暴露と覚醒

介抱

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「る!?」
 灯花とうかはさっきまでユウが座っていた椅子いすの上にり立った。
 周りを見渡すと椅子や机と料理が床に散乱し、出口に殺到さっとうする客達と、何故なぜか座ったまま動かない客が数人……そして見知らぬ女の子の首をつかんで締め上げるユウ氏とそれをおさえようと腕と腰にしがみつくサーラ氏とアルネリア氏。
「トウカお姉さま!」
 こっちに気付いたアルネリア氏が拙者せっしゃを呼ぶ。
 洞窟どうくつに飛ばされるまでは無かったユウ氏の顔の刺青いれずみと、室内で不自然に吹き荒れる風を感じて全てを察した。
「二人とも、あとは拙者に任せて離れてほしいでござる」
 灯花はゆっくりと歩きユウに近づいていく。
「ユウ氏、拙者はここに居るでござるよ」
 声が届いたのか風が少し弱まる。
「拙者の知ってるユウ氏は無意味に誰かを傷付けたりしない……。だから、たぶんこの子が犯人なのでござるな?」
 灯花はユウと少女のあいだに入って抱き締めた。
「その手をはなして。じゃないとユウが傷付いちゃうよ……」
 灯花が呼び掛けるも、ユウの意識は戻らない。
「わかった。自分じゃどうにもできないんだね……」
 一瞬、強く抱き締めたあと、灯花は脱力する。
「――――――ごめんっ!」
 ユウの死角となる場所から灯花が渾身こんしんのボディブローをはなつ。
「ゥグッ!」
 ユウの身体が"く"の字に折れ曲がり、手の力がゆるんで少女が床に落ちた。
「少しだけおやすみしててね!」
 至近距離クロスレンジのままで灯花は身体を回転させ、にぎっていたこぶし掌底しょうてい打ちの形に変える。
 回転の力を脚、腰、背中、腕へと伝え、横殴よこなぐりの掌底をピンポイントでユウあごへと振り抜いた。
「ッ――――――」
 糸が切れたあやつり人形のように、ユウは前のめりに倒れこむとそのまま動かなくなった。
「え?死……?」
「失神してるだけだから心配いらないでござるよ」
 灯花は何が起こったのか理解出来ていないサーラに一声かけて、灯花は少女の容態ようだいを見る。
「えーと、たしかあおけに寝かせてあごの先を上げて……」
 耳を少女の口元へ近付ける。
「呼吸が聞こえない……やるしかないでござるな」
 あごに指を当て、少女の鼻をつまみ大きく息を吸って吹き込む・・・・
「トウカさん……?」
 サーラが混乱きわまったという表情で固まっている。
(心肺蘇生しんぱいそせいを異世界でやっていいのかなんて、いちいち考えてる場合じゃないでござるな)
 二回吹き込んだ後、胸のあいだに左手の付け根を当て、そこに右手を重ねて垂直すいちょく圧迫あっぱくする。
「いち、に、さん、し……」
 心臓マッサージを三十回繰り返して人工呼吸をし、再び心臓マッサージ。
「いち、に、さん、し……」 
「ゲホッ!ゲホッ!」
 すると少女の口から勢いよく空気があふれた。
「大丈夫でござるか?」
「……ここは…………」
 少女の身体を起こすと、焦点しょうてんが定まらない目からなみだが流れ落ちた。
「ふぅ~」
 初めての救命行為に緊張きんちょうしたものの、どうにか上手くいき安心した灯花は仰向けに倒れるように寝転がる。
「奇跡だ……!」
聖法イズナを使わずに死人をよみがえらせた……!」
「聖王国の新たな秘術か!?」
 店員も客も逃げた店内で、それまで動けずに座っていた客達がいつの間にか灯花と少女の周りを囲んで立っていた。
「なんか面倒めんどうなことになっている気がするでござるな」
 灯花はハンドスプリングで跳ね起きると倒れているユウを肩にかつぎ上げる。
「もう少しいろいろ食べたかったけど、これ以上の長居ながい無用むようでござるな」
 目の前で起きた一連の出来事に驚くあまり固まるサーラとアルネリアの手を取り、ぼうちのギャラリーを横目に抜けて店を出た。
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