3 / 7
3.悪役令嬢、ため息をつく
しおりを挟む
その後も『星結びの茶会』は人気を維持し、子羊は爆発的に増えていく。私の真似をする人間も増え、世はまさにVtuber時代!
エフェクトをかけられるほど魔力の高くない者は、そのまま顔と実名を出して配信活動をしているようだが、皆それぞれが楽しんでいるようである。
《あなたの声を聞くようになってから、いつも心が温かいのです。朝目覚めた時に、いつもノワたんの姿を思い出して幸せに浸っています》
そんなコメントとともに、ポンコツ紳士さんから5000リュミが飛んできた。
《ポンコツ紳士、やっぱり今夜も来たか!》
《桁が!おかしい!! 見間違いかな》
《どこの王様ですか》
《いいからもう告白しちゃいな?》
コメント欄が一気に盛り上がる。最近はずっとこんな感じだ。
私は配信後、こっそりと匿名巨大掲示板を覗いてみる。
《ポンコツ紳士=イヴェ○イン○殿下じゃね?》
《伏せ字になってなくて草》
《あんな高額スパチャ、まじで王族じゃなきゃ無理だって父上が言ってた》
《親子で見てるのかよw》
《この前、エマ嬢と婚約解消してたの決定的よね》
《そうそう。ノワたん、罪な女~》
《大体にして、シエルノワールって誰なの?》
《セレノアみたいな高慢女だったらどうする?》
《ノワたんをあんな女と一緒にすな~怒》
《私は知らなくていい。中身知ったらがっかりする》
そこまで読んで、魔力の流れを断ち切った。画面が真っ暗になる。
「これ絶対バレたらだめなやつ~~!」
心臓が嫌な音を立てる。
「やっぱり十中八九、イヴェインが『ポンコツ紳士』さんで間違いなさそうね……って、それよりエマと婚約解消したってどういうこと!?」
配信に夢中になっていて、王都の事情について何も情報収集できていなかった。
再び『ミロワール・ヴィヴィアン』を起動させ、ニュース欄を見ると、数日前に速報として扱われていた。理由は明言されていないが、双方同意の上でと書かれている。
「そんな……」
自分がルートとは別行動をとってしまったことが、ストーリーに影響しているのだろうか。エマに申し訳ないが、謝る手段が見つからない。
罪悪感というものは、真夜中になると余計に膨らむ。私は一日だけ配信をお休みした。ゆっくりお風呂に入って、蜂蜜入りのミルクを飲んで、目の下のクマに魔法で湿布を貼って――少しでも私の配信から離れればイヴェインも冷静になれるかも。
と、思ったのだけれど――。
「……どうしてよ」
翌日、配信を再開してみたら、いきなりポンコツ紳士さんから10,000リュミが飛んできた。
《お元気そうでよかったです。これはお見舞いです、受け取ってください》
さすがに多すぎでしょう。
《あなたの声が聞けなくて、今日の演説では何度も言葉に詰まり、民に心配をかけてしまいました》
そのコメントに私はひっくり返りそうになった。
――もう隠す気ありませんね!?
誰もがそう思っただろう。だが、ここには詮索禁止のルールがある。破れば『即・アカBAN』なので、子羊たちは沈黙している。
「あ、あの、さすがにあまり無理しないでね? ポンコツ紳士さん、お気持ちだけで充分よ」
私は焦りながら画面に向かって声をかけた。
《もしも願いが叶うなら、一目お顔を拝見できませんか?》
再び、ぽこんとコメント。そして表示されたスパチャの額は10万リュミ。
「ぶっ!!」
紅茶を飲もうとしていた私は、豪快にむせかけた。
――私、あなたが顔も見たくないって言っていた相手なんですけど!?
ここまで一途だと、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだ。
《正気なのか、ポンコツ紳士!》
《別荘一軒建つが?》
《二人の愛の巣ってことじゃね?》
《ノワたん、黙っちゃったよー笑》
コメントがすごい勢いで流れていく。
――どうしよう!?
あきらかに、イヴェインは暴走している。恋は盲目というやつだろうか。
止めるには、直接会うしかない?
だめ、だめ!
そんなの絶対にお断りですわ~!
「お、お顔はちょっと……顔面偏差値が夜型のせいで……ほら、鏡割れるタイプのやつなの……ふふふ……」
シエルノワールが照れ顔になったり、焦ったりする様子に、子羊たちからは《かわいい》のコメント。
ポンコツ紳士さんからのコメントはない。その代わりに、画面にぽこんと表示される「ハート型の投げキスアイテム(250リュミ)」が、5連投。
やめて~! こんなのむしろ罰ゲーム!
私はイヴェインに愛想をつかされ、婚約破棄された張本人なのに。
正体がばれたら、笑い者になるだけ。ここまで私を応援してくれた『ポンコツ紳士』さんも、一緒に馬鹿にされるわよ。
「ごめんなさい。私は夜空の片隅から声を届けることしかできないの」
動揺を抑え、シエルノワールのアバターが、ぺこりと大きく頭を下げる。
「今夜もお付き合いしてくれてありがとう。また25時、『星結びの茶会』でお会いしましょう」
そう言って、急いで配信を切った私は深いため息をついた。
「イヴェインだって、私がセレノアだと知ったらがっかりするに違いないもの」
彼が好きなのはシエルノワールであって、セレノアではない。
再び顔も見たくないと言われたら、二度と立ち直れないかもしれない。これでも私は、前世でプレイしていたこの乙女ゲーム『星恋ロンド~運命は夜空に踊る~』の正統派ヒーロー枠のイヴェイン推しだったのだ。推しからの失望なんて一度きりで充分だ。
どうせなら嫌われる前に前世の記憶を取り戻して好感度を上げたかったけど、過ぎたことを悔やんでも仕方がない。
その翌日、予想外のことが起きた――。
「はじめまして、セレノア様」
にこにこと愛らしい笑顔を向けてきたのは、エマだった。
使用人に来客だと告げられ、断ろうとしたら、もうすでに部屋の前にいる……って、これいったいどんな状況!?
エフェクトをかけられるほど魔力の高くない者は、そのまま顔と実名を出して配信活動をしているようだが、皆それぞれが楽しんでいるようである。
《あなたの声を聞くようになってから、いつも心が温かいのです。朝目覚めた時に、いつもノワたんの姿を思い出して幸せに浸っています》
そんなコメントとともに、ポンコツ紳士さんから5000リュミが飛んできた。
《ポンコツ紳士、やっぱり今夜も来たか!》
《桁が!おかしい!! 見間違いかな》
《どこの王様ですか》
《いいからもう告白しちゃいな?》
コメント欄が一気に盛り上がる。最近はずっとこんな感じだ。
私は配信後、こっそりと匿名巨大掲示板を覗いてみる。
《ポンコツ紳士=イヴェ○イン○殿下じゃね?》
《伏せ字になってなくて草》
《あんな高額スパチャ、まじで王族じゃなきゃ無理だって父上が言ってた》
《親子で見てるのかよw》
《この前、エマ嬢と婚約解消してたの決定的よね》
《そうそう。ノワたん、罪な女~》
《大体にして、シエルノワールって誰なの?》
《セレノアみたいな高慢女だったらどうする?》
《ノワたんをあんな女と一緒にすな~怒》
《私は知らなくていい。中身知ったらがっかりする》
そこまで読んで、魔力の流れを断ち切った。画面が真っ暗になる。
「これ絶対バレたらだめなやつ~~!」
心臓が嫌な音を立てる。
「やっぱり十中八九、イヴェインが『ポンコツ紳士』さんで間違いなさそうね……って、それよりエマと婚約解消したってどういうこと!?」
配信に夢中になっていて、王都の事情について何も情報収集できていなかった。
再び『ミロワール・ヴィヴィアン』を起動させ、ニュース欄を見ると、数日前に速報として扱われていた。理由は明言されていないが、双方同意の上でと書かれている。
「そんな……」
自分がルートとは別行動をとってしまったことが、ストーリーに影響しているのだろうか。エマに申し訳ないが、謝る手段が見つからない。
罪悪感というものは、真夜中になると余計に膨らむ。私は一日だけ配信をお休みした。ゆっくりお風呂に入って、蜂蜜入りのミルクを飲んで、目の下のクマに魔法で湿布を貼って――少しでも私の配信から離れればイヴェインも冷静になれるかも。
と、思ったのだけれど――。
「……どうしてよ」
翌日、配信を再開してみたら、いきなりポンコツ紳士さんから10,000リュミが飛んできた。
《お元気そうでよかったです。これはお見舞いです、受け取ってください》
さすがに多すぎでしょう。
《あなたの声が聞けなくて、今日の演説では何度も言葉に詰まり、民に心配をかけてしまいました》
そのコメントに私はひっくり返りそうになった。
――もう隠す気ありませんね!?
誰もがそう思っただろう。だが、ここには詮索禁止のルールがある。破れば『即・アカBAN』なので、子羊たちは沈黙している。
「あ、あの、さすがにあまり無理しないでね? ポンコツ紳士さん、お気持ちだけで充分よ」
私は焦りながら画面に向かって声をかけた。
《もしも願いが叶うなら、一目お顔を拝見できませんか?》
再び、ぽこんとコメント。そして表示されたスパチャの額は10万リュミ。
「ぶっ!!」
紅茶を飲もうとしていた私は、豪快にむせかけた。
――私、あなたが顔も見たくないって言っていた相手なんですけど!?
ここまで一途だと、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだ。
《正気なのか、ポンコツ紳士!》
《別荘一軒建つが?》
《二人の愛の巣ってことじゃね?》
《ノワたん、黙っちゃったよー笑》
コメントがすごい勢いで流れていく。
――どうしよう!?
あきらかに、イヴェインは暴走している。恋は盲目というやつだろうか。
止めるには、直接会うしかない?
だめ、だめ!
そんなの絶対にお断りですわ~!
「お、お顔はちょっと……顔面偏差値が夜型のせいで……ほら、鏡割れるタイプのやつなの……ふふふ……」
シエルノワールが照れ顔になったり、焦ったりする様子に、子羊たちからは《かわいい》のコメント。
ポンコツ紳士さんからのコメントはない。その代わりに、画面にぽこんと表示される「ハート型の投げキスアイテム(250リュミ)」が、5連投。
やめて~! こんなのむしろ罰ゲーム!
私はイヴェインに愛想をつかされ、婚約破棄された張本人なのに。
正体がばれたら、笑い者になるだけ。ここまで私を応援してくれた『ポンコツ紳士』さんも、一緒に馬鹿にされるわよ。
「ごめんなさい。私は夜空の片隅から声を届けることしかできないの」
動揺を抑え、シエルノワールのアバターが、ぺこりと大きく頭を下げる。
「今夜もお付き合いしてくれてありがとう。また25時、『星結びの茶会』でお会いしましょう」
そう言って、急いで配信を切った私は深いため息をついた。
「イヴェインだって、私がセレノアだと知ったらがっかりするに違いないもの」
彼が好きなのはシエルノワールであって、セレノアではない。
再び顔も見たくないと言われたら、二度と立ち直れないかもしれない。これでも私は、前世でプレイしていたこの乙女ゲーム『星恋ロンド~運命は夜空に踊る~』の正統派ヒーロー枠のイヴェイン推しだったのだ。推しからの失望なんて一度きりで充分だ。
どうせなら嫌われる前に前世の記憶を取り戻して好感度を上げたかったけど、過ぎたことを悔やんでも仕方がない。
その翌日、予想外のことが起きた――。
「はじめまして、セレノア様」
にこにこと愛らしい笑顔を向けてきたのは、エマだった。
使用人に来客だと告げられ、断ろうとしたら、もうすでに部屋の前にいる……って、これいったいどんな状況!?
10
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は婚約破棄されてからが本番です~次期宰相殿下の溺愛が重すぎて困っています~
usako
恋愛
侯爵令嬢リリアナは、王太子から公衆の面前で婚約破棄を告げられる。
「あなたのような冷酷な女と結婚できない!」
そう断罪された瞬間――リリアナの人生は終わりを迎えるはずだった。
だが彼女は知っている。この展開が“破滅フラグ”だと。
生まれ変わりの記憶を持つ彼女は、今度こそ幸せを掴むと誓う。
ところが、彼女を拾ったのは冷徹と名高い次期宰相殿下シオン。
「君は俺の庇護下に入る。もう誰にも傷つけさせない」
傲慢な王太子にざまぁされ、愛しすぎる殿下から逃げられない――
運命に抗う令嬢と、彼女を手放せない男の甘く激しい恋の再生譚。
婚約破棄は大歓迎! 悪役令嬢は辺境でぐうたらスローライフを送りたい ~二度寝を邪魔する奴は、王太子でも許しません~
小林 れい
ファンタジー
煌びやかな夜会で、婚約者であるジークフリート王太子から「婚約破棄」を突きつけられた公爵令嬢ユーラリア。 「身に覚えのない罪」で断罪される彼女に、周囲は同情の視線を向けるが——。
(((きたぁぁぁ! 自由だ! これで毎日、お昼過ぎまで寝られる!!)))
実は彼女、前世の記憶を持つ転生者。 過労死した前世の反省から、今世の目標は「絶対に働かないこと」。 王妃教育という名の地獄から解放されたユーラリアは、慰謝料として手に入れた北の果ての別荘へと意気揚々と旅立つ。
待っていたのは、フカフカの羽毛布団と、静かな森。 彼女はただ、お菓子を食べて、二度寝をして、ダラダラ過ごしたいだけだった。
しかし——。 「眩しいから」と魔法で空を曇らせれば、**『干ばつを救った聖女』と崇められ。 「動くのが面倒だから」と転移魔法でティーカップを寄せれば、『失伝した超魔法の使い手』**と驚愕される。
さらに、自分を捨てたはずの王太子が「君の愛が恋しい」と泣きつき、隣国の冷徹な軍事公爵までが「君の合理的な休息術に興味がある」と別荘に居座り始めて……!?
「お願いですから、私の睡眠を邪魔しないでいただけますか?」
勘違いと怠惰が加速する、最強ニート令嬢のスローライフ(?)物語!
無能な悪役令嬢は静かに暮らしたいだけなのに、超有能な側近たちの勘違いで救国の聖女になってしまいました
黒崎隼人
ファンタジー
乙女ゲームの悪役令嬢イザベラに転生した私の夢は、破滅フラグを回避して「悠々自適なニート生活」を送ること!そのために王太子との婚約を破棄しようとしただけなのに…「疲れたわ」と呟けば政敵が消え、「甘いものが食べたい」と言えば新商品が国を潤し、「虫が嫌」と漏らせば魔物の巣が消滅!? 私は何もしていないのに、超有能な側近たちの暴走(という名の忠誠心)が止まらない!やめて!私は聖女でも策略家でもない、ただの無能な怠け者なのよ!本人の意思とは裏腹に、勘違いで国を救ってしまう悪役令嬢の、全力で何もしない救国ファンタジー、ここに開幕!
悪役令嬢に婚約破棄された令嬢は、隣国の氷の公爵に拾われて溺愛される〜婚約者のざまぁは後日ゆっくりと〜
nacat
恋愛
社交界で「地味」と嘲られてきた公爵令嬢エレナは、婚約者に「退屈な女だ」と婚約破棄を宣告される。失意のなか、隣国の氷の公爵と呼ばれるアーヴィンに偶然助けられた彼女は、雪原の城へと迎え入れられる。無表情で近寄りがたい彼には、深い孤独と優しさが隠されていて——。
元婚約者と元親友が後悔に沈むころ、エレナは新たな愛に包まれていく。ざまぁも溺愛も、とびきり甘く。
【完結】婚約破棄したら『悪役令嬢』から『事故物件令嬢』になりました
Mimi
ファンタジー
私エヴァンジェリンには、幼い頃に決められた婚約者がいる。
男女間の愛はなかったけれど、幼馴染みとしての情はあったのに。
卒業パーティーの2日前。
私を呼び出した婚約者の隣には
彼の『真実の愛のお相手』がいて、
私は彼からパートナーにはならない、と宣言された。
彼は私にサプライズをあげる、なんて言うけれど、それはきっと私を悪役令嬢にした婚約破棄ね。
わかりました!
いつまでも夢を見たい貴方に、昨今流行りのざまぁを
かまして見せましょう!
そして……その結果。
何故、私が事故物件に認定されてしまうの!
※本人の恋愛的心情があまり無いので、恋愛ではなくファンタジーカテにしております。
チートな能力などは出現しません。
他サイトにて公開中
どうぞよろしくお願い致します!
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
離婚と追放された悪役令嬢ですが、前世の農業知識で辺境の村を大改革!気づいた元夫が後悔の涙を流しても、隣国の王子様と幸せになります
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リセラは、夫である王子ルドルフから突然の離婚を宣告される。理由は、異世界から現れた聖女セリーナへの愛。前世が農業大学の学生だった記憶を持つリセラは、ゲームのシナリオ通り悪役令嬢として処刑される運命を回避し、慰謝料として手に入れた辺境の荒れ地で第二の人生をスタートさせる!
前世の知識を活かした農業改革で、貧しい村はみるみる豊かに。美味しい作物と加工品は評判を呼び、やがて隣国の知的な王子アレクサンダーの目にも留まる。
「君の作る未来を、そばで見ていたい」――穏やかで誠実な彼に惹かれていくリセラ。
一方、リセラを捨てた元夫は彼女の成功を耳にし、後悔の念に駆られ始めるが……?
これは、捨てられた悪役令嬢が、農業で華麗に成り上がり、真実の愛と幸せを掴む、痛快サクセス・ラブストーリー!
無事にバッドエンドは回避できたので、これからは自由に楽しく生きていきます。
木山楽斗
恋愛
悪役令嬢ラナトゥーリ・ウェルリグルに転生した私は、無事にゲームのエンディングである魔法学校の卒業式の日を迎えていた。
本来であれば、ラナトゥーリはこの時点で断罪されており、良くて国外追放になっているのだが、私は大人しく生活を送ったおかげでそれを回避することができていた。
しかしながら、思い返してみると私の今までの人生というものは、それ程面白いものではなかったように感じられる。
特に友達も作らず勉強ばかりしてきたこの人生は、悪いとは言えないが少々彩りに欠けているような気がしたのだ。
せっかく掴んだ二度目の人生を、このまま終わらせていいはずはない。
そう思った私は、これからの人生を楽しいものにすることを決意した。
幸いにも、私はそれ程貴族としてのしがらみに縛られている訳でもない。多少のわがままも許してもらえるはずだ。
こうして私は、改めてゲームの世界で新たな人生を送る決意をするのだった。
※一部キャラクターの名前を変更しました。(リウェルド→リベルト)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる