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20 お義兄様とデートしました
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「ミランダちゃ~ん、迎えにきたよ~」
お義兄様の第一声から始まり、簡単な別れの挨拶御礼をサタンクロス商店のその場にいた人達に述べて、伯爵家の馬車に乗った。
「二日もいたよ、あのアホンドル」
流石に不敬通り過ぎて無視だよ、その言葉。
「ええ、だってお義兄様に会いに来たのなら、お義兄様の元にいるでしょう。何も間違っておりません」
「全く宿屋を、取ったくせに。領主館に引きこもって、ハアハア言ったりして気持ち悪かったよ。胸が痛いとか言って、嘘ばかりさ。医師に見せても異常なし。マリングレー王国の一団とは、挨拶しただけで体調不良を理由として会合も打ち合わせも無しで、馬車も別々で王宮に帰って行ったよ。もちろん私とも簡単な話だけ、まぁこちらとしては助かったけど、余計な仕事を押し付けられなかったし。ただサイファが口煩く、計画書を見せてきて面倒くさかったな。グレゴリーなんか休暇みたいな感覚でうちの私兵騎士達と打ち合いばかりしていたし。全く、私も漁港に行った方がマシだったね。時間の無駄だった。ミランダちゃんは、楽しかったかい?」
お義兄様の怒りは中々消えなかった。スラスラと王子様に対して悪口を言っている。
こんな話聞かれたら大変なので、一人言扱いです。
「ええ、それはもちろん。釣りも買い食いも貝殻拾いも港歩きも、初めて尽くしで楽しかったし、面白かったわ。ねぇ、お義兄様ここは漁港のせいか砂浜はほとんどないのね。店長のケトルさんの紹介でプライベートビーチにお邪魔したのよ」
私は充実した毎日を過ごした。
「楽しく過ごせて何よりだよ。確かに砂浜よりも岩場、船着場だね。マリングレー国の砂浜は美しいものね。絵本の挿絵でも有名だよね」
「そう!綺麗なのよね。本で見たわ。洞窟もあって、そこには海水の泉が湧いているって、先生が言っていたわ。恋人達のデートスポットと教えてくれたわ」
「そうなのか、せっかくなら、ミランダちゃんが国を出る時寄れば良かったな~。ミランダちゃんとデートスポットに行きたかったな」
そんな時間はなかったはずなのに、相変わらず優しいお義兄様だ。
「ふふふ、私もです」
「そろそろ、祭りのための飾り付けと人の往来が激しくなるから、なるべく二、三日中に町中でやる事を済ませておこう。買いたい物もね、考えておいてね」
「ありがとうございます、お義兄様」
そう言えば、お義兄様から、アンドル王子に素顔を見られたお叱りを受けてない。
王子に見られた可能性は、手紙で伝えたけど、一瞬だったし、何もなかったのなら良かった。
お義兄様が言わないという事は、私の気にしすぎ、もしかして自惚れ!?
あぁ、恥ずかしいわ。
イズリー家の使用人もラナも異様に、私の事褒めるから調子乗ってしまったわ。
私を見たとて、気にならないわよね。
全く手紙が、すでに恥文になっているわ。
「何を百面相しているのかな?一応ね、忠告だよ。今後アンドルの前で、素顔を絶対に見せてはいけないよ。私もミランダちゃんの幸せは一番に考えているけど、あいつはああ見えて、かなりのお子様王子なんだ。それにウランダル王国の姫が婚約者候補だと思うし。情勢的にあの国が、一番警戒対象だから。ミランダちゃんの美貌は傾国級だからね、余計な事でも万一を考えて言ってみたよ」
「…褒め過ぎです。出会ったからといってそんな恋愛関係になりません!お義兄様に送った手紙が、自惚れの調子乗りの恥文になってなくて良かったです。きちんと報告できたなら、私もイズリー家の娘になれましたかね」
と言えば、端の席から大きな溜息が漏れた。ラナったら言いたいことがあるのかしら?
「本当に可愛い~。ミランダちゃ~ん」
と義兄に抱きしめられた。
全く、初めて会った時と変わらない態度に、こちらが照れてしまう。
「もう!」
「初めて会った時から、ずっと美人で可愛い過ぎるミランダちゃんが悪いよ。本当に、一目見て、倒れるほど驚いたのだから…」
全く、大袈裟な!
「あれ!灯台じゃありませんか?あの大きな塔!遠くまで見渡せそうですね」
「行こう、デートだよ。イズリー領のデートスポットなんだよ、ここの灯台、特に夕焼けが大人気!」
こんな兄妹のやり取りにラナは、何も言わずニヤニヤしている。
その目はやめてほしい、そういった邪な感情はないから。兄妹ですから。
みんなで螺旋階段を登る。
お義兄様が片手を差し出しエスコートをしてくれる。
この灯台が出来た頃の話や海の怪獣伝説、面白く話をしてくれる。
本当に私を退屈させずに、いつも楽しませてくれるお義兄様。
「ほら、夕焼けじゃないけど海鳥が列をなして飛んでいるよ」
「かっこいい旋回ですね、これは、リリエットに自慢出来る光景ですよ。もしも宿題が絵画なら、私今日の日の光景を書きましたわ」
「いつか、夕焼けも見にこよう、今日はいなかった海の怪獣も見つけたいし」
と言ってお義兄様は笑った。
くだらない話すぎて、釣られて私も笑った。
こんな素敵な時間をありがとう。
そう思わずにはいられなかった。
外の世界は、いつも自由で広大で温かい。
でも知っています。
そんな風に作ってくれる人がいるから、そんな風に感じるんですよね、先生。
…お義兄様の優しさが、明るさが、いつも私を包んでくれている。
いつも、私を守ってくれている。
いつか、私は、お義兄様に返せるのでしょうか?こんな大きな優しさを。
きっと、イズリー家の皆さんに相談すると思います。お義兄様の幸せを考える時、力になって下さいね。
穏やかな一日に感謝します。
*
祭りのために商人達が、色々運んでくる。
珍しいフルーツを売る者や芸を見せる者、屋台も並ぶ。
様々な匂いが立ち上って、街は潮風を感じる程度になった。
そんな頃、お義母様やレオンが到着した。
きょうも大変、賑やかです。
*
そんな楽しんでいた私達と対照的に、祭りの前日、王宮では、ダイアナさんとティア王女のお茶会が行われていた。
お義兄様の第一声から始まり、簡単な別れの挨拶御礼をサタンクロス商店のその場にいた人達に述べて、伯爵家の馬車に乗った。
「二日もいたよ、あのアホンドル」
流石に不敬通り過ぎて無視だよ、その言葉。
「ええ、だってお義兄様に会いに来たのなら、お義兄様の元にいるでしょう。何も間違っておりません」
「全く宿屋を、取ったくせに。領主館に引きこもって、ハアハア言ったりして気持ち悪かったよ。胸が痛いとか言って、嘘ばかりさ。医師に見せても異常なし。マリングレー王国の一団とは、挨拶しただけで体調不良を理由として会合も打ち合わせも無しで、馬車も別々で王宮に帰って行ったよ。もちろん私とも簡単な話だけ、まぁこちらとしては助かったけど、余計な仕事を押し付けられなかったし。ただサイファが口煩く、計画書を見せてきて面倒くさかったな。グレゴリーなんか休暇みたいな感覚でうちの私兵騎士達と打ち合いばかりしていたし。全く、私も漁港に行った方がマシだったね。時間の無駄だった。ミランダちゃんは、楽しかったかい?」
お義兄様の怒りは中々消えなかった。スラスラと王子様に対して悪口を言っている。
こんな話聞かれたら大変なので、一人言扱いです。
「ええ、それはもちろん。釣りも買い食いも貝殻拾いも港歩きも、初めて尽くしで楽しかったし、面白かったわ。ねぇ、お義兄様ここは漁港のせいか砂浜はほとんどないのね。店長のケトルさんの紹介でプライベートビーチにお邪魔したのよ」
私は充実した毎日を過ごした。
「楽しく過ごせて何よりだよ。確かに砂浜よりも岩場、船着場だね。マリングレー国の砂浜は美しいものね。絵本の挿絵でも有名だよね」
「そう!綺麗なのよね。本で見たわ。洞窟もあって、そこには海水の泉が湧いているって、先生が言っていたわ。恋人達のデートスポットと教えてくれたわ」
「そうなのか、せっかくなら、ミランダちゃんが国を出る時寄れば良かったな~。ミランダちゃんとデートスポットに行きたかったな」
そんな時間はなかったはずなのに、相変わらず優しいお義兄様だ。
「ふふふ、私もです」
「そろそろ、祭りのための飾り付けと人の往来が激しくなるから、なるべく二、三日中に町中でやる事を済ませておこう。買いたい物もね、考えておいてね」
「ありがとうございます、お義兄様」
そう言えば、お義兄様から、アンドル王子に素顔を見られたお叱りを受けてない。
王子に見られた可能性は、手紙で伝えたけど、一瞬だったし、何もなかったのなら良かった。
お義兄様が言わないという事は、私の気にしすぎ、もしかして自惚れ!?
あぁ、恥ずかしいわ。
イズリー家の使用人もラナも異様に、私の事褒めるから調子乗ってしまったわ。
私を見たとて、気にならないわよね。
全く手紙が、すでに恥文になっているわ。
「何を百面相しているのかな?一応ね、忠告だよ。今後アンドルの前で、素顔を絶対に見せてはいけないよ。私もミランダちゃんの幸せは一番に考えているけど、あいつはああ見えて、かなりのお子様王子なんだ。それにウランダル王国の姫が婚約者候補だと思うし。情勢的にあの国が、一番警戒対象だから。ミランダちゃんの美貌は傾国級だからね、余計な事でも万一を考えて言ってみたよ」
「…褒め過ぎです。出会ったからといってそんな恋愛関係になりません!お義兄様に送った手紙が、自惚れの調子乗りの恥文になってなくて良かったです。きちんと報告できたなら、私もイズリー家の娘になれましたかね」
と言えば、端の席から大きな溜息が漏れた。ラナったら言いたいことがあるのかしら?
「本当に可愛い~。ミランダちゃ~ん」
と義兄に抱きしめられた。
全く、初めて会った時と変わらない態度に、こちらが照れてしまう。
「もう!」
「初めて会った時から、ずっと美人で可愛い過ぎるミランダちゃんが悪いよ。本当に、一目見て、倒れるほど驚いたのだから…」
全く、大袈裟な!
「あれ!灯台じゃありませんか?あの大きな塔!遠くまで見渡せそうですね」
「行こう、デートだよ。イズリー領のデートスポットなんだよ、ここの灯台、特に夕焼けが大人気!」
こんな兄妹のやり取りにラナは、何も言わずニヤニヤしている。
その目はやめてほしい、そういった邪な感情はないから。兄妹ですから。
みんなで螺旋階段を登る。
お義兄様が片手を差し出しエスコートをしてくれる。
この灯台が出来た頃の話や海の怪獣伝説、面白く話をしてくれる。
本当に私を退屈させずに、いつも楽しませてくれるお義兄様。
「ほら、夕焼けじゃないけど海鳥が列をなして飛んでいるよ」
「かっこいい旋回ですね、これは、リリエットに自慢出来る光景ですよ。もしも宿題が絵画なら、私今日の日の光景を書きましたわ」
「いつか、夕焼けも見にこよう、今日はいなかった海の怪獣も見つけたいし」
と言ってお義兄様は笑った。
くだらない話すぎて、釣られて私も笑った。
こんな素敵な時間をありがとう。
そう思わずにはいられなかった。
外の世界は、いつも自由で広大で温かい。
でも知っています。
そんな風に作ってくれる人がいるから、そんな風に感じるんですよね、先生。
…お義兄様の優しさが、明るさが、いつも私を包んでくれている。
いつも、私を守ってくれている。
いつか、私は、お義兄様に返せるのでしょうか?こんな大きな優しさを。
きっと、イズリー家の皆さんに相談すると思います。お義兄様の幸せを考える時、力になって下さいね。
穏やかな一日に感謝します。
*
祭りのために商人達が、色々運んでくる。
珍しいフルーツを売る者や芸を見せる者、屋台も並ぶ。
様々な匂いが立ち上って、街は潮風を感じる程度になった。
そんな頃、お義母様やレオンが到着した。
きょうも大変、賑やかです。
*
そんな楽しんでいた私達と対照的に、祭りの前日、王宮では、ダイアナさんとティア王女のお茶会が行われていた。
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