今日も楽しくいきまshow!?

犬野きらり

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48 お義父様が帰ってきました

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知らない人に悩みを打ち明けてしまったわ。ラナにも言えないことを!知らない人だから思いっきったことを言ってしまったのかしら?
ラナに怒られるわね。

『淑女として~危機管理』とか。

でも、不思議と…
聞いてもらって恥ずかしいはずが、スッキリもしている?
うーむ、こんな感じなら、私も溜息の船乗りのお役に立ったかもしれないわ。

今日の夕食は、昨日より美味しく感じているし。
ふふっふふっ

「良かったぁ~、お義姉様が、楽しそうに笑ってくれましたね。いつものお義姉様です~」

レオンが、夕食後、側に来て喜んでくれた。本当に可愛い義弟。
そんなに心配させていたなんて…
申し訳なかったわ。

「お嬢様、本日何かありましたか?みなさんに御礼を言えて気持ちが晴れましたか?」

「ラナったら、グレゴリー様みたいな尋問じゃないの。リリエット達が物凄く心配してくれたのと、注意もされたの。一人で進まないで、先に相談して欲しいって、それが嬉しかったわ!」

「ええ、お嬢様、とても大切なことです。一番大事なことですから」

ラナだけじゃなく、後ろにいた侍女達まで頷いた。

「学校に行けて本当に良かったわ。イズリー家の皆様にどれだけ感謝すればいいかしら」

「大丈夫ですよ、お嬢様はずっとイズリー家に居れますから、恩返しはいつでも出来ます。自分自身を守り、大切にして下さい。それが、私達の望みです」

「ラナ…」



数日何もなく過ごした。
今も、マユリカ王女様達は、登校していない。誰かが言った『停学処分』という事なのだろうか。

「お嬢様、旦那様がお戻りになりました。そのままの衣装で良いので、執務室に来て欲しいと指示されました」

「お急ぎなのね、すぐに行くわ」



「失礼します、ミランダです」

「あぁ、入ってくれ」

「お義父様、お帰りなさいませ…」

とても疲れている義父がいた。
交渉が大変だったのだろうな。

「ただいま、ミランダ。早速なのだが、マユリカ王女様達御一行は、ウランダル王国に帰ることになった。明日か明後日には」

「まだ留学して一カ月も経っていないですよ、王女様は納得なさったのですか?」

「納得?いや、違うみたいだよ。アンドル王子達もやるもんだね、強制送還さ。あちらに問題があったと証明された。私は、王宮に行った後、すぐにウランダル王国に入国してね。外交官として交渉してきたよ。同盟の強化、勿論婚姻なしで、貿易の関税権とかね。まぁ向こうもあの王女は、お荷物だったらしくてね、まさか人質としてでもいいから、我が国に置いてくれ、なんて馬鹿な事を言い出したから、丁重にお断りした。後…ディライドに会ってきた…」

「えっ、お義兄様に!」

「あぁ、非常に怒り心頭だったよ。慌て帰ってきた。たぶんニ、三日中に帰ってくる。会ったその日に、例の火力で走る車の工房が大爆発した…職人、設計士がみんな死亡と発表された。国に上がっていた計画案からの資料ごと全て紛失…はっきりいってウランダル王国は、今この件の損失が計りしれない。多額の金を投じた事業だったから、マユリカ王女様どうこうじゃないよ、人手も金も足りてない国になって、逆に近隣諸国に狙われてしまうね」

「お義父様…爆発って」

「あぁ間違いないね、ディライドがもう跡形もなくね。花火を工房で爆発させたみたいにね、ドカーンと。私の話を聞いた日にね…」

まさかあの黒鞭事件が、工房花火ドカーン爆発事件に発展するなんて。
みんな死亡って、お義兄様、殺人者になってしまったの!?

「お義父様!お義兄様まさか殺人者に!」

「あぁ、言い方が悪かった。死亡届けが出ている者は、イズリー領に移動中だ。家族も追々の予定だ。今は目立たないようにしていると思う。最後の仕上げとしてウランダル王国の王太子を脅しているみたいだった。多分、後で発表される…な」

「良かったです。お義兄様が殺人者にならなくて!」

「まぁ、うん、そうだけど。我が子ながら恐ろしい交渉をしているよ」

お義父様が疲れきった顔で、でも遠くを見ていた。
何が見えているのかな?

突然、笑った。

「ミランダ、君は、今、楽しいかい?」

「はい、楽しいです!」

「良かった。迷信なんて情報第一のイズリー家に一番不確かな話だった。君が楽しくて我が家も幸せだ。ちょっと賑やかすぎるかなと思う時はあるけど。でもその方が楽しいね。実はさ、ディライド、鬼のように怒って、楽しそうに笑ったんだよね。怖いよね、でもどこか自分を抑えて生きているでしょう、みんな。
それが協調して生きる世界だから。
でも、こんなことミランダに言ってはいけないのだけど、『ミランダ』という言い訳があの子にはあって、思いっきりやりたい事やったんだよ。悪い子だよね、ディライドは…それで、スッキリしているんだもの…」

確かに危険な事をして欲しいとは、思ってもいない。それでも、

「お義兄様は、ずっと私に優しいです」

これは事実。甘いケーキを毎日スプーンで掬って口にまで運んでくれるような…

「そうか、怒ってもいいんだよ。家族の前だと遠慮して怒れないだろう。私の前だけでも、文句を言っていいし、怖がっていい…」

「お義兄様を怒るなんてないですよ。確かにやりすぎではないかとは、思いました。だけど、先を考えてそうすべきだと思っての行動だと思います。早く帰りたいと言いながら、時間をかけて人を動かし、ウランダル王国にダメージを与えたのだと思います」

「ディライドを信頼しているんだね」

「もちろん、お義兄様ですもの!」

「そうか、では後はあの子が帰って来てから、聞きたいことがあったら聞けばいいし、時間が経って怒りたくなったら、文句を言えば良い」

「はい、お義父様。失礼します」

扉を閉めるまで、お義父様は疲れた顔だけど、にこやかな笑顔だった。

「あぁ、お茶の準備を近くにいる者に頼んでくれるかい?」

「はい、わかりました」



「多分ディライドもわかっているはずなんだ。自分を解放したい欲をミランダに重ねていると。ミランダもきちんとそういうディライドを心の底で見極めているのだな。きちんと一歩引いた反応をしていたし、賢い娘で良かったな…ディライドは、まだまだ子供だなぁ。大人との交渉ばかりに夢中で、成長過程の思春期を置いてきた事に気づいてないみたいだ。大丈夫かな、ディライド」

と、私が執務室から出た後にお義母様とゆっくりお茶を飲んだ時に、お義父様が溢したと、少し先の未来でお義母様から聞いた。
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