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カイルのもとには、突然アーシャから、手紙がきた。
アーシャは自分から手紙をだすような令嬢ではない。返事は書くが、自ら率先して王子に手紙なんて書かない。
心配もあるが、それより嬉しさが勝つ。お礼状のようなものだった。あと思い出話。先日は、兄様がいたから思い出語りは出来ないが、最後の二文が意味がわからない。タネキの絵か?魚釣りの話。タヌキ言葉か。
『危険を感じたことはないか。用心して』
アーシャは、何を知っている?
変わったことは、最近警備の騎士が変わった。私も強くなったし、新人でも構わないと思っている。そして私付きのいや母についていたメイドが、側妃のリアン王子付きに抱えられた。母様が亡くなってから6年、ずっと寄り添ってくれていた。みんなが嫌がるあの時の傷も何度も当て布を変えてくれたメイド。正直母親代わりにしていたから寂しいが仕方ない。リアン王子はまだ幼い。手が掛かるのだろう。
話すべきか?
心配してくれているんだな。いや、これ以上アーシャに心配させたくないな。返事と誕生日プレゼントを送ろう。こんな事を考えている時間が楽しいな。
「何が喜ぶかな?」
剣術の時にアーシャへの誕生日プレゼントの話を兄様にして、兄様が王妃付きの良い商人を紹介してくれた。花束は兄様が手配したが言わなくていいと言われた。
寒い日が続いて、気づくと一人になる事も増えたが、手押し相撲の件で策略や身体の使い方に興味が出て、本を読むようになった。その話をすると、
「本当に良い刺激をもらえる学友と出会えて良かったな」
と兄様は言い、エリオンは、
「アーシャはそんなこと言ってはないんじゃないですか?いいように勘違いなされているのでは?」
と言ったが、兄様が宥めた。
部屋に戻るとアーシャの護衛騎士シンとメイドのマリアかいた。
「何故ここに!?アーシャが来たのか?」
と聞くと、顔を振り、メッセージカード
が渡された。
『サプライズ』
驚いたし、なんで。どういう事だ。慌て手紙を書いた。
なんで何も言ってないのに、自分の一番信頼できる人間を私なんかに寄越すんだ、アーシャは!
フランツが部屋に戻ると護衛騎士のフェルナンドから連絡事項として、ドミルトン伯爵家のシンがカイルの護衛にメイドにマリアがついたと知らされた。慌てアーシャに手紙を書く。
一体何が起こっている?
そんなに事態は深刻なのか?
お祖父様に時間を作ってもらった。お祖父様に聞いても
「アーシャ嬢の感だそうだ」
の答えのみ。
国王はきっと私にもカイルにもいい顔する。何が起きようとも知らない、他の者に任せたしか言わないだろう。
私の父ながら、何故あんなに他方面にいい顔するのかわからない。ギリギリのところを王妃と宰相が国という形を保っているような気がする。
しばらくして王妃から茶に誘われて、座ると
「アーシャ・ドミルトンについて知っているかしら?」
と聞かれ、表情を変えず答えた。
「会ったのは、私の10歳の茶会、カイルは学友だと言ってました」
「茶会に参加していたのね、覚えていないわ…あなたが騎士団の遠征を動かしたのは、かの令嬢に会うため?」
「違います。王妃、ドミルトン伯爵領の収益に興味がありついでに町の様子を見ただけです」
冷静に言った。
王妃は、そうと、軽く言い、周りの者を遠ざけた。
「フランツ、この令嬢はかなりキレものよ。カイル王子が再び狙わた可能性がある。あなたの行動で救われたけど。それに感づいたのなら私も興味あるわ」
「母様、どういう事ですか?」
「フランツ、声、表情崩れたわよ、今、勢力図がまだ安定してない。フランツを支えるカイルが邪魔な者もいる。あなたは気取られないよう、一層邁進しなさい。もし、かの令嬢が持ち駒を使ったなら本当にたいしたものね。一戦お願いしたいわ。ドミルトン伯爵令嬢、興味深いわ」
「チェスで王妃に敵うものなどおりませんよ」
と言うと、アーシャと関わりを持ったことを誉められ、私からあなたにプレゼントをするわと言われた。
母様の実家の商人と会うことになり、訓練された伝書鳩をもらった。ドミルトン伯爵領の道も覚えていると言う。何か母様は勘違いしていないか!
母様の話しによれば、カイルが狙わた可能性が高い。伝える前に本当にアーシャとこいつで連絡を取れるかも不安だったのでたいした内容は書かない。
アーシャからやはり情報が足りないため彼女の感と帰ってきたことには驚いた。
やはり何手も読んでいるようだ。
王妃とチェスか…
感嘆したが、王妃から私も狙われているらしいから今は油断できないと言われている。そしてタヌキ言葉、こんな事を考える令嬢がいるのだろうか。ただただ興味が増していく。
アーシャの手紙通り、落ちついて、自分の目で王宮内にいる護衛騎士、メイド、侍女、執事、料理人を勢力の分布訳して気づいた。
「いつの間に?」
半数がアステリア王国と関わりある者達で、いつのまにか塗り替えられていた。王妃周りと自分の周りは、王妃の実家の関連者だが、カイル周りはアステリア王国の関連性の高い人物で、ウロウロしている者達は、側妃が大量につれてきていた侍女が我が国の爵位を持つ者と結婚して出来た親族が王宮内を歩いていた。
「フェルナンド、知っていたか?」
と聞いてみた。
「いえ、もう三年になりますか。あの事件の後私は、着任しました。あの時騎士、メイド、侍女、執事、解任が多数出たはずです。そして手配は、国王主導のもとと聞いてます。派閥関係無しに決めたと聞きましたが、これでは実際は、側妃様が決めたのでしょうか?」
「わからないが、王妃も私周りを強化していたし、調査していたはずだ。気づかないわけないんだが」
「とりあえず、アーシャ様にお伝えした方がいいですね。予想はされているでしょうが。いや、シンが伝えているかもしれません。かなり自慢の令嬢らしく心酔していますから。そして、よくメモ書きしたものを手紙に書いていますから」
「そうか、まぁアーシャの護衛やメイドならまだ心配はないだろう」
と言うと、考えこむように、
「でも私、アーシャ嬢の顔覚えてないんですよね…」
とフェルナンドが呟いた。
印象がない令嬢。
本当におかしな令嬢だ。
しかし、やり取りをすればするほどアーシャ・ドミルトンと話したくなる。何故だろう、賢いからだろうか、煩わしさがないからだろうか?
本当に不思議だ。やり取りをしている事を、カイルに話してない。カイルが狙われているから内密にしている、本当にそれだけだろうか?
後ろめたさが占める。
伝書鳩が帰ってきた。
手紙は、1週間後と書いてあった。
「また飛ばせということか」
もうじき、私は11歳になる。また茶会を開くのだろうか?
令嬢は来てくれるだろうか?
「マリア、シン。私は狙われているから、アーシャは、二人を寄越してくれたのだな。本当に二人にはすまないと思っている。私はあまりにもそういった政治的なものに考えなしだから。勢力に関係ない第三者として、何故そこまでアーシャは、気にかけてくれるのだろう?」
とカイルが言えば、シンは、
「気にしないでください。カイル王子様が狙われているかどうかもまだ探索中です。ただアーシャ様が感と言われた時点で私達は、アーシャ様の指示を信じて遂行します。不思議なんですよ。お顔を知らない王子達を王都で発見したときの言動も初動が早すぎました。今回もアーシャ様は何に引っかかったかと言えば、カイル王子様が、一人で収穫祭に来る予定と聞いてからだと思います。全てに手を打ち始めました」
と言えば、マリアは、
「カイル王子様達が拐われる事件の前日からアーシャ様は変でした。心配事があるご様子で眠れなかったようです。最近までルイーゼ様と話されたくないのかと思ったのですが、王都に行きたくなかったのではないかと思いました。たまにアーシャ様は何か紙を見たり書いたりしている様子で、その度に溜息をつかれてます」
と言った。
二人ともアーシャは不思議と言っているのか?でもアーシャが言ったことには信頼して自分の役割をこなすと言っている。
相変わらず、凄いなぁ。
私にはそんな人望はない。
羨ましさと自分の欠点が浮き彫りにされる。
僻み…それよりも憧れや羨望に近いかもしれない。
「負けられないな」
アーシャからもらった手紙には、留学を勧められている。少しこの国を離れた方が良いと、何故かと聞けば、兄様と仲が良いからだと返ってきた。
「そんな理由で狙われるってあるか?」
兄様にも言えない。また兄様が気に病むから。そうか、リオン王子側としたら、面白くはないか。何故リオンが兄様を支える側を考えないのか!
非常に残念だ。何故争うことばかり…
とシンとマリアに言うと、二人は笑って
「優しすぎますね、カイル王子様」
と言われた。
シンから兄様が調べた使用人の勢力分布訳を見せてもらった。
「私を狙っているのは、側妃?」
疑ってはいなかった、ただ確認したかっただけだ。そんなに私が気に入らないのか!私が一番弱いからか!
二人は答えなかったが、何故こんなにアステリア王国の関係者ばかり王宮に入りこんだのだ?
側妃が来た時多くの使用人を連れてきていたが、ここまでではなかった。この数年?
「私の周りがアステリア王国の関連者ばかりだ」
「はい、アーシャ様は心配しています。ただアーシャ様のことです。すでに策は打ってますよ」
とシンは言った。
アーシャ何故そこまで助けてくれる?
空から星が落ちそうだと見上げれば顔につたう水滴を懸命に服で押さえつけた。同じ歳なのに、自分はあまりにも無力で何をしたらいいかさえわからない。
「まるで、星だなぁ」
と呟いた。
アーシャは自分から手紙をだすような令嬢ではない。返事は書くが、自ら率先して王子に手紙なんて書かない。
心配もあるが、それより嬉しさが勝つ。お礼状のようなものだった。あと思い出話。先日は、兄様がいたから思い出語りは出来ないが、最後の二文が意味がわからない。タネキの絵か?魚釣りの話。タヌキ言葉か。
『危険を感じたことはないか。用心して』
アーシャは、何を知っている?
変わったことは、最近警備の騎士が変わった。私も強くなったし、新人でも構わないと思っている。そして私付きのいや母についていたメイドが、側妃のリアン王子付きに抱えられた。母様が亡くなってから6年、ずっと寄り添ってくれていた。みんなが嫌がるあの時の傷も何度も当て布を変えてくれたメイド。正直母親代わりにしていたから寂しいが仕方ない。リアン王子はまだ幼い。手が掛かるのだろう。
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心配してくれているんだな。いや、これ以上アーシャに心配させたくないな。返事と誕生日プレゼントを送ろう。こんな事を考えている時間が楽しいな。
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寒い日が続いて、気づくと一人になる事も増えたが、手押し相撲の件で策略や身体の使い方に興味が出て、本を読むようになった。その話をすると、
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「アーシャはそんなこと言ってはないんじゃないですか?いいように勘違いなされているのでは?」
と言ったが、兄様が宥めた。
部屋に戻るとアーシャの護衛騎士シンとメイドのマリアかいた。
「何故ここに!?アーシャが来たのか?」
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驚いたし、なんで。どういう事だ。慌て手紙を書いた。
なんで何も言ってないのに、自分の一番信頼できる人間を私なんかに寄越すんだ、アーシャは!
フランツが部屋に戻ると護衛騎士のフェルナンドから連絡事項として、ドミルトン伯爵家のシンがカイルの護衛にメイドにマリアがついたと知らされた。慌てアーシャに手紙を書く。
一体何が起こっている?
そんなに事態は深刻なのか?
お祖父様に時間を作ってもらった。お祖父様に聞いても
「アーシャ嬢の感だそうだ」
の答えのみ。
国王はきっと私にもカイルにもいい顔する。何が起きようとも知らない、他の者に任せたしか言わないだろう。
私の父ながら、何故あんなに他方面にいい顔するのかわからない。ギリギリのところを王妃と宰相が国という形を保っているような気がする。
しばらくして王妃から茶に誘われて、座ると
「アーシャ・ドミルトンについて知っているかしら?」
と聞かれ、表情を変えず答えた。
「会ったのは、私の10歳の茶会、カイルは学友だと言ってました」
「茶会に参加していたのね、覚えていないわ…あなたが騎士団の遠征を動かしたのは、かの令嬢に会うため?」
「違います。王妃、ドミルトン伯爵領の収益に興味がありついでに町の様子を見ただけです」
冷静に言った。
王妃は、そうと、軽く言い、周りの者を遠ざけた。
「フランツ、この令嬢はかなりキレものよ。カイル王子が再び狙わた可能性がある。あなたの行動で救われたけど。それに感づいたのなら私も興味あるわ」
「母様、どういう事ですか?」
「フランツ、声、表情崩れたわよ、今、勢力図がまだ安定してない。フランツを支えるカイルが邪魔な者もいる。あなたは気取られないよう、一層邁進しなさい。もし、かの令嬢が持ち駒を使ったなら本当にたいしたものね。一戦お願いしたいわ。ドミルトン伯爵令嬢、興味深いわ」
「チェスで王妃に敵うものなどおりませんよ」
と言うと、アーシャと関わりを持ったことを誉められ、私からあなたにプレゼントをするわと言われた。
母様の実家の商人と会うことになり、訓練された伝書鳩をもらった。ドミルトン伯爵領の道も覚えていると言う。何か母様は勘違いしていないか!
母様の話しによれば、カイルが狙わた可能性が高い。伝える前に本当にアーシャとこいつで連絡を取れるかも不安だったのでたいした内容は書かない。
アーシャからやはり情報が足りないため彼女の感と帰ってきたことには驚いた。
やはり何手も読んでいるようだ。
王妃とチェスか…
感嘆したが、王妃から私も狙われているらしいから今は油断できないと言われている。そしてタヌキ言葉、こんな事を考える令嬢がいるのだろうか。ただただ興味が増していく。
アーシャの手紙通り、落ちついて、自分の目で王宮内にいる護衛騎士、メイド、侍女、執事、料理人を勢力の分布訳して気づいた。
「いつの間に?」
半数がアステリア王国と関わりある者達で、いつのまにか塗り替えられていた。王妃周りと自分の周りは、王妃の実家の関連者だが、カイル周りはアステリア王国の関連性の高い人物で、ウロウロしている者達は、側妃が大量につれてきていた侍女が我が国の爵位を持つ者と結婚して出来た親族が王宮内を歩いていた。
「フェルナンド、知っていたか?」
と聞いてみた。
「いえ、もう三年になりますか。あの事件の後私は、着任しました。あの時騎士、メイド、侍女、執事、解任が多数出たはずです。そして手配は、国王主導のもとと聞いてます。派閥関係無しに決めたと聞きましたが、これでは実際は、側妃様が決めたのでしょうか?」
「わからないが、王妃も私周りを強化していたし、調査していたはずだ。気づかないわけないんだが」
「とりあえず、アーシャ様にお伝えした方がいいですね。予想はされているでしょうが。いや、シンが伝えているかもしれません。かなり自慢の令嬢らしく心酔していますから。そして、よくメモ書きしたものを手紙に書いていますから」
「そうか、まぁアーシャの護衛やメイドならまだ心配はないだろう」
と言うと、考えこむように、
「でも私、アーシャ嬢の顔覚えてないんですよね…」
とフェルナンドが呟いた。
印象がない令嬢。
本当におかしな令嬢だ。
しかし、やり取りをすればするほどアーシャ・ドミルトンと話したくなる。何故だろう、賢いからだろうか、煩わしさがないからだろうか?
本当に不思議だ。やり取りをしている事を、カイルに話してない。カイルが狙われているから内密にしている、本当にそれだけだろうか?
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伝書鳩が帰ってきた。
手紙は、1週間後と書いてあった。
「また飛ばせということか」
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とカイルが言えば、シンは、
「気にしないでください。カイル王子様が狙われているかどうかもまだ探索中です。ただアーシャ様が感と言われた時点で私達は、アーシャ様の指示を信じて遂行します。不思議なんですよ。お顔を知らない王子達を王都で発見したときの言動も初動が早すぎました。今回もアーシャ様は何に引っかかったかと言えば、カイル王子様が、一人で収穫祭に来る予定と聞いてからだと思います。全てに手を打ち始めました」
と言えば、マリアは、
「カイル王子様達が拐われる事件の前日からアーシャ様は変でした。心配事があるご様子で眠れなかったようです。最近までルイーゼ様と話されたくないのかと思ったのですが、王都に行きたくなかったのではないかと思いました。たまにアーシャ様は何か紙を見たり書いたりしている様子で、その度に溜息をつかれてます」
と言った。
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相変わらず、凄いなぁ。
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羨ましさと自分の欠点が浮き彫りにされる。
僻み…それよりも憧れや羨望に近いかもしれない。
「負けられないな」
アーシャからもらった手紙には、留学を勧められている。少しこの国を離れた方が良いと、何故かと聞けば、兄様と仲が良いからだと返ってきた。
「そんな理由で狙われるってあるか?」
兄様にも言えない。また兄様が気に病むから。そうか、リオン王子側としたら、面白くはないか。何故リオンが兄様を支える側を考えないのか!
非常に残念だ。何故争うことばかり…
とシンとマリアに言うと、二人は笑って
「優しすぎますね、カイル王子様」
と言われた。
シンから兄様が調べた使用人の勢力分布訳を見せてもらった。
「私を狙っているのは、側妃?」
疑ってはいなかった、ただ確認したかっただけだ。そんなに私が気に入らないのか!私が一番弱いからか!
二人は答えなかったが、何故こんなにアステリア王国の関係者ばかり王宮に入りこんだのだ?
側妃が来た時多くの使用人を連れてきていたが、ここまでではなかった。この数年?
「私の周りがアステリア王国の関連者ばかりだ」
「はい、アーシャ様は心配しています。ただアーシャ様のことです。すでに策は打ってますよ」
とシンは言った。
アーシャ何故そこまで助けてくれる?
空から星が落ちそうだと見上げれば顔につたう水滴を懸命に服で押さえつけた。同じ歳なのに、自分はあまりにも無力で何をしたらいいかさえわからない。
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