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第2話・湯島②
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手の平で包み込んだ侍の腰のものはそそり立ち、ほとばしるほどの熱情が袴越しに伝わった。これは汚れてしまうからと、まずは羽織に手をかける。
「熱くて、窮屈ではございましょう。少し楽になられては如何でしょう?」
一枚また一枚と着物を剥がしていくと、似合わぬ恥じらいに泳いでいたので、こちらも竹の皮を剥ぐように着物を襦袢をするりと落として、白く華奢な若竹をお役人様の眼前に晒した。
「男子にございましょう?」
「如何にも」
確かに認めたと頷いて、胡座の中でいきり立つだけで、お役人様は動こうとしない。これはすべてをしなければ、と首に腕を絡ませて、しなだれかかった。
脚を崩すと腰が捩れて塗り込まれた山椒が、牡丹兄さんの指の名残が、とろとろにした通和散を塗りつけたぬらぬらとした感触が、桔梗兄さんの固くて柔らかい舌の残滓が、中で疼いて火が点きそう。
ああ、ああ、したくて、したくて、堪らない。
お役人様は、大仏様のように動いてくれない。
上になるしかないのだと向き合って、お役人様の腰のものを指で掴み、浮かせた腰を胡座の中へゆっくりゆっくり沈めていった。
硬いものをするりと飲み込み、その快楽に開いた門がきゅっと締まる。この瞬間を待ち望んでいた、そう互いに吐息を漏らした。ふぬっと力がこもった腹と、自身の柔肌に挟まれて、立ち上がったものがピクリと跳ねる。
遊んでいる手の平を所在なさそうな硬くて太い指に絡めて、柳腰から肋が薄っすら浮かぶ脇、ほんの少し膨らんだ薄い胸板へと導いていく。すると、お役人様の指先が、ぷっくらと膨れた小さな果実へと伸ばされていった。
こうして、と絡めた指を動かして果実をころころ転がすと、お役人様の人差し指と中指が、桜色した果実を摘んだ。
はぁっと息を呑んで仰け反ると、熱く残した空気顔を沈めて、お役人様がちゅっちゅっと音を立てて果実を吸った。
お役人様の手の平が、脇から腰へと降りていく。細い身体が不器用に揺さぶられたので、下ろした腰を少し浮かせて、また下ろす。ぬらねらとした狭い中、硬いものが更に大きく怒張して、はちきれそうになっている。浮かせて下ろしてを繰り返すうち、山椒の痒みはとうに忘れてしまっていた。
ぷはっとお役人様が顔を上げた。これ幸いと身体を寄せて、ふたりの間でぷるぷると踊っている若竹を割れた腹に押しつける。表側は柔らかいの、裏側は硬いのでこすれ合って、痺れる刺激が会陰から髄へと伝わって脳を溶かす。
この寡黙な侍は、寡黙だから言葉を待っている。でも如何でしょうと尋ねても、ぽつりぽつりと返すだけで、燃え上がったのが冷めるだけ。中が熱い、奥まで熱い、もっと激しくもっと欲しいと囁くと、きっと悦ぶに違いない。
でも……だめ。頭がじんじんしてしまって、言葉なんて出せやしない。
お役人様の両の手が跳ねる背中をしかと掴んだ。爪が食い込んでしまうのも、背筋をぞわぞわと這う快楽にぴりりと刺激を与えているから、痛くない。
お役人様の肩に触れて深爪を深々と食い込ませ、裏返りそうなほど身体を激しく上下させる。
顔を寄せ、短く繰り返している吐息を、互いの耳に吹きかける。正体をなくすほどとろけてしまい、身体のすべてが今にも流れてしまいそう。
突然、お役人様の太い腕が背から腰へ回り込む。強く強く抱きしめられて、折れてしまうと仰け反ると、露わになった胸板にくしゃくしゃな顔が埋められた。
来る。
身体を穿つ熱いものが脈打って、中へ奥へと熱いものが注がれていく。身体の芯が燃え盛り、あえぐ喉元が焦がれていって、ふるふる震える紅の中
「あ……」
と、小さく漏れていった。
お役人様の背筋を撫で回してから、息する肩に手をかけて、力を失い冷めたものをゆっくりゆっくり抜いていく。ぽっかり開いた花からは、お役人様が果てた残滓と、桔梗兄さんが塗り込んだ通和散が混じり合ってとろりと垂れた。
切れ切れの息の合間を縫って、ぐったりと花咲くお役人様に微笑みかける。
「ここ湯島では珍しくない、ただの茶屋でございましょう?」
「……確かに」
お役人様の呼吸が整うのを待って、剥いだ着物を一枚一枚着せていく。それから襦袢を、女物の着物を少し崩して、帯を締める。
膝をついて襖を開けて、お役人様を玄関先まで見送った。
すると女将さんが背中を叩き「お務めご苦労様、あやめ」と労った。大役を務め上げたのだ、そうと思えば力が抜けて、今にも崩れてしまいそう。それから桔梗兄さんと、続いて山吹、牡丹兄さんも階段を降り、めいめいに労いの言葉をかけてきた。
「あやめ、ご苦労様。二階で休むといいよ」
「半刻もなかったね、早くて驚いちまったよ」
「どうだい? あやめ、小さい男だったろう?」
牡丹兄さんに言われて、尻をさすった。確かに、するりと飲み込んで、あとの痛みはそれほどない。
二階に上がって板間に落ち着き、ふぅっとため息をついていると、桔梗兄さんが着物を襦袢をはだけてきた。
「あやめ、果てていないんだろう?」
あっ……と声を出すのと同じに、ぽろりと出した膨れたものを、桔梗兄さんはぱくりと咥えた。その瞬間、茎の先から舌の上へと、いくつもいくつも花が開いた。
「熱くて、窮屈ではございましょう。少し楽になられては如何でしょう?」
一枚また一枚と着物を剥がしていくと、似合わぬ恥じらいに泳いでいたので、こちらも竹の皮を剥ぐように着物を襦袢をするりと落として、白く華奢な若竹をお役人様の眼前に晒した。
「男子にございましょう?」
「如何にも」
確かに認めたと頷いて、胡座の中でいきり立つだけで、お役人様は動こうとしない。これはすべてをしなければ、と首に腕を絡ませて、しなだれかかった。
脚を崩すと腰が捩れて塗り込まれた山椒が、牡丹兄さんの指の名残が、とろとろにした通和散を塗りつけたぬらぬらとした感触が、桔梗兄さんの固くて柔らかい舌の残滓が、中で疼いて火が点きそう。
ああ、ああ、したくて、したくて、堪らない。
お役人様は、大仏様のように動いてくれない。
上になるしかないのだと向き合って、お役人様の腰のものを指で掴み、浮かせた腰を胡座の中へゆっくりゆっくり沈めていった。
硬いものをするりと飲み込み、その快楽に開いた門がきゅっと締まる。この瞬間を待ち望んでいた、そう互いに吐息を漏らした。ふぬっと力がこもった腹と、自身の柔肌に挟まれて、立ち上がったものがピクリと跳ねる。
遊んでいる手の平を所在なさそうな硬くて太い指に絡めて、柳腰から肋が薄っすら浮かぶ脇、ほんの少し膨らんだ薄い胸板へと導いていく。すると、お役人様の指先が、ぷっくらと膨れた小さな果実へと伸ばされていった。
こうして、と絡めた指を動かして果実をころころ転がすと、お役人様の人差し指と中指が、桜色した果実を摘んだ。
はぁっと息を呑んで仰け反ると、熱く残した空気顔を沈めて、お役人様がちゅっちゅっと音を立てて果実を吸った。
お役人様の手の平が、脇から腰へと降りていく。細い身体が不器用に揺さぶられたので、下ろした腰を少し浮かせて、また下ろす。ぬらねらとした狭い中、硬いものが更に大きく怒張して、はちきれそうになっている。浮かせて下ろしてを繰り返すうち、山椒の痒みはとうに忘れてしまっていた。
ぷはっとお役人様が顔を上げた。これ幸いと身体を寄せて、ふたりの間でぷるぷると踊っている若竹を割れた腹に押しつける。表側は柔らかいの、裏側は硬いのでこすれ合って、痺れる刺激が会陰から髄へと伝わって脳を溶かす。
この寡黙な侍は、寡黙だから言葉を待っている。でも如何でしょうと尋ねても、ぽつりぽつりと返すだけで、燃え上がったのが冷めるだけ。中が熱い、奥まで熱い、もっと激しくもっと欲しいと囁くと、きっと悦ぶに違いない。
でも……だめ。頭がじんじんしてしまって、言葉なんて出せやしない。
お役人様の両の手が跳ねる背中をしかと掴んだ。爪が食い込んでしまうのも、背筋をぞわぞわと這う快楽にぴりりと刺激を与えているから、痛くない。
お役人様の肩に触れて深爪を深々と食い込ませ、裏返りそうなほど身体を激しく上下させる。
顔を寄せ、短く繰り返している吐息を、互いの耳に吹きかける。正体をなくすほどとろけてしまい、身体のすべてが今にも流れてしまいそう。
突然、お役人様の太い腕が背から腰へ回り込む。強く強く抱きしめられて、折れてしまうと仰け反ると、露わになった胸板にくしゃくしゃな顔が埋められた。
来る。
身体を穿つ熱いものが脈打って、中へ奥へと熱いものが注がれていく。身体の芯が燃え盛り、あえぐ喉元が焦がれていって、ふるふる震える紅の中
「あ……」
と、小さく漏れていった。
お役人様の背筋を撫で回してから、息する肩に手をかけて、力を失い冷めたものをゆっくりゆっくり抜いていく。ぽっかり開いた花からは、お役人様が果てた残滓と、桔梗兄さんが塗り込んだ通和散が混じり合ってとろりと垂れた。
切れ切れの息の合間を縫って、ぐったりと花咲くお役人様に微笑みかける。
「ここ湯島では珍しくない、ただの茶屋でございましょう?」
「……確かに」
お役人様の呼吸が整うのを待って、剥いだ着物を一枚一枚着せていく。それから襦袢を、女物の着物を少し崩して、帯を締める。
膝をついて襖を開けて、お役人様を玄関先まで見送った。
すると女将さんが背中を叩き「お務めご苦労様、あやめ」と労った。大役を務め上げたのだ、そうと思えば力が抜けて、今にも崩れてしまいそう。それから桔梗兄さんと、続いて山吹、牡丹兄さんも階段を降り、めいめいに労いの言葉をかけてきた。
「あやめ、ご苦労様。二階で休むといいよ」
「半刻もなかったね、早くて驚いちまったよ」
「どうだい? あやめ、小さい男だったろう?」
牡丹兄さんに言われて、尻をさすった。確かに、するりと飲み込んで、あとの痛みはそれほどない。
二階に上がって板間に落ち着き、ふぅっとため息をついていると、桔梗兄さんが着物を襦袢をはだけてきた。
「あやめ、果てていないんだろう?」
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