山口 実徳

山口 実徳

気付いたら歴史物と鉄道物ばかり書いていた、物書きの端くれです。 車掌経験に由来する現業目線での鉄道描写、というか現業目線でしか書けないような……。 宜しくお願いします。
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 昭和18年、春。  瀬戸内海の小さな島で生まれ育った美春は、はじめてひとりで汽車に乗り、はじめて広島に降り立って、はじめて目にする大都会に圧倒された。 「新しく出来る家政女学校に通うんじゃけど、どこにあるんかね?」  駅前で案内してくれた千秋、路面電車に乗り合わせた夏子も同じ学校に通うらしい。 「勉強しながら働いて、お給金を貰えるなんて、夢のような学校じゃねぇ」  しかし入学式兼入社式で、美春は衝撃の事実を知らされる。 「うち、路面電車ちゅうのに乗るんかね!?」  ここは、広島電鉄家政女学校。  路面電車に乗って、少女たちの青春が走り出す。  楽しいことも、つらいことも、寂しい思いも分かち合い、淡い恋に心が躍る少女の日々は、たったひとつの爆弾が一瞬にして消し飛ばす。  何もかもが消えた広島で、少女は希望の光となった。  残酷描写のある話には※を付けます。
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文字数 182,052 最終更新日 2023.06.22 登録日 2023.04.20
 未曾有の大震災から復興し、世界を襲った恐慌を乗り越えて迎えた、華やかなりし昭和黄金期。  そんな時代、日本中に洋食を広め、羨望の的となったレストランがあったことは、ご存知だろうか。  それは、列車食堂。  ひとところには留まらぬ珍妙な食堂に、これまた珍妙なコックがいたそうな。  客が、列車が、そしてコック自身が巻き起こす大騒動。すべては美味しい料理のために。  そんな小さくも賑やかな食堂車に、戦争の影が忍び寄る。  日本は、列車は、食堂車は、そしてコックはどこへ向かってしまうのか。  どうぞ、お気軽にご利用ください。
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文字数 70,486 最終更新日 2022.08.31 登録日 2022.07.31
 時は明治9年、場所は横浜。  上野の山に名前を葬った元彰義隊士の若侍。流れ着いた横浜で、賊軍の汚名から身を隠し、遊郭の用心棒を務めていたが、廃刀令でクビになる。  その夜に出会った、祠が失われそうな稲荷狐コンコ。あやかし退治に誘われて、祠の霊力が込めたなまくら刀と、リュウという名を授けられる。  ふたりを支えるのは横浜発展の功労者にして易聖、高島嘉右衛門。易断によれば、文明開化の横浜を恐ろしいあやかしが襲うという。  文明開化を謳歌するあやかしに、上野戦争の恨みを抱く元新政府軍兵士もがコンコとリュウに襲いかかる。  恐ろしいあやかしの正体とは。  ふたりは、あやかしから横浜を守れるのか。  リュウは上野戦争の過去を断ち切れるのか。  そして、ふたりは陽のあたる場所に出られるのか。
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文字数 145,735 最終更新日 2022.08.19 登録日 2022.07.30
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