時代小説 小説一覧
1
時は北宋、愚帝のもとに奸臣がはびこる中、侵略の足音が遠くに聞こえる乱世。
義に篤く、忠を重んじながらも正道から外れて生きざるを得ない百八人の好漢たちが、天に替わって正しい道を行うため梁山泊に集う。
おおいに笑い、肉を食らい、酒を飲み、義の道を行く彼らに待つ結末とは――
滝沢馬琴が愛し、歌川国芳が描き、横山光輝や北方謙三が魅せられ、ジャイアントロボも、幻想水滸伝も、すべてはここから始まった!
108人の個性豊かな好漢、108の熱き人生、熱き想いが、滅びゆく北宋の世を彩る痛快エンターテイメント小説『水滸伝』を、施耐庵の編集に忠実に沿いながらもあらたな解釈をまじえ読みやすく。
※原作の表現を尊重し、一部差別的表現や人肉食・流血等残酷な描写をそのまま含んでおります。御注意ください。
※以前別名義でイベントでの販売等をしていた同タイトル作品の改訂・再投稿です。
文字数 150,111
最終更新日 2025.12.06
登録日 2025.09.22
2
江戸時代中期。
病み上がりでやせっぽちの浪人、滝本蒼介は気が付けば全財産は銀一匁のみとなっていた。口入れ屋からは、面が死にそうという理由で断られる日々を送っていたが、旅籠清田屋の主人、善右衛門に倅の善太郎と勘違いされてしまう。善右衛門は欠落(行方不明)になっている倅の『善太郎』を探していた。倅が夢枕に出て来て、すでに亡くなっている可能性があるという。下手人をおびき寄せるため、善太郎と顔が瓜二つの蒼介に、倅の振りをして旅籠清田屋に入ってほしいと懇願され、同じ長屋の大工・雪太郎と愛犬の茶介と共に、清田屋に潜入する事になった。蒼介の一芝居がはじまる。
文字数 35,983
最終更新日 2025.12.06
登録日 2025.05.30
3
~董卓×貂蝉×呂布 羞恥責めに耐える美少女が呂布に騎乗し董卓を倒すNTR政略物語~
歴史の裏には、いつも女がいる。董卓暗殺の裏にも、ひとりの女がいた――貂蝉である。
「男として生まれたかった」
それは、後漢末(三国志の世)に傾国の美女と讃えられた少女の、ただ一つの願いだった。
皇帝の后候補として司徒・王允に育てられた彼女が差し出された先は、暴君・董卓の寝所。
慰み者としてしか扱われない日々の中、貂蝉はいつか幸せな未来が訪れると信じ、そのかすかな希望だけを支えに耐え続けてきた。
そんな彼女の仮面の奥を見抜き、「人」として名を呼んでくれた男がいた。
天下無双と謳われる武将・呂布――董卓の義子にして、その矛をふるう若き猛将である。
主君か、恋か。
国か、自分のささやかな幸せか。
後世、「美女連環の計」の名で語られることになる女・貂蝉が、
自分の恋と誇りを選び取ろうともがく、中華歴史ロマンス。
※残酷な出来事や性を連想させる表現を含みます(R15程度)。
文字数 23,253
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.11.27
4
5
天明三年――浅間山が火を噴いた。
神の怒りに触れたかのように、黒い灰は空を塞ぎ、郷も田畑も人の営みも、容赦なく呑み込んでいく。噴火と飢饉が藩を蝕み、救いを求める声の裏で、名もなき影が蠢いた。灰の夜を踏むのは、血も温もりも失った“黒屍人”。誰が、何のために――。
その災厄に呼応するように、忍びの郷に封じられていた「十二輝の干支の玉」が、ひとつ、またひとつと眠りから解かれる。
玉は器を選び、器は力に喰われ、力は人を裏返す。
伊賀と甲賀の長い因縁、奪われる玉、引き裂かれる同胞。
そして、灰の国で拾い集められていく十二の輝きが揃う時、世界の秩序そのものが――動き出す。
文字数 7,124
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.12.05
6
タイトル通りです。意知が暗殺されなかったら(助かったら)という架空小説です。
文字数 1,387,455
最終更新日 2025.12.05
登録日 2023.05.03
7
時は江戸──火盗改方与力となった渡辺源一郎綱守は、前世の記憶と人ではない存在が見える目を持つ異端の侍。
父の与力としての職務を継ぎ、かの長谷川平蔵宣以の配下として挑むことになるのは、数々の奇妙な事件。
人と、あやかしの『あわい』の領域に立つ転生与力が、家伝の「鬼切」の影打ちを携え、江戸の闇を斬る──
文字数 59,621
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.11.30
8
大坂の陣から十年。千姫は、夫本多忠刻の死によって、江戸へ帰る。
秀頼の幽霊が取り憑いている俺は、秀頼が望むままに、千姫に会うために姫路城にやってくる。
主人を持たずに野に生きる俺が、そう簡単に会えるわけがない。
乱闘騒ぎになり、そこへ現れたのは柳生十兵衛だった。
十兵衛は、江戸までの道中、豊臣の残党に狙われる千姫を守るために迎えに来たのだ。
その隻眼には、俺の後ろに憑いている秀頼がみえるらしい。
勝負をして勝てば千姫に会わせてやるという、十兵衛の提案をのむことにする。
25番勝負の幕開けだ。
※勝負はすべて剣戟とは限りません。
※25周年カップ参加作品のため、エログロ表現は極力控え、人は死にません。あくまでも試合です。
準備期間が短く勢いで書いています。歴史上の人物をここまでたくさん登場させるのは初めてで緊張しますが、お祭り気分で書き進めます。お気楽に楽しめるかた向けです。
文字数 23,349
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.10.26
9
十六の頃から足かけ二十五年。
長きに渡って続いていた古曽部四盛の仇討ちの旅は、唐突に終わった。
だが二十五年という歳月はあまりにも長過ぎた。
世は移ろい、人の営みもまた変わっていく。
仇と狙われる者、仇を追う者。
事に関わるすべての者らが相応の歳月を重ねており、
わずかずつでも変化していくなかにあって、変われなかった男がひとり。
それが四盛であった。
流浪の果てに国元へと帰参した四盛を待っていたのは、
栄光でも賞賛でもなく、より過酷な運命であった。
これは仇討ちが成就したあとの物語。
文字数 94,442
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.11.07
10
欧米列強に比べて生産量に劣る日本にとって、爆撃機と雷撃機の統合は至上命題であった。だが、これを実現するためにはエンジンの馬力が足らない。そこで海軍航空技術廠は”双発の”艦上攻撃機の開発を開始。これをものにしして、日本海軍は太平洋に荒波を疾走していく。
文字数 63,673
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.06.06
11
時の流れ~それは時に人を誘い、人を惑わせる。
江戸時代、天保年間。江戸末期、天保年間。徳川将軍家は、再び次期将軍にまつわる未曽有の危機を迎えつつある頃。蘭学弾圧事件は数多くの蘭学者の未来を脅かした。高柳凌雲の将来もまた、例外では無かった。
遊学の旅路で騒動に巻き込まれ、辛くも生き永らえ江戸へ帰郷した。
その卓越した能力に興味を持った町方は、彼に検使の役目を申し付ける。図らずも御上の御用を請け負う事になった凌雲は、江戸で巻き起こる様々な事件に身を投じる。静かで平凡な暮らしを望む凌雲だが、無残にも踏みにじられた命の存在を知るや、胸に秘めた義侠心が騒ぎ出し、弱きを助け悪しきを断つ破邪の剣を振る。
だが凌雲自身、重大な秘密を秘めている。松平源七郎斉勝—将軍位御控の身でありながら自らに権力の座を捨て、一介の町医者に扮して野に下り縁の下の力持ちとして影ながら徳川の治世を支える将軍の弟。それが凌雲の真の姿なのだ。
蘭学弾圧事件により取り締まられた蘭学者の中に将軍の御落胤がいたらと言う空想から生まれたストーリー。数奇な運命に翻弄されながらも、己を信じ邁進する快男児の痛快な活躍を描く時代活劇。
※小説家になろう併催作品。
文字数 59,905
最終更新日 2025.12.04
登録日 2025.11.22
12
1936年にロンドン海軍軍縮条約を脱退した日本海軍は過去の八八艦隊に変わる真・八八艦隊とも言える計画を始動させた。これは、従来通り戦艦も強化しつつも航空戦力も相応に拡張させるという海軍の決意であった。
こうして日本海軍は1941年までに真・八八艦隊計画を完遂し、欧米列強との戦争という荒波に漕ぎ出していく。
文字数 21,938
最終更新日 2025.12.04
登録日 2025.08.08
13
戦国乱世、不屈の魂が未来を掴む!
これは三河の弱小国主から天下人へ、不屈の精神で戦国を駆け抜けた男の壮大な物語。
幾多の戦乱を生き抜き、不屈の精神で三河の弱小国衆から天下統一を成し遂げた男、徳川家康。
本作は家康の幼少期から晩年までを壮大なスケールで描き、戦国時代の激動と一人の男の成長物語を鮮やかに描く。
家康の苦悩、決断、そして成功と失敗。様々な人間ドラマを通して、人生とは何かを問いかける。
今川義元、織田信長、羽柴秀吉、武田信玄――家康の波乱万丈な人生を彩る個性豊かな名将たちも続々と登場。
家康との関わりを通して、彼らの生き様も鮮やかに描かれる。
笑いあり、涙ありの壮大なスケールで描く、単なる英雄譚ではなく、一人の人間として苦悩し、成長していく家康の姿を描いた壮大な歴史小説。
戦国時代の風雲児たちの活躍、人間ドラマ、そして家康の不屈の精神が、読者を戦国時代に誘う。
愛、友情、そして裏切り…戦国時代に渦巻く人間ドラマにも要注目!
歴史ファン必読の感動と興奮が止まらない歴史小説『不屈の葵』
ぜひ、手に取って、戦国時代の熱き息吹を感じてください!
文字数 1,048,109
最終更新日 2025.12.02
登録日 2024.05.03
14
「俺はお前に見合う男になって必ず帰ってくる。それまで待っていてくれ」
身分という壁に阻まれながらも自らその壁を越えようと抗う。
たとえ一緒にいられる“時間”を犠牲にしたとしても――
「いつまでも傍で、従者として貴方を見守っていく事を約束します」
ただ傍にいられる事を願う。たとえそれが“気持ち”を犠牲にする事になるとしても――
時は今から1000年前の平安時代。
ある貴族の姫に恋をした二人の義兄弟がいた。
姫を思う気持ちは同じ。
ただ、愛し方が違うだけ。
ただ、それだけだったのに……
「どうして……どうしてお主達が争わねばならぬのだ?」
最初はただ純粋に、守りたいものの為、己が信じ選んだ道を真っ直ぐに進んでいた3人だったが、彼等に定められた運命の糸は複雑に絡み合い、いつしか抗えない歴史の渦へと飲み込まれて行く事に。
互いの信じた道の先に待ち受けるのは――?
これは後に「平将門の乱」と呼ばれる歴史的事件を題材に、その裏に隠された男女3人の恋と友情、そして絆を描く物語。
文字数 512,718
最終更新日 2025.12.02
登録日 2022.12.18
15
幕末の信州上田藩。
藤井松平家の下級藩士・芦田家に、柔太郎と清次郎の兄弟が居た。
兄・柔太郎は儒学を学ぶため昌平黌《しょうへいこう》へ、弟・清次郎は数学を学ぶため瑪得瑪弟加塾《まてまてかじゅく》へ、それぞれ江戸遊学をした。
嘉永6年(1853年)、兄弟は十日の休暇をとって、浦賀まで「黒船の大きさを測定する」ための旅に向かう。
品川宿で待ち合わせをした兄弟であったが、弟・清次郎は約束の時間までにはやってこなかった。
時は経ち――。
兄・柔太郎は学問を終えて帰郷し、藩校で教鞭を執るようになった。
遅れて一時帰郷した清次郎だったが、藩命による出仕を拒み、遊学の延長を望んでいた。
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幕末期の兵学者・赤松小三郎先生と、その実兄で儒者の芦田柔太郎のお話。
※この作品は史実を元にしたフィクションです。
※時系列・人物の性格などは、史実と違う部分があります。
【ゆっくりのんびり更新中】
文字数 86,238
最終更新日 2025.12.02
登録日 2023.05.31
16
文字数 23,614
最終更新日 2025.12.01
登録日 2023.10.02
17
大艦巨砲主義と航空主兵主義の激突は艦隊防空の強化と言う結論に到達した。日本海軍は”鉄壁防空艦隊”を目指して艦隊を整備していくことになる。
文字数 19,740
最終更新日 2025.11.30
登録日 2025.07.31
19
予知能力があるとされる妖怪『件』と秀吉の話です
本能寺の変が起こることを件の予知によって知った黒田官兵衛が、
中国大返しを行い秀吉を天下人にするまでの物語です
文字数 47,608
最終更新日 2025.11.29
登録日 2025.08.25
20
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
レンタル有り旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
文字数 244,425
最終更新日 2025.11.28
登録日 2023.05.03
23
明治天皇の崩御。そして時代は大正へ。
明治元年生まれの役人が、自身と共に時を重ねた「明治」という時代を回顧する。
「明治元年生まれの男が、明治45年に大正へと改元された時代の節目を迎えて、自分が生まれ育ってきた明治という時代の歴史的事件や出来事、世相などを振り返る」という体裁で綴る歴史小説。
■あらすじ
1912年7月30日、明治天皇が崩御された。
ほどなく、45年続いた明治という年号が、大正と改元される。
「私」は慶応4年、すなわち明治元年に生まれた。
つまり明治という時代と共に生きてきたと言っていい。
幕臣であった父の背中を見て育ち、明治政府の役人として働いてきた「私」が、
様々なキーワードをもとに明治時代を回想する。
そんな、ひとり語りの歴史物語。
※歴史の時系列に並んでいるわけではありませんのでご注意を。主人公が回想するに任せた内容なので、作中の時期が秋だったり冬だったりします。
※「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」「ネオページ」に同内容のものを投稿しています。
※この作品以外にもいろいろと小説を投稿しています。よろしければそちらもご覧ください。
文字数 76,061
最終更新日 2025.11.28
登録日 2025.10.05
24
第一次世界大戦において国家総力戦の恐ろしさを痛感した日本海軍は、ドレットノート竣工以来続いてきた大艦巨砲主義を早々に放棄し、個艦万能主義へ転換した。世界の海軍通はこれを”愚かな判断”としたが、この個艦万能主義は1940年代に置いてその真価を発揮することになる…
文字数 15,426
最終更新日 2025.11.25
登録日 2025.08.26
25
表舞台には決して姿を現さない、徳川家康の右腕。男は、卓越した経済感覚と先見の明で、江戸の繁栄を陰から支えていく。金、米。人の流れ。全てを掌握し、徳川幕府の礎を築き上げた男の、知られざる物語。
文字数 12,078
最終更新日 2025.11.19
登録日 2025.10.23
26
海軍の至宝とも言われた藤本喜久雄造船官。彼は斬新的かつ革新的な技術を積極的に取り入れ、ダメージコントロールなどに関しては当時の造船官の中で最も優れていた。そんな藤本は早くして脳溢血で亡くなってしまったが、もし”亡くなっていなければ”日本海軍はどうなっていたのだろうか。
文字数 29,195
最終更新日 2025.11.19
登録日 2025.05.25
27
江戸は寛政の頃の話である。
お照が紹介された奉公先は吉原の菓子屋。
そこの女将こそはフランス革命から逃れてきた王妃マリー・アントワネットであった。
菓子作りを学びながら息子のシャルルの身辺警護および女将の首席侍女も勤めることに。
死体を発見したり、家斉に殺されそうになったり、隠密に絡まれたり、どたばた江戸を駆け回る、そんな物語。
文字数 276,479
最終更新日 2025.11.18
登録日 2025.05.26
28
最近入門した鉄蔵の絵に、春章は釘付けになった。
春章は鉄蔵を逃がすまい、取り込むべしと考えた。
決して飼殺そうなどと考えてのことではない。春章は鉄蔵から絵を学ぼうと考えたのだ。
何故なら、その絵が春章に「家康の似面絵(につらえ)」を思い出させたからだった。
文字数 13,489
最終更新日 2025.11.18
登録日 2025.09.16
29
ふとした切っ掛けで戦国武将に転生。
しかし場所は魚津城で目の前には織田の大軍。
当主上杉景勝も去り絶望的な状況。
皆が死を覚悟し準備に取り掛かっている中、
暦を見ると今日は天正10年の6月2日。
文字数 10,074
最終更新日 2025.11.18
登録日 2025.11.08
30
皇紀25世紀、和暦に直して昭和元年……いや、大正15年9月のことである。第一号駆逐艦神風より数えて25隻目の睦月型駆逐艦四番艦が竣工したのは、まだ昭和ですらない昔であった。いわゆる大正浪漫と称されるその時代は、而して決して浪漫で語られるような美的なだけではない時代であった。尤も、後世の人間は都合良く過去を改竄しがちであり、彼等にとって浪漫は美的な時代であるとした方が都合が良かったのだろう。
そんな、まだ電灯がガスで作られていた時代に生まれた彼女(艦艇は伝統的に女性とされる)が雪風、時雨と並び「幸運艦」と称されたのは、決して勝ち戦だったからだけではない。睦月型などの旧式駆逐艦は、よくかずあわせとして激戦区に放り込まれたり船団護衛のための消耗品とされることが多かったが、そんな中彼女卯月が護衛する船団は一隻たりとて脱落することがなく、結果として船団護衛の観点からすれば「幸運艦」と称されるに至ったわけである。
そんな彼女の生涯を、今日は見てみたいと思う……。
文字数 5,563
最終更新日 2025.11.16
登録日 2025.08.31
31
〈影咒記〉第四篇『黄泉灯籠迷図』は、
鏡師・蒼雲の初登場篇であり、のちの外伝『りんどうの空に』へと続く“祈りの系譜”の起点となる物語である。
舞台は江戸後期。
死者を弔う行灯師たちの間で囁かれる、灯籠に宿る“人魂”の噂。
火を絶やさぬことが祈りであり、絶やすことが“供養”であるという逆説。
その境で、蒼雲はひとつの選択を迫られる。
――生きるとは、誰かの祈りを灯すことか。
それとも、自らの灯を消すことか。
物語は静かに、夜の闇へと降りていく。
行燈の光、雨に濡れる石段、そして鏡に映る薄い影。
そこに映るのは、もうこの世の者ではない。
けれど、蒼雲は知っている。
「祈り」は死では終わらない。
消えるたびに、また新たな光として生まれ直す。
――それが〈影咒記〉に連なる“咒”の本質である。
本作では、江戸の葬送文化・灯籠師・寺社儀礼を背景に、
“死を見つめる職人”の心を描く。
鬼火や妖ではなく、あくまで人の記憶と祈りの象徴としての“光”を主題に据えた幻想譚である。
蒼雲が初めて「祈りの意味」を理解するこの物語は、
〈影咒記〉全篇に通底する“影=記録”“祈り=咒”の構造を明確に提示する。
後の外伝『りんどうの空に』で描かれる彼の“静かな再生”は、
この作品で生まれた祈りの火の記憶に根ざしている。
――咒は祈り、祈りは影。
人が誰かを想い続ける限り、その光は消えない。
本篇は〈影咒記〉シリーズの中でも、
“最も静かで、最も深い闇”を描く作品である。
そこに宿るのは恐怖ではなく、
死者と生者を繋ぐ、わずかなぬくもり――
灯籠の火のように、
消えかけてなお、誰かを照らす光である。
本作は〈影咒記(EIJUKI)〉の江戸咒譚 第四篇 ― 黄泉灯籠迷図(よみとうろうめいず) ―です。
【更新案内】
※毎晩21時頃 更新予定。
闇の中に灯をともすように、静かに物語を紡ぎます。
――夜の読書時間に、あなたの心の灯を少しだけ照らせますように。
文字数 42,654
最終更新日 2025.11.15
登録日 2025.10.19
32
寛永の江戸で未知との遭遇―― 島原の乱より数年後の江戸、隻眼の七郎は遊魔(ゆうま)と呼ばれる魔性と出会っていく…… 人知を越えた世界に踏みこみ、武の深奥を探り、茶屋の看板娘を気にしつつ、七郎は命がけの日々を過ごす。(柳生の剣士の続編です)
文字数 17,691
最終更新日 2025.11.14
登録日 2025.10.11
33
34
太平の世。国を治める将軍家の、初代様の孫にあたる香山藩の藩主には四人の息子がいた。ある日、藩主の座を狙う弟とのやり取りに疲れた藩主、玉乃川時成は宣言する。「これ以上の種はいらぬ。梅千代と余四郎は男を娶れ」と。
これは、そんなこんなで藩主の四男、余四郎の許婚となった伊之助の物語。
文字数 225,186
最終更新日 2025.11.14
登録日 2024.10.29
35
文字数 35,595
最終更新日 2025.11.14
登録日 2025.10.31
36
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
文字数 18,758
最終更新日 2025.11.13
登録日 2025.11.08
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九六式陸上攻撃機が制式採用されたことで、日本陸海軍は国力の劣勢を挽回するために”空中艦隊”の建設を開始。言ってしまえば、重爆、軽爆、襲撃、重戦、軽戦の5機種を生産して、それを海軍の艦隊のように運用することである。陸海軍は協力して、ついに空中艦隊を建設し太平洋に大空へ飛び立っていく…
文字数 11,355
最終更新日 2025.11.09
登録日 2025.09.07