稲荷狐となまくら侍 -明治あやかし捕物帖-

 時は明治9年、場所は横浜。

 上野の山に名前を葬った元彰義隊士の若侍。流れ着いた横浜で、賊軍の汚名から身を隠し、遊郭の用心棒を務めていたが、廃刀令でクビになる。

 その夜に出会った、祠が失われそうな稲荷狐コンコ。あやかし退治に誘われて、祠の霊力が込めたなまくら刀と、リュウという名を授けられる。

 ふたりを支えるのは横浜発展の功労者にして易聖、高島嘉右衛門。易断によれば、文明開化の横浜を恐ろしいあやかしが襲うという。

 文明開化を謳歌するあやかしに、上野戦争の恨みを抱く元新政府軍兵士もがコンコとリュウに襲いかかる。

 恐ろしいあやかしの正体とは。
 ふたりは、あやかしから横浜を守れるのか。
 リュウは上野戦争の過去を断ち切れるのか。
 そして、ふたりは陽のあたる場所に出られるのか。
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