あまりにもあまりにも偶然に墜落し、とんでもない上位生命体の一部となった彼らです。

栗菓子

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第9話 イチハ 視点

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子どもたちが遠くへ行く。舟で未知のところへ行く。

もう生身では再会はできないだろう。 交信で生きていれば会話できるけど・・。

タネコは母親として立派だった。 イチハはタネコを番として愛し、誇りに思った。


イチハは楽天的に考えた。きっとその未知の大地にたどり着いた子どもたちは、やはり苦労するだろう。

しかし、次第にその地に馴染み、番を見つけ、新たな子を創るかも知れない。

ある意味、僕らは外来種だ。 それも普通の外来種じゃない。変な力を宿した種族だ。

イチハは不意に宇宙樹の力が衰えたらどうなるんだろうと思った。やはりぼくたちはその時死を迎えることになるだろう。その時はタネコと一緒がいい。

運命共同体だったから、イチハとタネコはもう普通の夫婦以上に結びついていた。


絶対に別れたくない。この番いとは。イチハはかつてなく強く思った。

宇宙樹にイチハは尋ねた。この楽園はどのぐらい続くと。するとあと3百年ぐらいだろうと言った。


そうか・・もうイチハとタネコはそんなに長生きするのならいいが、島に残った子どもたちはどうなると尋ねた。

脆弱化して滅びるダロウ。もともと力によって生かされている存在だ。

そんな・・なんとかする方法はないのかとイチハは尋ねた。

生贄を。 大樹に同化させ、力の一部を宿している子を吸収する。 そして力を増やす。


それを聞いた途端、イチハは愕然となった。 生贄となったぼくたちがまた繰り返すのか?そんな悍ましい。

『 ソレハヒトノカンジョウダ。モトモト我の一部が戻るダケダ。しかし、人の未知の力も我の糧トナリ、
ヨリ強く、コノ島を守るコトモデキル。子らはアマリカンジョウハナクナッテイル。ムキシツナ摂理ニシタガウ
者トナッテイル。我とイチハとタネコの子ユエ、それぞれの特性がマジッテイル。ソノコントンは新しいチカラともなる。』


「あああ・・・・」

イチハは呻いた。正直いってイチハには悍ましいとしか思えないが、子どもたちの感覚はもう違うのだ。

ある意味、イチハとタネコが生み出したこどもらは、神ともいえるナニカと交じり合った混合体の種族なのだ。


それに気づいた時、イチハは言い知れない感覚を抱いた。

ぼくたちは、新しい子どもを生み出す祖として運命を生きることになっていたんだろうか?

だとしたらなんという皮肉で、言い知れない役目だったことだろう。

イチハは唸って、この事をタネコに話すべきか迷っていた。

「どうしよう。どうしたらいいんだろう。」

イチハはかつての男の子のように呟いた。


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