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第26話 戦乱時代
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黒い病の後、生き残った貴族や、民たちは、戦を起こすことで、領土や水や食料などを得ようとした。
陰惨で壮絶な戦いが始まった。それは賢者や、まっとうな考えを持っている人にとっては短絡的で独善的だったことだろう。しかし彼らにとってはそれしか生き延びる術がなかったのだ。
その戦は数十年ほど、各地に広がって、大きな大きな戦いとなっていた。
しかし、冷徹にそれを予測していたガリア王家の三貴子と、王だけは病さえも寄せ付けぬ力を持っていたようだ。
多くの犠牲者が出ても彼らは平然としていた。よほど免疫力が高く、何らかの抗体力があるらしい。
そして、もう一つの特殊な種族は生き延びた。
ナラという村娘を筆頭に、小さな村や、植物の名が付いている人々たちは、薬草と、わずかなスープだけで生き延びた。 宇宙樹の末裔である。
もう本人たちもガリア人として根付いてしまった故、混じりあって、純粋な島国 光華の巫女ミカとは交信できなかった。
幼少の頃はもっと夢の中で何でも会話していた記憶があるのだが・・。
今は記憶も朧気であった。
それをやはり・・と思うガリア王家と、「凄え・・あの流行り病を生き延びたのか・・」と嬉し気にはしゃぐラテルの血を引く庶子が居た。
ナラという村娘が生きて居るなんで凄い・・と彼は思った。やはり、あの女は特別な力を持っていたんだ。
あの女が欲しいな。でも攫ったら、ガリア王家に奪われる。そんなのは嫌だ。
庶子は・・母が名づけた名前でゼーンといった。生きる者という意味だ。
この名は気に入っている。唯生きる。ゼーンはこれしかなかった。何があろうと生きることしか考えない。
この時代に相応しい名前だ。
ゼーンは生き延びる者達を好んだ。死んだら何も残らない。それがゼーンの観念だ。
それぞれの思惑も知らず、ナラは唯生き延びたことに、神に感謝した。
ナラそのものの血の力によるものだと彼女は思いもよらなかった。唯、小さな村と、友人や、村人たちが助かっただけでも運がいいと思っていた。
ソアラも一時は、病に倒れたが、幸いにも軽症で、1週間で癒えた。 薬草だろうかとナラは思わずにはいられなかった。
でも流行り病のせいで戦になってしまった。禍には禍が重なるものだ。
ナラはうんざりとなった。早く終わってほしい。神様にお願いしよう。ナラは何かの大きな神に祈った。
それしか無知な村娘のできることはない。
ナラは知らずしらずのうちに、無意識の、深淵に横たわっている宇宙樹の力にアクセスしていた。
村の加護や、村人の身体能力の免疫力を増加していた。
それが村のあたりが無事だった原因だ。
今は、ナラはまだ気づいていなかった。気づいているのは、ガリア王家や、勘が異様に鋭いものだけだった。
「不思議ねエ。ナラ。あたしたち。生き延びたわね。」
ソアラは、流行り病が、世界を覆いつくした後、多くの死亡者が出たらしい。その事を知ると、ソアラは「嘘・・なんであたし生きてるの・・?。」と不思議がった。
「ええ・・・なにもかも運としか言いようがないわ。神様のお陰かしら。」
「やだ。ナラ。神様って・・本当に居るのかしら?いたとしたらこんな世界にしないと思うけど・・?」
ソアラは首を傾げながらもぶつぶつと呟いた。
大丈夫だろうか?ソアラは大変な病にかかって一時混乱状態に陥っているようだ。
ナラはソアラを娘のように宥めた。
「大丈夫よ。ソアラ。もう助かったのだから。神様がきっとまだ死ぬ時ではないと決めたのよ。」
「ナラ・・そうね。そういうことにするわ。」
ソアラは笑った。とても美しい生気の或る顔だ。この目が死で濁るなんでナラには耐えられなかった。
生き生きした瞳。綺麗な素朴な素直な心根。ソアラは好ましい友人だった。
ナラはソアラや、村人達が生きていることに感謝した。
陰惨で壮絶な戦いが始まった。それは賢者や、まっとうな考えを持っている人にとっては短絡的で独善的だったことだろう。しかし彼らにとってはそれしか生き延びる術がなかったのだ。
その戦は数十年ほど、各地に広がって、大きな大きな戦いとなっていた。
しかし、冷徹にそれを予測していたガリア王家の三貴子と、王だけは病さえも寄せ付けぬ力を持っていたようだ。
多くの犠牲者が出ても彼らは平然としていた。よほど免疫力が高く、何らかの抗体力があるらしい。
そして、もう一つの特殊な種族は生き延びた。
ナラという村娘を筆頭に、小さな村や、植物の名が付いている人々たちは、薬草と、わずかなスープだけで生き延びた。 宇宙樹の末裔である。
もう本人たちもガリア人として根付いてしまった故、混じりあって、純粋な島国 光華の巫女ミカとは交信できなかった。
幼少の頃はもっと夢の中で何でも会話していた記憶があるのだが・・。
今は記憶も朧気であった。
それをやはり・・と思うガリア王家と、「凄え・・あの流行り病を生き延びたのか・・」と嬉し気にはしゃぐラテルの血を引く庶子が居た。
ナラという村娘が生きて居るなんで凄い・・と彼は思った。やはり、あの女は特別な力を持っていたんだ。
あの女が欲しいな。でも攫ったら、ガリア王家に奪われる。そんなのは嫌だ。
庶子は・・母が名づけた名前でゼーンといった。生きる者という意味だ。
この名は気に入っている。唯生きる。ゼーンはこれしかなかった。何があろうと生きることしか考えない。
この時代に相応しい名前だ。
ゼーンは生き延びる者達を好んだ。死んだら何も残らない。それがゼーンの観念だ。
それぞれの思惑も知らず、ナラは唯生き延びたことに、神に感謝した。
ナラそのものの血の力によるものだと彼女は思いもよらなかった。唯、小さな村と、友人や、村人たちが助かっただけでも運がいいと思っていた。
ソアラも一時は、病に倒れたが、幸いにも軽症で、1週間で癒えた。 薬草だろうかとナラは思わずにはいられなかった。
でも流行り病のせいで戦になってしまった。禍には禍が重なるものだ。
ナラはうんざりとなった。早く終わってほしい。神様にお願いしよう。ナラは何かの大きな神に祈った。
それしか無知な村娘のできることはない。
ナラは知らずしらずのうちに、無意識の、深淵に横たわっている宇宙樹の力にアクセスしていた。
村の加護や、村人の身体能力の免疫力を増加していた。
それが村のあたりが無事だった原因だ。
今は、ナラはまだ気づいていなかった。気づいているのは、ガリア王家や、勘が異様に鋭いものだけだった。
「不思議ねエ。ナラ。あたしたち。生き延びたわね。」
ソアラは、流行り病が、世界を覆いつくした後、多くの死亡者が出たらしい。その事を知ると、ソアラは「嘘・・なんであたし生きてるの・・?。」と不思議がった。
「ええ・・・なにもかも運としか言いようがないわ。神様のお陰かしら。」
「やだ。ナラ。神様って・・本当に居るのかしら?いたとしたらこんな世界にしないと思うけど・・?」
ソアラは首を傾げながらもぶつぶつと呟いた。
大丈夫だろうか?ソアラは大変な病にかかって一時混乱状態に陥っているようだ。
ナラはソアラを娘のように宥めた。
「大丈夫よ。ソアラ。もう助かったのだから。神様がきっとまだ死ぬ時ではないと決めたのよ。」
「ナラ・・そうね。そういうことにするわ。」
ソアラは笑った。とても美しい生気の或る顔だ。この目が死で濁るなんでナラには耐えられなかった。
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ナラはソアラや、村人達が生きていることに感謝した。
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