6 / 11
第5話 澱
しおりを挟む
偉い人達から与えられた村・・ここはそういう村だ。 自力で開墾した村じゃない・・。
だからどこか投げやりで無気力なところなのだろう・・。ソンはそう思った。
ソンは、北の国で育った。そこでは、お父さんもお母さんも体格が良く、いつも働いていた。
ソンのいた村は、貧しいから必死でみんな頭や、身体も動かして頑張っていた。 貴族のかたも働き者で、ずっと
畑や、用水路や、城などの機能を調査しては、修繕したり、あるものを徹底的に使って、環境も考慮されて美しい水や、空気、 風力発電など様々な技術を試みていた。
勿論、悪場もあったが、ソンは仕方がないと目をつむった。本当は何故目が潰れる酒や、毒を食べて生きている集落があるのかと不思議に思っていたが、止めた。
多分、もう後がない人たちが最後の場所として追いやられたのかもしれない。
もう子供はいないだろう・・。本当の最後だ。ソンは無意識に解っていて逃げるように悪場から遠さがった。
子どもが殴られていた・・。ソンは見てはいけないものを見たと思い、逃げるようにさった。
ソンの村は子どもを悲鳴が上がるまで殴らない・・。そんなの非効率だからだ。 こどもはちゃんと育てればまともに働く・・。
出来損ないはすぐに処分されていた・・。食料もなかったからだ。或る意味非情だが、合理的だった。
幸いにもソンの両親はまっとうな労働者だった。そのお陰でソンも働き者になったのだ。
子どもは必ず環境に左右される。 影響を受けるのだ。
貧しいが、穏やかな日常は、ソンが20才になるころいきなり破られる。
戦だ・・。ずっと北の国と、隣国は内乱があった。その度に、和平もなされていたが、とうとう全面戦争になってしまった。
今まで平和主義だった貴族は、倒され、好戦的な人たちが上に立ってしまった・・。
嗚呼・・とうとう来た。ずっと亀裂が走っていた世界が一気に壊れた・・。
ソンは一方的に徴兵された。両親は抗ったが無駄だった。 その場で射殺されたのだ。 ソンは呆然と力強い両親が
血を流して倒れるのを見るしかなかった・・。
後はあまりよく覚えていない。 ソンは悲鳴と嫌な音ばかりなる戦場で、古臭い銃を持ちながら、見知らぬ兵士と戦い、生きるために殺した。
それでもソンはどこか夢をみているようだった。乖離状態になっているのかもしれない。
兵士たちは、精神を安定させるため、悪い薬や、酒に溺れた。
嗚呼ここはあの悪場と同じだ。ソンも追いやられたのだ。屠殺される家畜のようになったのだ。
それでもソンは生きることを諦めなかった。飢えと苦痛に苛まれながらも、ソンは生き続けた。
突然、起きた戦は、やはりいきなり終わる。 仲間は数十人いたのに、生き残ったのはほんの数人だった。
彼らは、生きる屍のようになり、人殺しの技量だけは高められた。
ある日、突然、ソンは上司からこの村に住めと言われ、無言で従った。
ソンの日常はいつもいきなり終わり始まる。
この村は、綺麗で快適だがどこがすえたような匂いがする。 活気がない。 死の匂いが濃厚な村だ。
なぜか彼らは無気力に生きて暮らしている。人嫌いのようで、ある時、突然奇声をあげて走り回り、突飛な行動に走る。
「 ここはね。国の厄介者を隔離した村よ・・綺麗でしょ。でもね。ゴミ箱なのよ・・。中にはとても優秀な人もいたわ。本当にそれぞれの事情があってここに寄越されたの・・ランダムに選ばれたらしいけどね・・どこか共通があるような気がするのよ・・。」
上品そうなおばあさんがそう言った。
そういうものだろうか。ここはゴミ捨て場だったのか?ソンもゴミになったのだろうか?
ソンには分からないことばかりだった。 ここは澱なんだ。
ソンはずっと貧乏だが穏やかな村から、だんだん澱へと沈んでいったのかもしれない・・。
ソンはこの綺麗な村が嫌いになった。
だからどこか投げやりで無気力なところなのだろう・・。ソンはそう思った。
ソンは、北の国で育った。そこでは、お父さんもお母さんも体格が良く、いつも働いていた。
ソンのいた村は、貧しいから必死でみんな頭や、身体も動かして頑張っていた。 貴族のかたも働き者で、ずっと
畑や、用水路や、城などの機能を調査しては、修繕したり、あるものを徹底的に使って、環境も考慮されて美しい水や、空気、 風力発電など様々な技術を試みていた。
勿論、悪場もあったが、ソンは仕方がないと目をつむった。本当は何故目が潰れる酒や、毒を食べて生きている集落があるのかと不思議に思っていたが、止めた。
多分、もう後がない人たちが最後の場所として追いやられたのかもしれない。
もう子供はいないだろう・・。本当の最後だ。ソンは無意識に解っていて逃げるように悪場から遠さがった。
子どもが殴られていた・・。ソンは見てはいけないものを見たと思い、逃げるようにさった。
ソンの村は子どもを悲鳴が上がるまで殴らない・・。そんなの非効率だからだ。 こどもはちゃんと育てればまともに働く・・。
出来損ないはすぐに処分されていた・・。食料もなかったからだ。或る意味非情だが、合理的だった。
幸いにもソンの両親はまっとうな労働者だった。そのお陰でソンも働き者になったのだ。
子どもは必ず環境に左右される。 影響を受けるのだ。
貧しいが、穏やかな日常は、ソンが20才になるころいきなり破られる。
戦だ・・。ずっと北の国と、隣国は内乱があった。その度に、和平もなされていたが、とうとう全面戦争になってしまった。
今まで平和主義だった貴族は、倒され、好戦的な人たちが上に立ってしまった・・。
嗚呼・・とうとう来た。ずっと亀裂が走っていた世界が一気に壊れた・・。
ソンは一方的に徴兵された。両親は抗ったが無駄だった。 その場で射殺されたのだ。 ソンは呆然と力強い両親が
血を流して倒れるのを見るしかなかった・・。
後はあまりよく覚えていない。 ソンは悲鳴と嫌な音ばかりなる戦場で、古臭い銃を持ちながら、見知らぬ兵士と戦い、生きるために殺した。
それでもソンはどこか夢をみているようだった。乖離状態になっているのかもしれない。
兵士たちは、精神を安定させるため、悪い薬や、酒に溺れた。
嗚呼ここはあの悪場と同じだ。ソンも追いやられたのだ。屠殺される家畜のようになったのだ。
それでもソンは生きることを諦めなかった。飢えと苦痛に苛まれながらも、ソンは生き続けた。
突然、起きた戦は、やはりいきなり終わる。 仲間は数十人いたのに、生き残ったのはほんの数人だった。
彼らは、生きる屍のようになり、人殺しの技量だけは高められた。
ある日、突然、ソンは上司からこの村に住めと言われ、無言で従った。
ソンの日常はいつもいきなり終わり始まる。
この村は、綺麗で快適だがどこがすえたような匂いがする。 活気がない。 死の匂いが濃厚な村だ。
なぜか彼らは無気力に生きて暮らしている。人嫌いのようで、ある時、突然奇声をあげて走り回り、突飛な行動に走る。
「 ここはね。国の厄介者を隔離した村よ・・綺麗でしょ。でもね。ゴミ箱なのよ・・。中にはとても優秀な人もいたわ。本当にそれぞれの事情があってここに寄越されたの・・ランダムに選ばれたらしいけどね・・どこか共通があるような気がするのよ・・。」
上品そうなおばあさんがそう言った。
そういうものだろうか。ここはゴミ捨て場だったのか?ソンもゴミになったのだろうか?
ソンには分からないことばかりだった。 ここは澱なんだ。
ソンはずっと貧乏だが穏やかな村から、だんだん澱へと沈んでいったのかもしれない・・。
ソンはこの綺麗な村が嫌いになった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる