16 / 34
掃き溜めに鶴
第14話 追跡
しおりを挟む
盗賊団を追跡する隊が貴族の指令と共に為された。中には、高貴な人も攫われた事例があるらしい。あまりに残虐な所業に腰の重い貴族もやっと動き出したのだ。
中にはアイラの懇意の貴族の要望もあって、正式に大勢で追跡や探索隊が作られた。
追跡犬や、強靭な防護が為された馬車も多く配備された。
娼館の主人は生存者はそれを見て歓喜した。憎い全てを奪った盗賊団達が追跡されるのだ。早く捕まって裁かれてほしい。殺された奴らが哀れでたまらなかった。彼らは遺体を運び埋葬したのだ。なるべく日当たりのいいところ、風通しの良いところを選んで埋めた。
盗賊団の残した深い傷跡はまだ癒えない。主人は顔を険しくして、奴らの首が晒しものになるのを見たい。と復讐の思いで一杯だった。
神様よ。ちったあ、頑張っている人に恵みをお与えください。あいつらの首を無惨に殺された奴らに捧げたい。
頼んましたよ。主人は半ば真剣に祈った。
追跡隊の隊長 ジョンは、愛犬でもあり同名の追跡犬のジョンを呼んだ。オンオンと犬ジョンは嬉しそうに主人に駆け寄った。彼らは一人と一匹で隊でも随一の追跡者なのだ。
盗賊団が落としたモノ。盗賊の匂いがする物体などを犬に嗅がせ、匂いを追跡する。
襲った夜は、強風でもう匂いも薄れているかもしれないが、念のため嗅がせた。
盗賊団が逃げた方向に向けて、追跡隊は全隊出陣した。
ガラガラと荷台や馬車が動き出すさまを娼館の主人は見届けた。
主人は、自分の頬を叩いて、よおしと気持ちを切り替え仕事にかかった。
これからが大変だ。燃えた家の片づけ。復興のためのお金や人材、必要な物をそれらをそろえるには、生存した主人たちや、指導者を決めなきゃいけない。彼らは集合して、誰を指導者にするか決めた。
キリルという男で、娼館街でも長年勤めていて街をまとめる組合の幹部にまで昇りつめている。
優秀で、悪い噂はない。実直で、人を見抜く目があった。慧眼である。キリルのお陰で、高級娼婦になったり、
飲食店のオーナーになったりする人は数知れない。才能がある人を見抜いて合っている仕事を斡旋する仕事はなかなか難しい。キリルのお陰で詐欺師や怪しい人物、危険な人物を見抜かれたのはよくあることだった。
大きな宴の件もキリルも様子を定めるはずだったが、キリルは上司に頼まれて別件の仕事に赴いた。
よりにもよってあんな時に・・何故キリルに見てもらわなかったのか?
俺でさえも何が変だなと思ったのに。破格の金に惑わされてみんな浮かれて宴を開催してしまった。
それが悪夢の宴だとも知らずに。カリンも嫌な予感がすると言っていたのに。
それが主人の深い後悔だった。
カリン、アサミ、他の攫われた奴らよ。頼むから無事でいてくれよ。半ば絶望的だと思っていても一縷の望みを抱いて願わずにはいられなかった。
中にはアイラの懇意の貴族の要望もあって、正式に大勢で追跡や探索隊が作られた。
追跡犬や、強靭な防護が為された馬車も多く配備された。
娼館の主人は生存者はそれを見て歓喜した。憎い全てを奪った盗賊団達が追跡されるのだ。早く捕まって裁かれてほしい。殺された奴らが哀れでたまらなかった。彼らは遺体を運び埋葬したのだ。なるべく日当たりのいいところ、風通しの良いところを選んで埋めた。
盗賊団の残した深い傷跡はまだ癒えない。主人は顔を険しくして、奴らの首が晒しものになるのを見たい。と復讐の思いで一杯だった。
神様よ。ちったあ、頑張っている人に恵みをお与えください。あいつらの首を無惨に殺された奴らに捧げたい。
頼んましたよ。主人は半ば真剣に祈った。
追跡隊の隊長 ジョンは、愛犬でもあり同名の追跡犬のジョンを呼んだ。オンオンと犬ジョンは嬉しそうに主人に駆け寄った。彼らは一人と一匹で隊でも随一の追跡者なのだ。
盗賊団が落としたモノ。盗賊の匂いがする物体などを犬に嗅がせ、匂いを追跡する。
襲った夜は、強風でもう匂いも薄れているかもしれないが、念のため嗅がせた。
盗賊団が逃げた方向に向けて、追跡隊は全隊出陣した。
ガラガラと荷台や馬車が動き出すさまを娼館の主人は見届けた。
主人は、自分の頬を叩いて、よおしと気持ちを切り替え仕事にかかった。
これからが大変だ。燃えた家の片づけ。復興のためのお金や人材、必要な物をそれらをそろえるには、生存した主人たちや、指導者を決めなきゃいけない。彼らは集合して、誰を指導者にするか決めた。
キリルという男で、娼館街でも長年勤めていて街をまとめる組合の幹部にまで昇りつめている。
優秀で、悪い噂はない。実直で、人を見抜く目があった。慧眼である。キリルのお陰で、高級娼婦になったり、
飲食店のオーナーになったりする人は数知れない。才能がある人を見抜いて合っている仕事を斡旋する仕事はなかなか難しい。キリルのお陰で詐欺師や怪しい人物、危険な人物を見抜かれたのはよくあることだった。
大きな宴の件もキリルも様子を定めるはずだったが、キリルは上司に頼まれて別件の仕事に赴いた。
よりにもよってあんな時に・・何故キリルに見てもらわなかったのか?
俺でさえも何が変だなと思ったのに。破格の金に惑わされてみんな浮かれて宴を開催してしまった。
それが悪夢の宴だとも知らずに。カリンも嫌な予感がすると言っていたのに。
それが主人の深い後悔だった。
カリン、アサミ、他の攫われた奴らよ。頼むから無事でいてくれよ。半ば絶望的だと思っていても一縷の望みを抱いて願わずにはいられなかった。
0
あなたにおすすめの小説
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる