いかでか

栗菓子

文字の大きさ
18 / 34
掃き溜めに鶴

第15話 少年の秘密

しおりを挟む
カリンと無理矢理まぐわされた少年。(最後には悦んでいたが)カリンは少年になにかあるなと思った。
薄汚れているけど高級娼婦よりどこか気品があるのだ。顔立ちも普通の人とは違った。
美しいだけではない。何かが違う感じがするのだ。貴族?カリンは貴族を見たことがないけどそんな気がした。
「貴方・・貴族?」
まぐわっているうちに、カリンは小さく尋ねた。少年は目を丸くして、かすかにうんと言った。
「貴方も攫われたの?」
無言で少年はうんとうなずいた。じゃあ、貴族の追跡隊もでるはずだ。
盗賊団め。早く捕まれ。追跡隊よ早く来て。
「じゃあ、助けに来てくれる人が来るはずよ。貴族って偉いのでしょう。」
小さくカリンは少年にいった。そうだろうかと少年は目で語った。
盗賊にばれないように、彼らは会話を止め、見世物に徹した。これは見世物と思えばいい。とカリンは囁いた。
あいつらに負けるなと少年に囁いた。
少年は小さく頷いた。負けたくないと少年の目に炎が宿った。
カリンと見世物ショーを終えた後、少年はちらりとカリンを見た後、どこかに連れ去られた。

カリンは少年をなんとなしに見送った。そしたらまた嫌な盗賊が今度は俺の番だと言った。
夢から嫌な現実に戻された気分だった。
盗賊と性交する時間は苦痛だった。演技で感じているふりをした。高級娼婦のカリンには見破られない演技はお手の物だ。なんでも芸は学ぶものだ。盗賊は騙されてそんないいいかと嬉しそうに喜んだ。
カリンは冷ややかに盗賊を見た。
そんなんだから盗賊にまで堕ちるんだよ。人のことは言えないけどね。
聞くに堪えない下品な言葉と厭な言葉をカリンは盗賊と性交しながら聞き続けた。何か有益な情報はないかと思ったのだ。盗賊団もおかしなところがあった。あまり教養もなく、知能も足りないのに、よくあれだけの狼藉を働けたな。こりゃあとても頭の良い人がまとめているな。何か、あの夜、大きな宴には陰謀があったらしい。
何もかも計画的だった気がする。盗賊団は手足だ。頭はどこだろう。
カリンでさえも気づくのだ。もっと頭が良い人はとうに気づいているだろう。

もしかしたら娼館街が目障りで潰したい人もいたのかもしれない。貴族や偉い人はそういうところがあると聞いたことがある。だとしたらユルセナイ。
どうしても首謀者は捕まって殺された人のためにももっとひどい目にあって死んでほしい。
カリンは心の奥深く怒りを宿して、上手く隠して盗賊に媚びる愚かな娼婦の演技をした。
カリンの中にはずっと怒りが宿っていた。

貴族の少年も気になった。少年はいったいどこから攫われたのだろう。カリンには分らないことばかりだった。
神様。いつか全てがわかるまで死ねません。絶対生き延びさせて下さい。
麗しき女と絶世の美猫が脳裏に浮かんだ。
カリンにとってあの幻が神様らしい。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。

設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇 ☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。 ―― 備忘録 ――    第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。  最高 57,392 pt      〃     24h/pt-1位ではじまり2位で終了。  最高 89,034 pt                    ◇ ◇ ◇ ◇ 紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる 素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。 隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が 始まる。 苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・ 消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように 大きな声で泣いた。 泣きながらも、よろけながらも、気がつけば 大地をしっかりと踏みしめていた。 そう、立ち止まってなんていられない。 ☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★ 2025.4.19☑~

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

処理中です...