いかでか

栗菓子

文字の大きさ
19 / 34
掃き溜めに鶴

第16話 超高級娼館の秘密

しおりを挟む

少年は、時折見世物のように、カリンと性交させられた。
盗賊たちも、その時は、他の人と性交していて、誰も注目しない。
その時、ひそひそとカリンの耳に囁いた。
「ぼくは超高級娼館。あの大きな炎が燃えた館にいたんだよ。あそこは、貴族と超高級娼婦が夜の営みをする場所だったんだよ。貴族の落とし胤も多くいるんじゃないかな。ぼくもそうだったもの。時折、父様が来て、母様と一緒にいるんだ。母様は娼婦だけどとても綺麗で、聡明だったから父様のお気に入りになったんだ。
でも正妻が居て、母様を父様の館に連れて行くと殺されるかもしれないからと母様はあそこにずっと父様だけの娼婦でいると住んでいたんだ。
自分でいうのもなんだけど、貴族並みに豪奢な部屋だったよ。母様のお気に入りの家具やオルゴールやとても高価なものもあった。あそこは父様と母様だけの部屋だったよ。」
「ぼくは幸いにも父様に瓜二つの顔を持って生まれたからまぎれもなく父様の子と分かったから溺愛されたよ。」

「それを面白くない人もいたかもしれない。例えば正妻とかね。」
「もしかしたらあの大きな炎はぼくのせいかも。」
少年はとんでもないことを言った。
まさか正妻が嫉妬に狂ってあの事件を起こしたというのか?そんな馬鹿な。
「実は正妻には子どもは生まれなかったんだ。他の女たちには生まれたのにね。正妻は父様より格上の貴族なんだよ
とても自尊心が高くて貴族意識が強くて苛烈な面があるって。彼女にとって正式な子が生まれないのは耐えがたい屈辱だったのかもしれない。」
それがもし真相だったら嫌だ。狂った女がなまじ権力をもつと質が悪い。浮気をすると悋気する女はよくいるが、そこまでやる女はいない。
もしいたとしたら女としてユルセナイ。ちゃんと内輪だけで解決してほしい。巻き込まれた者達はたまったものじゃない。
「これがあの大災の原因かはわからないけどね・・」
私も、違ってあってほしい。でないとあまりにも情けなくて可哀相だ。巻き込まれて殺された娼婦たちの姿が脳裏に浮かんだ。
カリンは思わず涙を流した。はっと少年はカリンの涙を見て「ごめん」と呟いた。

助けは必ず来るよとカリンを猫のように宥めた。こういうところが貴族めいていた。
カリンは貴族が怖くなった。盗賊も怖いが、そんな貴族には会いたくない。
カリンは弱気になっていた。アサミは大丈夫だろうか?カリンも疲れているらしい。
こどもの言うことに翻弄されるなんでカリンらしくない。
しっかりしろ。カリン。すべてが明らかになるまで負けるな。カリン。彼女は自分を励ました。
ここまで生き延びたんだ。しっかりと生きなきゃ。

神様しっかりと生きさせてください。 カリンは祈った。
少年は申し訳なさそうにカリンを見た。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。

設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇 ☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。 ―― 備忘録 ――    第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。  最高 57,392 pt      〃     24h/pt-1位ではじまり2位で終了。  最高 89,034 pt                    ◇ ◇ ◇ ◇ 紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる 素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。 隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が 始まる。 苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・ 消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように 大きな声で泣いた。 泣きながらも、よろけながらも、気がつけば 大地をしっかりと踏みしめていた。 そう、立ち止まってなんていられない。 ☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★ 2025.4.19☑~

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

処理中です...