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掃き溜めに鶴
第21話 天真爛漫な師匠
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カリン達、女たちが助かったことを夫婦同然の貴族から聞いて、彼女はすぐにいくと即断決行をした。夫の貴族も連れて行った。カリンというアイラの最初で最後の弟子。手塩にかけて大事に育てた。厳しくもしたけど、生き延びるためとアイラの意図をわからせるために勉強など教養で頭を良くした。カリンはアイラの愛弟子であり、実の子ども同様だった。カリンにもアイラの気持ちは伝わっていた。はじめはキごちなく心を閉ざしていたけど、アイラは天衣無縫の心をもってありのままにカリンに接した。
時折、通じることもある。もう少し長くいたら彼女は弟子であり私の娘になったのかもしれない。
カリンのお陰で、アイラも色々、唯の高級娼婦から、母親ってなんだ。父親ってなんだ。子どもってなんだ。
色々、子供から学ぶことはいっぱいあった。アイラの世界はとても狭い世界だった。
男を喜ばすだけの世界。他の粗悪な男と女はいつの間にか消えていく。処分されたんだ。
アイラでさえも危険な裏事情は知っている。怖いことばかりだった。
思い出したくないこともある。
でも、子どもを育てると、アイラはなんだか未来が見えるようだった。明るい未来だ。カリンがアイラの思いを受け取ってみるみる美しく素晴らしくなっていく様は嬉しかった。
アイラが磨き上げた宝玉。なのに、ならずものにさらわれてボロボロにされた。アイラにはどうしてもこれだけは許せなかった。これが憤怒と復讐の思いなのか。アイラにとっては思いもよらないことだった。
カリンといると、新しい感情、新しい世界が開かれる。 こんなに苦しめられていたんだ。あたしは。
カリンといるとどこまでもいける気がする。
あたしは一つだけ懇意の貴族。旦那様ともいえる人にどうしても許せない人を内密に殺してほしいとお願いした。
カリンや他のおんなたちを面白がって壊した人。悪魔のような人。首謀者、黒幕をあぶりだして厳しい刑罰を受けてほしい。弱者もあまりにも踏み躙られたら反逆することを思い知らせてやりたい。
これが母親の気持ちか。暗黒の女神の気持ち。あたしたちを苦しめた悪魔を討伐したい。
カリンはアイラにあってやつれ切っていたが嬉しそうに顔をほころばせた。嗚呼カリン。あなたは地獄を味わったのね。雰囲気が全く違うわ。昔の何も知らないカリンはもういない。地獄の経験をした女だった。
それが少し悲しい。
共に地獄を味わった少年エドがカリンを守る騎士のように傍らにあった。雰囲気が同じだわ。
少数派の攫われた女たちもひよこのようにカリンとエドの後をついていった。
みんな地獄を味わった雰囲気を纏っている。虚ろな壊れた人もいる。唯従っているだけの人形だ。
悲しいけど、アイラは彼らをそっと見守るしかなかった。
アイラは思わずカリンを深く抱きしめて抱擁したけど、カリンはまだ夢を見ているようだった。
苦々しい顔で、エドや他の身なりの良い人はアイラを邪魔な者と見なしたけど。気にしなかった。唯、カリンが心配だった。
カリンを引き取れないかとエドに言ったけど、鬼のような形相で睨まれた。君はカリンの育て親だね。
君はカリンを愛しているの。なにを言っているのか。この男は。
あたしが手塩にかけて育てたのよ。宝玉よ。可愛くてたまらなかった。愛しさが満ちていたわ。カリンといると色々
世界が広大になったわ。 父親ってなんなのか母親って何なのか子どもって何?と思ったわ。
何も考えていない女と貴方は思っていたけど、弱い者も何も知らずにはいられないのよ。
カリンといるとあたしは色々おもい知ったわ。なんと狭い世界にいきていたのかって。何も知らないで生きていたのよ。カリンといるとほっとするし、はっとさせられることもあった。
カリンはあたしにとって天使だったのよ。
その天使をボロボロにした奴らを許すことはできない。
貴方もそうでしょう。エドという貴族の少年。
アイラは鋭くエドに問いかけた。エドは迷いがちにも真実を述べた。
確かに私もあいつらをどうしても許せないんだ。報復したい。でもまだ無力だ。お父様に力を借りなきゃ誰も助けられない。
エドは自分の無力さにうちひがれていた。
アイラは不敬にもエドを叩いた。 「目を覚まして。これは貴方が大人になるための試練なのよ。カリンを守りたがったら強くならなきゃ。」
泣きながらもアイラは叫んだ。情けないのは私も同じなんだから。悔しいんだから。
偽りなき心の叫びにエドははっとした。
そうだな。お前の言う通り、覚悟を決めなきゃ。
「俺も強くなろう。アイラ、カリンの育て親よ。お前も強くなれ。」
「敵は強いかもしれない。」
「女の身にはあまりにも酷だろう。」
何を今さら、私は既に覚悟を決めているのに。私は生家を奪われ、友も宝玉も奪われた。
何もない女は無敵だ。もう怖くない。
可愛いエド。私は全てを奪われたのよ。旦那様だけはいてくれたけど。この怒りだけは敵の死が癒してくれるまで
収まらないでしょう。
アイラは妖艶にほほ笑んだ。
時折、通じることもある。もう少し長くいたら彼女は弟子であり私の娘になったのかもしれない。
カリンのお陰で、アイラも色々、唯の高級娼婦から、母親ってなんだ。父親ってなんだ。子どもってなんだ。
色々、子供から学ぶことはいっぱいあった。アイラの世界はとても狭い世界だった。
男を喜ばすだけの世界。他の粗悪な男と女はいつの間にか消えていく。処分されたんだ。
アイラでさえも危険な裏事情は知っている。怖いことばかりだった。
思い出したくないこともある。
でも、子どもを育てると、アイラはなんだか未来が見えるようだった。明るい未来だ。カリンがアイラの思いを受け取ってみるみる美しく素晴らしくなっていく様は嬉しかった。
アイラが磨き上げた宝玉。なのに、ならずものにさらわれてボロボロにされた。アイラにはどうしてもこれだけは許せなかった。これが憤怒と復讐の思いなのか。アイラにとっては思いもよらないことだった。
カリンといると、新しい感情、新しい世界が開かれる。 こんなに苦しめられていたんだ。あたしは。
カリンといるとどこまでもいける気がする。
あたしは一つだけ懇意の貴族。旦那様ともいえる人にどうしても許せない人を内密に殺してほしいとお願いした。
カリンや他のおんなたちを面白がって壊した人。悪魔のような人。首謀者、黒幕をあぶりだして厳しい刑罰を受けてほしい。弱者もあまりにも踏み躙られたら反逆することを思い知らせてやりたい。
これが母親の気持ちか。暗黒の女神の気持ち。あたしたちを苦しめた悪魔を討伐したい。
カリンはアイラにあってやつれ切っていたが嬉しそうに顔をほころばせた。嗚呼カリン。あなたは地獄を味わったのね。雰囲気が全く違うわ。昔の何も知らないカリンはもういない。地獄の経験をした女だった。
それが少し悲しい。
共に地獄を味わった少年エドがカリンを守る騎士のように傍らにあった。雰囲気が同じだわ。
少数派の攫われた女たちもひよこのようにカリンとエドの後をついていった。
みんな地獄を味わった雰囲気を纏っている。虚ろな壊れた人もいる。唯従っているだけの人形だ。
悲しいけど、アイラは彼らをそっと見守るしかなかった。
アイラは思わずカリンを深く抱きしめて抱擁したけど、カリンはまだ夢を見ているようだった。
苦々しい顔で、エドや他の身なりの良い人はアイラを邪魔な者と見なしたけど。気にしなかった。唯、カリンが心配だった。
カリンを引き取れないかとエドに言ったけど、鬼のような形相で睨まれた。君はカリンの育て親だね。
君はカリンを愛しているの。なにを言っているのか。この男は。
あたしが手塩にかけて育てたのよ。宝玉よ。可愛くてたまらなかった。愛しさが満ちていたわ。カリンといると色々
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何も考えていない女と貴方は思っていたけど、弱い者も何も知らずにはいられないのよ。
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カリンはあたしにとって天使だったのよ。
その天使をボロボロにした奴らを許すことはできない。
貴方もそうでしょう。エドという貴族の少年。
アイラは鋭くエドに問いかけた。エドは迷いがちにも真実を述べた。
確かに私もあいつらをどうしても許せないんだ。報復したい。でもまだ無力だ。お父様に力を借りなきゃ誰も助けられない。
エドは自分の無力さにうちひがれていた。
アイラは不敬にもエドを叩いた。 「目を覚まして。これは貴方が大人になるための試練なのよ。カリンを守りたがったら強くならなきゃ。」
泣きながらもアイラは叫んだ。情けないのは私も同じなんだから。悔しいんだから。
偽りなき心の叫びにエドははっとした。
そうだな。お前の言う通り、覚悟を決めなきゃ。
「俺も強くなろう。アイラ、カリンの育て親よ。お前も強くなれ。」
「敵は強いかもしれない。」
「女の身にはあまりにも酷だろう。」
何を今さら、私は既に覚悟を決めているのに。私は生家を奪われ、友も宝玉も奪われた。
何もない女は無敵だ。もう怖くない。
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アイラは妖艶にほほ笑んだ。
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