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第5章 戦いの後

第4話 ナナミ

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取り残されたナナミは、何度もシズナ様やダリア様やミモザなどを探したが、どうしても見つからずに、彼女は諦めた。
意気消沈したが、その暇もなく、セルシーオ・ナミの復興や、様々な仕事を与えられて、彼女は、新制宗教施設を創るため尽力した。

エンデイミオンの助力もあり、外国との交渉のため、ナナミは周辺諸国の言語を必死で習得した。
今まで、シズナ様の恩恵を受けていた信者が、補給食料や資金を恩返しに施設に集まったが、それも長くはもたない。
エンデミオンは、ナナミに商会。それも世界を渡る国際的に通用する組織を作った方が良いと勧めた。
そうすれば、施設の復興も早くなると言われた。

施設にはアルというとてもスバ抜けた頭脳をもった天才児が居た。

アルは実験で利益になる頭脳を創らされたとかつての下劣な悍ましい歴史の暗部の証だった。

しかし、結果的にアルはシズナ様やダリア様がこの世界を良くしてくれたから、なにか恩返ししたいと言ってくれた。他にも天才児が居た。
彼らのお陰で、ナナミは言語の習得の学び方を教えられ、外国の教養や正しい知識、交渉の仕方など様々な助言を頂いて、生き残った彼女らは必死で、小さな商会で創った独創的な商品をどうやって世界的に広めるか試行錯誤して
時には大きな失敗もしたが、最終的には大きな成功を収めた。

優秀な交渉人。それがナナミの異名になった。七つの国を渡る女商人とナナミは成長した。

時には、食料に関する経路や、生産地のことで紛争になりかかった小国をなんとかして、天才頭脳をもった子どもたちに解決手段を教えてもらって、ナナミは必死で平和的な手段を使って、子どもの犠牲を抑えた。


戦争は愚かな事だ。 子どもや多くの人の未来を潰すとナナミは既に思い知っていた。
それでも戦はなくならない。ならば最小限に抑えようと彼女はいつしか世界平和のために唯の商人だけではなく、世界的に有名な平和交渉人にもなっていた。


やがて、ナナミたちの恩恵を受けた民たちはこう言った。

ナナミの名前の最後の意味は、世界に活躍する国際人だ。地域に貢献する人。隣人愛を兼ねた教養人。
世界で活躍する人。

その意味の通り、ナナミは多くの戦争を和平させた。

ナナミは天才児たちのお陰で莫大な富と権力をもった商会を築き上げた。大きなどこにでも行ける船や空さえも特別でどこでもいける飛行機に乗る資格を七国で与えらえた商人になった。

ナナミは彼らの尽力で予想外に早くセルシーオ・ナミと言う宗教施設は前にもまして、豪奢に神々しく再建された。

そこにはシズナ女神像や、ダリアやミモザなどの絵も飾られていた。

亡くなった味方の部隊の鎮魂のための塔も創られた。

彼女らは年に1回、戦った日に、厳粛な鎮魂の儀式を行った。

死者と、生きている人の安らぎをこめてナナミは祈った。


嗚呼。シズナ様。貴方達はもういないのですね。エンデイミオン様が多分彼女らは上位世界へ行ったと言いましたが
そこはどんなところですか?死んだら会えますか?いつかまた会えますか?会いたい会いたいです。

でも今は、生き残った人たちと共に生きます。

その時まで待っています。シズナ様・・。

彼女は天空を見上げて祈った。
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