糟糠の妻

栗菓子

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第1章 ありふれた夫婦

第1話 糟糠の妻

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とあるところにありふれた夫婦が居た。
夫は、その地域では一番見目もよく、頭脳明晰で人柄も申し分なく良かった。当然のように彼を恋し愛する娘たちは多かった。当時は貧乏であっても支えになりたいという女は多かった。
掃いて捨てるほど、彼の女になりたい女は多かった。男も勿論秋波を送ってきた。

彼は男色家ではなかったが、とてもかわいい男や綺麗な男には手を出した。
勿論 のめりこんだ恋人は、独占欲が激しくなり彼を殺そうとまで思いつめ、刃傷沙汰になった事件も多かった。

妻は凡庸なありふれた女であまり魅力はなかった。
当初はやはり、男に惹かれたが、男がどこか女達が傷つくのを愉快気に見たり、残忍な気性があり、どこか逸脱している性格を持っていることを見抜き、うんざりした。

それでも別れるわけにはいかなかった。 夫の本性を見抜いた数少ない夫の両親は、一番弱い貧乏な家の病弱な親を手厚く助け、見返りに娘を妻と要求した。早い話が、娘は妻の身分を装った夫の監視か、生け贄だ。

夫の両親はとても才能が有り人徳もあり裕福だが、自分の子の本性を薄々察していた。
両親は娘に妻として息子を普通の人としての道を歩ませるようにしてほしいと監視をお願いした。

恩義がある娘は断れるはずもなく淡い恋心を抱いていた幼馴染にさよならを言って結婚した。
憂鬱だった。
娘は鈍感な女になろうと思った。なにか起きようと動揺しまいと思った。神様にお祈りした。わたしたちをありふれた夫婦としてください。と何回もお祈りした。

初夜は夫は憮然としてどうしてお前のような女が妻になったんだと喚いた。親は何を考えてお前を‥と嘆き喚き散らした。まるで駄々をこねる癇癪を起す子どもだった。

だからだよ。あんたがそうだからだよ。内心妻は醒めきった目で夫を見た。
放っておきたいが、親のためにも、恩がある義理の両親のためにもそうはいかない。彼を宥め喜ばさなければ・・
と彼女は覚悟を決め、精一杯微笑んだ。

「申し訳ありません。わたしのような女ですみませんが、わたしは貴方は成功するまで仕えます。
貴方が成功者になったらわたしは捨ててもかまいません。貴方の本当に望む女や男を得られます。ですからその時まで我慢して下さい。」

妻は母親のように夫を慰めた。
すると夫は我がままにじゃあ俺を閨でも悦ばせろと言った。
これには妻も閉口した。閨の手ほどきは村人の友人に教わったことがあるが‥果たして生娘の技量でどれほど悦ばせられるか・・これは玄人の娼婦のほうが向いているのでは・・とも悩んだが、彼女は覚悟を決めた。

「お許しを。」
妻は跪いて、夫の下着を脱ぎ、性器を露わにした。何をすると夫は焦ったが、妻が夫を悦ばせようとすることを悟ると大人しくなった。
妻は懸命に拙いながらも夫のでかい男根を飴玉を舐めるように舐めた。ちろちろと先端を執拗に舐めたり、喉が息苦しくなっても深く歯で噛まないように奥まで舐めた。
夫が耐えきれず射精した。妻は吐きそうになるのをこらえて必死に飲み込んだ。
嗚咽しそうになるのをこらえて涙目になった。

この位奉仕しなければ、凡庸な女には勝ち目はない。夫の両親は莫大な金を使って病弱な実の親を治した。
その分借金として妻として夫に奉仕しなければならない。これは夫専用の娼婦として妻になったようなものだ。

処女でありながら、妻は夫に娼婦のように奉仕をした。破瓜の血が出ても興奮した夫は乱暴に妻を性欲のはけ口にした。
悍ましさと恐怖に耐えながら、妻は夫に奉仕した。
従順に夫に仕えながら、慰み者となった。

夫はいたく満足しながらぼろぼろになった妻を放置した。こどものように友人に会いにいったのだ。
妻はほっとしながら、湯あみをして清めたかった。

体を洗う時だけが妻にとって爽快する時だった。
下衆で残忍な気性がある夫だが、憎み切れない面もある。妻は美しくなくて良かったとほっとした。
美しい女だと執拗に執着されるだろう。それだけは救いだと思った。

妻にとって夫につかえることは任期までのお勤めのようなものだった。

娼婦を軽蔑はできない・・。妻そのものが夫専用の娼婦だったからだ。



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