8 / 34
馬酔木の章
第3話 逆恨み
しおりを挟む
男は、全てが気に入らなかった。
男の気性もあるが、男は短気ですぐにかっとなる性質であった。そのせいで人々との軋轢は数知れなかった。
忍耐と努力がいる仕事も続かなかった。気に入らない人と一緒にいると耐えられない性質であった。
男は、社会性がなく、子供のように恐ろしく幼稚であった。
兵士か傭兵になったこともあるが、すぐに仲間外れにあった。暗黙のルールとか男には分らなかったのだ。
男は、周囲と共同生活をするには致命的な欠陥があった。
男なりに努力して生きようともしたが、上手くいかなかった。どこに行っても負のスパイラルであった。
男は酒に溺れた。薬にも溺れた。しかし頑丈な身体が死への旅へとなかなかそうはさせなかった。
神様は何か底意地が悪いと思わずにはいられなかった。
心根のいい奴はすぐに死んでいく。それを見ながら男は何の罰だよと思わずにはいられなかった。
男は自分の欠陥に気づいていたため、農家の働き手の募集があると聞いたときは、これが最後のチャンスかも知れないと思った。幸運にも、力仕事には向いていた。簡単だ。言われた通りやればいいのだ。流れ作業だが男には向いていた。
短期間働いて,稼ぐ。そしてボロ家だがだれもいないところで、自給自足しながら一人で過ごす。
これが男にとって一番望ましい人生だった。寂しくないと言ったらウソになるが犯罪や、とんでもない事を起こすよりましであった。
男は、母親に愛されていた。亡き母親にはあまり心配を懸けたくなかった。ましてや息子が犯罪を犯すような人になったら嘆くだろう。男はそう考えて、なるべく身を慎んだ。
しかし、時折、男の神経を逆なでする奴らが居た。
慈善事業で、これみよがしに自分の豊かさを見せつける貴族が居るのだ。
そいつらは孤児院や、恵まれない人たちに配給や、食べ物を斡旋などしていた。
普通なら感謝するところだろう。しかし、男は抑圧されていた。今まで運が悪い人は、救いの手が来ても払いのけてしまう。逆恨みしてしまうのだ。
男は身をもって感じた。親切なシスターが配給されたパンや水を渡そうとしたら、男は思わず要らねえ!と払いのけてしまった。はっと気づいたときはもう遅かった。シスターになんてことをと見る人も居た。
男は済まんと謝って逃げるように教会を離れた。
男は自分が怖かった。このままでは破裂してしまう。何かをしなければと焦った。
男はひたすら、仕事をした。重労働をあえてして、夜まで働いて泥のように眠った。
そうしなければ、なにかが危ないと思ったからだ。
しばらくしてちゃんと、シスターには謝った。あの時は気がどうかしていた。すまないと改めて謝罪した。
シスターは、そういう時は誰にでもありますよ。と男を宥めて慰めた。
とても寛容なシスターだった。男は告解した。シスター。俺はどうも短気でいつも間違えるんです。あまり人と一緒に居てはいけないと自分でもわかっているんです。自分でも自分が怖いから、仕事ばかりして天命が来るのを待っています。頭がおかしいんですよね。
このままじゃいけないと思っても、間違えるんです。
シスターは哀れみの目で男を見た。貴方は頭が良いですよ。自分の欠点に気づいているから。
なるべく人の迷惑にならないように心がけることは良いことです。
落ち着くようにきをつけなさい。とシスターは深呼吸を教えた。
喚くより、空気を一口に入れて、ふううと息をはくのだ。そうすれば少し落ち着くと教えてくれた。
男は家で何回も同じことをやった。体も動かした。少し落ち着くようになった。
なるべく体も温めた。
自分の頭がどうなっているか注意を計らった。
少しずつ男は精神状態が良くなった。それにしても逆恨みって怖い・・
あの頃は、もう無理な状態だった。男は身に染みていた。
俺はシスターに助けられたが、他の救われない奴らも居るダロウ。そいつらはきっと危ない方向へ行くんだ。
男は、様々な経験をして、なるべく戒めを作った。
弱い者は、刺激が強いところや気に障るところへ行ってはいけない。
自分の頭や体に気を付ける事。温める事。
美味しい話に騙されてはいけない。
妬んではいけない。
それが男の戒めであった。
やがて男は、少しだけだが友人や仲間を作れるようになった。男はそれが嬉しかった。
男の運の悪い人生で運が向いてきたところであった。
男の気性もあるが、男は短気ですぐにかっとなる性質であった。そのせいで人々との軋轢は数知れなかった。
忍耐と努力がいる仕事も続かなかった。気に入らない人と一緒にいると耐えられない性質であった。
男は、社会性がなく、子供のように恐ろしく幼稚であった。
兵士か傭兵になったこともあるが、すぐに仲間外れにあった。暗黙のルールとか男には分らなかったのだ。
男は、周囲と共同生活をするには致命的な欠陥があった。
男なりに努力して生きようともしたが、上手くいかなかった。どこに行っても負のスパイラルであった。
男は酒に溺れた。薬にも溺れた。しかし頑丈な身体が死への旅へとなかなかそうはさせなかった。
神様は何か底意地が悪いと思わずにはいられなかった。
心根のいい奴はすぐに死んでいく。それを見ながら男は何の罰だよと思わずにはいられなかった。
男は自分の欠陥に気づいていたため、農家の働き手の募集があると聞いたときは、これが最後のチャンスかも知れないと思った。幸運にも、力仕事には向いていた。簡単だ。言われた通りやればいいのだ。流れ作業だが男には向いていた。
短期間働いて,稼ぐ。そしてボロ家だがだれもいないところで、自給自足しながら一人で過ごす。
これが男にとって一番望ましい人生だった。寂しくないと言ったらウソになるが犯罪や、とんでもない事を起こすよりましであった。
男は、母親に愛されていた。亡き母親にはあまり心配を懸けたくなかった。ましてや息子が犯罪を犯すような人になったら嘆くだろう。男はそう考えて、なるべく身を慎んだ。
しかし、時折、男の神経を逆なでする奴らが居た。
慈善事業で、これみよがしに自分の豊かさを見せつける貴族が居るのだ。
そいつらは孤児院や、恵まれない人たちに配給や、食べ物を斡旋などしていた。
普通なら感謝するところだろう。しかし、男は抑圧されていた。今まで運が悪い人は、救いの手が来ても払いのけてしまう。逆恨みしてしまうのだ。
男は身をもって感じた。親切なシスターが配給されたパンや水を渡そうとしたら、男は思わず要らねえ!と払いのけてしまった。はっと気づいたときはもう遅かった。シスターになんてことをと見る人も居た。
男は済まんと謝って逃げるように教会を離れた。
男は自分が怖かった。このままでは破裂してしまう。何かをしなければと焦った。
男はひたすら、仕事をした。重労働をあえてして、夜まで働いて泥のように眠った。
そうしなければ、なにかが危ないと思ったからだ。
しばらくしてちゃんと、シスターには謝った。あの時は気がどうかしていた。すまないと改めて謝罪した。
シスターは、そういう時は誰にでもありますよ。と男を宥めて慰めた。
とても寛容なシスターだった。男は告解した。シスター。俺はどうも短気でいつも間違えるんです。あまり人と一緒に居てはいけないと自分でもわかっているんです。自分でも自分が怖いから、仕事ばかりして天命が来るのを待っています。頭がおかしいんですよね。
このままじゃいけないと思っても、間違えるんです。
シスターは哀れみの目で男を見た。貴方は頭が良いですよ。自分の欠点に気づいているから。
なるべく人の迷惑にならないように心がけることは良いことです。
落ち着くようにきをつけなさい。とシスターは深呼吸を教えた。
喚くより、空気を一口に入れて、ふううと息をはくのだ。そうすれば少し落ち着くと教えてくれた。
男は家で何回も同じことをやった。体も動かした。少し落ち着くようになった。
なるべく体も温めた。
自分の頭がどうなっているか注意を計らった。
少しずつ男は精神状態が良くなった。それにしても逆恨みって怖い・・
あの頃は、もう無理な状態だった。男は身に染みていた。
俺はシスターに助けられたが、他の救われない奴らも居るダロウ。そいつらはきっと危ない方向へ行くんだ。
男は、様々な経験をして、なるべく戒めを作った。
弱い者は、刺激が強いところや気に障るところへ行ってはいけない。
自分の頭や体に気を付ける事。温める事。
美味しい話に騙されてはいけない。
妬んではいけない。
それが男の戒めであった。
やがて男は、少しだけだが友人や仲間を作れるようになった。男はそれが嬉しかった。
男の運の悪い人生で運が向いてきたところであった。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる