どうやら神様は死んでから褒美を与えるらしい

栗菓子

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どうやら神様は、巨人と同じようになるらしい。

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脅威の巨人が戻ってきた。深き怨念と、執念によって、再生能力だけは高すぎる。

元は凡庸な魂の集合体故、そんなに力はないはずだが、怨念で、天使や悪魔を喰らったため、より力を増してきている。 

はっきり言おう。物凄く危険な生命体だ。 凶暴で、神や天使を怨嗟している。

悪魔や、悪辣な女神が居なくなったのは喜ばしいが、これには神様も誤算であった。

被造物が創造主より強くなるイレギュラーが今回はよく発生している。なにかのバグだろうか?

それとも、親殺しの世代が始まったのか?良く人間は親殺しを、子殺しを家族同士でするなあと思っていたが、
世代交代が速やかにいかないからの弊害かもしれない。


神様は余計なことも考えてしまった。

しかし、親として、創造主としての誇りもある。 いかに出来損ないの親と子とはいえ、この世界の主人として

このゴミみたいな子等、糞みたいな子等を・・嗚呼はっきり言おう。嫌いなんだよ。要らないんだヨ。

しつこく生き延びる子。 うんざりだ。絶対消してやる。 うん消えろ。お前ら。いい加減に。例え、毒親といわれようとかまわん。

神様は、うっかり本音を露わに、巨人や、天使たちに大声で叫んだ。


愛は潰えた。かくして、愛も情もへったくれもない情け容赦ない親と子の殺し合いが始まった。

カーンカーンと終わりの鐘がなる。

嗚呼・・嗚呼・・なんといい響きだ。 鬼神になった復讐鬼は、その鐘の音色に酔いしれた。

天猫は、完全蒼白になって、嗚呼終わりだと観念した。飼い主め。神様め。はた迷惑なやつらめ。巻き込みやがって

小さいボクタチはどうすればいいんだ・・?嫌誰も助けてくれない。ボクタチも見殺しにしてきたからなあ。

がくりと天猫はうなだれた。

神様は、巨人と同じ方法をとることにした。生き残った天使たちと集合体になって、戦うのだ。
天使たちもそれしかないと判断して、すぐに力を神様に委ねた。仕方がないだろう。

だって、魂の親玉だし、信仰もなくなり、天使も弱っている。このままでは全滅だ。その前に集合体になって生き残らなければ、何のために戦ったが分からなくなる。

全てが無意味で無駄になる。 それだけは御免だ。 苛烈な意志と共に天使たちは、神様にその意志と力を委ねた。

神様はうむと頷いて、みるみる巨人と同じぐらい、でかくなった。

しかしどこか神々しい巨人だ。流石腐っても神様かい。 ひきかえ凡庸な巨人はどこか粘土や、土偶に見える。
嗚呼・・生贄になった原初の怨念や怨嗟の土偶だ。

神様は、正直に、「早く消え失せろおおお・・・。要らないんだよおおおお!!!」と叫びながら巨人を殴った。
殴り続けた。天使の力をもらった剛力の拳は、何ものも打ち砕く威力を発揮する。

巨人を、連発で光の速度で、殴り続ける。殴る。殴る。殴る。ひたすらに一心に打ち込む。


うざいんだよう。てめえええええ!!!


どこの反抗期の子どもの叫びだと鬼神は首を傾げたが、まあいい。どうやら女や子供の魂も混ざっているらしい。


神様は子どものように叫んで、巨人を倒そうと必死で躍起になった。

その努力の賜物で、巨人はボロボロと再生能力も追いつかないほど壊れ始めた。


ざまあみろ。散々、親をわずらせやがって。このクソ餓鬼がああ・・。何のとりえもないお前らが親を倒そうなんで
とんだ驕りよ。 神様は思わず優越感を抱いた。


どっちが悪だよといいたいぐらい、神様の笑みは邪悪であった。


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