どうやら神様は死んでから褒美を与えるらしい

栗菓子

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どうやら天猫はあまりの恐怖で思いがけないことをしたらしい。

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天猫は、親である神様が、今までにかつてなく、不利な戦いをしているのを見て、わなわなと震えた。

神様が、アイツが死んだら・・猫もコロサレルコロサレル・・。殺される。

その言葉が、天猫の小さな頭にずっとリフレインのように、繰り返し文字が浮かびあがってきた。

ナンダヨ。コノアタマ。どこかで微かに冷静な意識が残っていたが、それもあまりの恐怖とパニックに消え去り、

天猫は、思わぬ行為に出てしまった。 

避難しているところから、巨人に向かって、飛び降りたのだ。

これには流石に鬼神も、ぎょっと、魚のように目を丸くした。無謀な。自殺行為だ。

つい、言ってしまったが、天猫はうるさい!と叫んで、巨人に襲い掛かった。やられる前にやれ!先手必勝だあああ!

余りにも幼稚な考えで、天猫はありったけの神力で、雷のような光を放った。

破れかぶれで、神様のことも度外視して、天猫は、銃弾のように、光を無数にダダダダダダと撃ち込んだ。


ほんの少し、神様に当たったような気もするが、それはまあご愛敬で許してもらおう。

天猫はどこまでも自分に甘かった。

神様の額に、青筋がいくつも走ったことを鬼神は見逃さなかった。 天猫よ・・。お前終わったな。万が一巨人を倒したとしても、神様まで殺そうとしたから殺されるな・・。鬼神は天猫の暗い未来がまざまざと見えた。


どうやら天猫はあまりの恐怖で思いがけないことをしたらしい。

半ば、狂乱状態で、天猫は、テンパッタ目で、死ね死ねエ。ナンナノ・・アンタアアア・・。と絶狂しながら、愛らしい顔を、悪鬼のように歪めて、赤い舌が、細長くどこまでも巨人に纏いついて、毒液を出した時、針の様に細かい牙がいくつもニヨキニョキと伸びて、武器のように、巨人に刺さった時を目撃した鬼神は、お前・・そんな変化する
姿もできたの・・。それって化け猫だよ。マジで・・。と思った。

蛇と、ハリネズミと、猫をミックスしたようなキマイラみたい・・。

これはこれで面白いけどなあ・・。

四つ目は、興奮で血走って、真っ赤だった。血が流れて、涙みたい。血管が恐怖で、興奮のあまりブチ切れたみたい。
ちょっと怖いなあ・・。鬼神はふむふむと眺めた。

ホラー映画をみているようだ・・。本猫は真剣に戦っているだろうけど、傍目から見たら、強者にとびかかる小動物みたいで少し滑稽に見えた。

なんかオレって性格悪くなったなあと鬼神は反省した。

巨人は、気のせいが、煩わしいものをみるように、天猫を見て、ひょいと払いのけた。

そして、パアアアンと平手で、蚊を叩くように、天猫が巨人の両手に包まれた。 まああああ。

巨人の手から、血だまりがどくどくと溢れた。黄金の血液もながれている。あれ?天猫って、やはり神様の眷属だから、変な血も流れていたのかな?

ふうん。これは新たな発見だ。 というか、天猫は即死したな。あれはもう・・。

鬼神は、内心合掌した。


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