2 / 4
2
しおりを挟む
「…原因は俺なんだ。
俺といることを話すんじゃなくて、大学の話ばかりするようになって…。」
「なに、嫉妬したの?」
良弥はそう返しながら、お茶のカップに口をつけた。
嫉妬?
…そうだったのかもしれない、
「だったのかもしれねぇ。」
「真也が嫉妬ねぇ…」
カップを置いて、良弥は箸を手に取り、サラダを混ぜ始めた。
僕も諦めて、箸を手に取る。
暖かさと冷たさのふたつが混じった、悲しみが湧き上がる。
俺の大好きな彼女は、俺のことをよくみてくれていた。
電話の調子だけで、元気ないね、と言ってくれるような、優しくて、気遣いの塊のような、自慢の彼女。
いつからすれ違ったんだろう。
隣に、いて欲しかったのに。
「…岩屋さん、呼んでやるよ。明日の夜なら行けるはずだからさ」
「なんでりょうやが、あの子の予定知ってるんだ?」
「よく話すからね」
「そっか…」
冷たく、冷たい予感が、足先から這い上がってくるようだった。
りょうやが、ちらちらと彼女をみていたのを知っている。
地元から2人だけ出てきて、元々仲が悪いわけでもなかった。
もしかしたら、りょうやは、…
いや、止そう。
おれとりょうやは、友だちなんだから。
そして、俺と彼女は、別れたんだから。
俺といることを話すんじゃなくて、大学の話ばかりするようになって…。」
「なに、嫉妬したの?」
良弥はそう返しながら、お茶のカップに口をつけた。
嫉妬?
…そうだったのかもしれない、
「だったのかもしれねぇ。」
「真也が嫉妬ねぇ…」
カップを置いて、良弥は箸を手に取り、サラダを混ぜ始めた。
僕も諦めて、箸を手に取る。
暖かさと冷たさのふたつが混じった、悲しみが湧き上がる。
俺の大好きな彼女は、俺のことをよくみてくれていた。
電話の調子だけで、元気ないね、と言ってくれるような、優しくて、気遣いの塊のような、自慢の彼女。
いつからすれ違ったんだろう。
隣に、いて欲しかったのに。
「…岩屋さん、呼んでやるよ。明日の夜なら行けるはずだからさ」
「なんでりょうやが、あの子の予定知ってるんだ?」
「よく話すからね」
「そっか…」
冷たく、冷たい予感が、足先から這い上がってくるようだった。
りょうやが、ちらちらと彼女をみていたのを知っている。
地元から2人だけ出てきて、元々仲が悪いわけでもなかった。
もしかしたら、りょうやは、…
いや、止そう。
おれとりょうやは、友だちなんだから。
そして、俺と彼女は、別れたんだから。
0
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
あんなにわかりやすく魅了にかかってる人初めて見た
しがついつか
恋愛
ミクシー・ラヴィ―が学園に入学してからたった一か月で、彼女の周囲には常に男子生徒が侍るようになっていた。
学年問わず、多くの男子生徒が彼女の虜となっていた。
彼女の周りを男子生徒が侍ることも、女子生徒達が冷ややかな目で遠巻きに見ていることも、最近では日常の風景となっていた。
そんな中、ナンシーの恋人であるレオナルドが、2か月の短期留学を終えて帰ってきた。
幼馴染、幼馴染、そんなに彼女のことが大切ですか。――いいでしょう、ならば、婚約破棄をしましょう。~病弱な幼馴染の彼女は、実は……~
銀灰
恋愛
テリシアの婚約者セシルは、病弱だという幼馴染にばかりかまけていた。
自身で稼ぐこともせず、幼馴染を庇護するため、テシリアに金を無心する毎日を送るセシル。
そんな関係に限界を感じ、テリシアはセシルに婚約破棄を突き付けた。
テリシアに見捨てられたセシルは、てっきりその幼馴染と添い遂げると思われたが――。
その幼馴染は、道化のようなとんでもない秘密を抱えていた!?
はたして、物語の結末は――?
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
貴方の幸せの為ならば
缶詰め精霊王
恋愛
主人公たちは幸せだった……あんなことが起きるまでは。
いつも通りに待ち合わせ場所にしていた所に行かなければ……彼を迎えに行ってれば。
後悔しても遅い。だって、もう過ぎたこと……
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる