ねぇ、恋、しようか。

うそろ

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*ながらへば

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ぐちゅ、ぐちゅ、と。


彼の切っ先が、わたしの入口を撫ぜまわす。

「い、あ、ふぁ、」

「きもちいい?奈々?」

誰が、言ってやるもんか。
こんなのレイプと一緒だ。

告白したなんて、覚えてないし。

覚えて、ないし………。


「まだ思い出さないの?初めて2人で出かけたのに、あの紅葉狩り、」

もみじ、がり?


「嵐山でさ、二尊院の奥で、
言ったじゃない。



玉の緒よ、絶えねば絶えね、て」



なんだっけ。それは、聞き覚えがある、と思った時。


ぐちゅり、と。

先端が、敏感な、クリストスを擦った。

「や、ぁ!」

「ながらへば、しのぶることのよわりもぞする、て教えたよね。」

ぐりぐり。

辛くないのだろうか、先端でぐりぐりと、入口をくすぐられる。


「ねぇ、きもちいい?言ったら挿れてあげるよ。ながらへることはできるかな?」


朧げな記憶を、辿ろうと、するたびにこっちに集中してとばかりに秘所をかき混ぜられる。


「やっ、ああ、あわ、思い出す、思い出すから、やめっ、」

「ここまできたら関係ないよ、…うっ、く、」

唐突に動きが止まり、


びしゃり。と


「あーあ、出ちゃったな。しのべなかったのは俺の方か」

つまりそれは、達したということで。


「え。あ。」

「だから、もういいよね?」



なにが、いいの?


組み敷かれているせいで、目線が合わなくて、上目遣いになったのを。

「ねぇ、煽ってんの?」

え。

ぐしゃり、と。

彼が、私の秘所を擦り始めた。精液まみれになった、そこを。


「あっや、ふぁ!?」

「そーんな可愛い顔して、挿れてほしかったんだ?そーかそーか」

「やぁ…ぬぐって…」

妊娠、はまだ嫌だ。
精液の濃い薄いに、妊娠は関係ない。

膣に入る可能性があるだけで、ダメなのに。

「まだそんなこというの?こんなことまでしておいて。」

彼はそんなことお構いなしに。また、ギチギチになって。

「ねぇ奈々。思い知らせてあげる。10年まったんだよ、俺。」

「やっ、ぁ。な、なにを」

「だからね、もうまてないの。しのぶることは弱りきっちゃったんだよ。」


ぬちゅ、っ、と。


めりっ、と。


「やっ、やだ、ナマはやめて、いやぁ!」

「もう遅いよ。」

先端が、入ってしまった。




ぐっ、ぐっ、ぐっ、と押入るそれは、暑くて硬くて、


強くて。


こんなもの、知らない。
わたしは、しらない。


ながらへてなんかない。


「ひぁ、や、」

気づいたら、泣いていた。


「やっ、ぅぐ、」

「なっ、なな!?なんで泣いて、」


「ばかっ!早く抜いてよ…っ!」


こんなことしといて、なんで泣かれないと思ってるのか。

ただのレイプだ、こんなもの。

気持ちよくなんかない。
何も思いだりしない。


こんなのが、初めてなんて。


「ごめん、」

しゅん、としても、許したりしない。
というか早く抜いて。

そんな願いは通じず、彼は体勢をそのままに、私に耳元で囁くように話しかけてきた。

「でも、思い出してよ、奈々。

約束したでしょ?」

「だから、何をよ…っ。
いきなりきて、付き合うんだからって、こんなの私受け入れられないよ。」

「…ほんとに、覚えてないんだね。

嵐山にさ、紅葉狩り、2人で行ったじゃん。ほんとは4人で行くはずだったけど、後の2人がドタキャンしてさ」

…そんなことも、あったような気がする。
12年も大学にいると、何もかも曖昧だ。
特に4年目なんて、もう大学に慣れてしまって感慨もない。

「あれ、本当は俺がお願いしたんだ。
俺今度こそ奈々に告るから、遠慮してもらえないかって」

…え?

「俺めっちゃ調べたんだよ、京都。嵐山でさ、二尊院の奥からならすごい綺麗に京都の街並みが見えるて聞いたから絶対ここで言おうって決めたし。夜もさ、ちょっと遠かったけど高台寺行ったじゃん。ライトアップ見に。」


え、え、え?

「あの時の写真、俺まだ残してるよ。
奈々はさ、撮られるて思ったら顔が固まるからさ、隠し撮りみたいにして頑張ったんだよ」


…え?


「そこでさ、約束したじゃん。

三十路になっても、互いに独り身なら、

式子内親王みたいな恋をしようって。」


ずくん、とわたしのナカが、かれを締め付けた。


——————————————
次回、雅俊くんサイドです。

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