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第八十五話
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焦燥感ばかりが募り、掌からじわりと汗が滲んできた。
いや……落ち着け、俺。これだけデカいテレビ局なら、出入口はここだけじゃないはずだ。非常口や裏口だってどこかにあるはず。早く見つけて外に出よう。
その時、チーン……とエレベーターが鳴る音が聞こえた。誰かが上から降りて来たようだ。
エレベーターから現れたのは、記者と思しき若い男性だった。パッと見、悪い人には見えなかった。
ちょうどいい、あの人に聞いてみよう。そう思い、晴斗は男性に声をかけた。
「あの、すみません」
「はい?」
「あそこのドアが開かないんですが、故障しているんでしょうか? 他に出入口があれば教えていただきたいんですけど」
「そうなんですか? それはおかしいですね……」
男性が正面玄関に視線を移した。自動ドアの前では、九尾と三尾が開かずの扉を眺めて立ち往生していた。
途端、男性の雰囲気が一変した。目の焦点がぼやけ、彼らを指差して叫び始める。
「いたぞ、妖怪どもだ! みんな、早く来てくれ!」
「えっ!? ちょ、ちょっと落ち着いてください! あなた、いきなり何言ってん……」
晴斗の制止も聞かず、男性はフロア内の内線電話に飛びついた。そして受話器を取ると、大声でどこかに報告し始めた。
「もしもし? 報道フロアですか? 今ここで妖怪どもを発見しました! すぐにスタッフを派遣してください!」
「ちょっ……! 何してるんですか! やめてください!」
力ずくで受話器を取り上げ、内線を切る。だがそれでも男性は狂ったように受話器を求め、応援を呼ぼうと必死になっていた。
「なんで止めるんだ! 早くしないと妖怪どもが逃げちまうだろう!」
「だからちょっと落ち着いてください! 彼らはそんな悪い存在じゃ……」
その時、サッと三尾が背後に回ってきて、いきなり男性の髪を掴んだ。そして勢いよく首に手刀を振り下ろした。首への直撃を受けた男性は、ガクリと膝を折ってその場に気絶してしまった。
いや……落ち着け、俺。これだけデカいテレビ局なら、出入口はここだけじゃないはずだ。非常口や裏口だってどこかにあるはず。早く見つけて外に出よう。
その時、チーン……とエレベーターが鳴る音が聞こえた。誰かが上から降りて来たようだ。
エレベーターから現れたのは、記者と思しき若い男性だった。パッと見、悪い人には見えなかった。
ちょうどいい、あの人に聞いてみよう。そう思い、晴斗は男性に声をかけた。
「あの、すみません」
「はい?」
「あそこのドアが開かないんですが、故障しているんでしょうか? 他に出入口があれば教えていただきたいんですけど」
「そうなんですか? それはおかしいですね……」
男性が正面玄関に視線を移した。自動ドアの前では、九尾と三尾が開かずの扉を眺めて立ち往生していた。
途端、男性の雰囲気が一変した。目の焦点がぼやけ、彼らを指差して叫び始める。
「いたぞ、妖怪どもだ! みんな、早く来てくれ!」
「えっ!? ちょ、ちょっと落ち着いてください! あなた、いきなり何言ってん……」
晴斗の制止も聞かず、男性はフロア内の内線電話に飛びついた。そして受話器を取ると、大声でどこかに報告し始めた。
「もしもし? 報道フロアですか? 今ここで妖怪どもを発見しました! すぐにスタッフを派遣してください!」
「ちょっ……! 何してるんですか! やめてください!」
力ずくで受話器を取り上げ、内線を切る。だがそれでも男性は狂ったように受話器を求め、応援を呼ぼうと必死になっていた。
「なんで止めるんだ! 早くしないと妖怪どもが逃げちまうだろう!」
「だからちょっと落ち着いてください! 彼らはそんな悪い存在じゃ……」
その時、サッと三尾が背後に回ってきて、いきなり男性の髪を掴んだ。そして勢いよく首に手刀を振り下ろした。首への直撃を受けた男性は、ガクリと膝を折ってその場に気絶してしまった。
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