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第八十四話
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違和感を覚えながらも、晴斗たちは局内に入った。だが中に入った瞬間、その嫌な気配がより一層強まってきた。肌がざわざわと粟立ち、胃の辺りがずん……と重くなったような気がする。しかも、何故か一階のフロアには人が誰もいなかった。
「……なんかマジで嫌な予感がするな。九尾、大丈夫か?」
「あ、ああ……なんとか……」
顔色は悪いままだったが、彼は健気に笑みを向けて来た。
ところが次の瞬間、九尾の頭からにょきっとキツネの耳が生えて来た。尻からも九本の尻尾が出て来ている。
「おい九尾、耳と尻尾が出てるぞ! 早く引っ込めないと!」
「えっ? あっ……」
「あれっ? おかしいな、僕もだ」
三尾も、タヌキの耳と尻尾が出たままになっている。二人は急いで妖怪のシンボルを引っ込めようとした。
だが、いくら力んでもシンボルは露出したまま引っ込む気配がない。
「どうして……!? 戻らない……!」
「……うん、僕も。なんだろう、力が入らない感じがする」
「マジかよ!? 三尾はいいけど、その格好じゃ収録はできないぞ」
「いや、九尾ちゃんもよくないよ。晴斗、一刻も早くここを出た方がいい。このビル、なんかヤバい」
三尾が強い口調でそう言うので、やむを得ず晴斗は玄関口に引き返した。何が起こっているのかはわからないが、確かにこのままでいるのはマズい。今時、耳と尻尾が生えた九尾や三尾を見て大騒ぎする人はいないだろうが、なるべくなら人目に触れない方がいい。
そう思い、自動ドアの前に立ったのだが……。
「……開かない!?」
いくらドンドン叩いても、自動ドアは閉じたままだった。手動で開けようとしてもビクともしない。入る時は普通に開いたから、電源が切れているとは思えない。一体どういうことなのか。
――どうなってんだよ、このビル!
「……なんかマジで嫌な予感がするな。九尾、大丈夫か?」
「あ、ああ……なんとか……」
顔色は悪いままだったが、彼は健気に笑みを向けて来た。
ところが次の瞬間、九尾の頭からにょきっとキツネの耳が生えて来た。尻からも九本の尻尾が出て来ている。
「おい九尾、耳と尻尾が出てるぞ! 早く引っ込めないと!」
「えっ? あっ……」
「あれっ? おかしいな、僕もだ」
三尾も、タヌキの耳と尻尾が出たままになっている。二人は急いで妖怪のシンボルを引っ込めようとした。
だが、いくら力んでもシンボルは露出したまま引っ込む気配がない。
「どうして……!? 戻らない……!」
「……うん、僕も。なんだろう、力が入らない感じがする」
「マジかよ!? 三尾はいいけど、その格好じゃ収録はできないぞ」
「いや、九尾ちゃんもよくないよ。晴斗、一刻も早くここを出た方がいい。このビル、なんかヤバい」
三尾が強い口調でそう言うので、やむを得ず晴斗は玄関口に引き返した。何が起こっているのかはわからないが、確かにこのままでいるのはマズい。今時、耳と尻尾が生えた九尾や三尾を見て大騒ぎする人はいないだろうが、なるべくなら人目に触れない方がいい。
そう思い、自動ドアの前に立ったのだが……。
「……開かない!?」
いくらドンドン叩いても、自動ドアは閉じたままだった。手動で開けようとしてもビクともしない。入る時は普通に開いたから、電源が切れているとは思えない。一体どういうことなのか。
――どうなってんだよ、このビル!
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