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第11章~強くなるために~
第82話
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「……げ。死合いとかぶってる……」
今週の始めに発表された一ヶ月のスケジュールを確認して、アクセルは目を見開いた。何度も確認したけれどスケジュールに間違いはなく、バルドルとの食事会の日に朝っぱらから死合いが入っていた。
これにはさすがに落胆した。
「ああ……せっかくバルドル様のところに行けると思ったのに」
死合いは戦士の重要な仕事だ。サボるわけにはいかないし、ランクも下がってしまう。
本当に残念だけど、今回は諦めるしかないかな……と思っていると、
「何言ってるの? 死合いなんて一瞬で終わらせればいいじゃない」
兄がごく当たり前の口調で言ってくるので、目が丸くなった。それと同時に少し呆れた。
「あのなぁ……対戦相手はほぼ俺と同レベルの戦士なんだぞ? 同レベル同士の戦いは、そんな一瞬で終わらないだろ」
「そんなことないと思うよ。一時間も二時間も戦ってるわけじゃないんだから、なるべく早く終わらせて食事会に参加すればいいだけのことさ」
「いや、だから……例え早く終わっても、怪我の治療があるじゃないか」
「何? お前、そんなとんでもない怪我をするつもりなの? ユーベルの舞じゃあるまいし、かすり傷くらいで終わらせなさいよ」
「……そんな無茶な」
ムチャ振りすることの多い兄だが、さすがにかすり傷だけで終わらせるのは自信がない。一応相手は自分よりランクの高い戦士だし、最悪の場合、負けてしまう可能性もあるのだ。兄のように楽観視はできない。
今週の始めに発表された一ヶ月のスケジュールを確認して、アクセルは目を見開いた。何度も確認したけれどスケジュールに間違いはなく、バルドルとの食事会の日に朝っぱらから死合いが入っていた。
これにはさすがに落胆した。
「ああ……せっかくバルドル様のところに行けると思ったのに」
死合いは戦士の重要な仕事だ。サボるわけにはいかないし、ランクも下がってしまう。
本当に残念だけど、今回は諦めるしかないかな……と思っていると、
「何言ってるの? 死合いなんて一瞬で終わらせればいいじゃない」
兄がごく当たり前の口調で言ってくるので、目が丸くなった。それと同時に少し呆れた。
「あのなぁ……対戦相手はほぼ俺と同レベルの戦士なんだぞ? 同レベル同士の戦いは、そんな一瞬で終わらないだろ」
「そんなことないと思うよ。一時間も二時間も戦ってるわけじゃないんだから、なるべく早く終わらせて食事会に参加すればいいだけのことさ」
「いや、だから……例え早く終わっても、怪我の治療があるじゃないか」
「何? お前、そんなとんでもない怪我をするつもりなの? ユーベルの舞じゃあるまいし、かすり傷くらいで終わらせなさいよ」
「……そんな無茶な」
ムチャ振りすることの多い兄だが、さすがにかすり傷だけで終わらせるのは自信がない。一応相手は自分よりランクの高い戦士だし、最悪の場合、負けてしまう可能性もあるのだ。兄のように楽観視はできない。
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