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第12章~不穏な空気~
第118話
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――そういえば、兄上と巫女って同じ髪色してるよな……。
自分たちの母親だという予言の巫女。石碑を破壊したのと同時に消滅してしまったけれど、彼女も兄のような綺麗な金髪をしていた。
おそらく遺伝的に巫女の血を濃く受け継いでいるのは兄の方で、見た目も性格も能力も――いいか悪いかは別にして――よく似ているのだ。
逆に自分は、万が一の時のスペックとして作られたらしいので、巫女の血も兄ほど濃くはない。髪の色も金色ではなく薄めの茶色だし、性格も兄とは正反対になった。
もっとも、正反対だからこそ相性がいいのだし、見た目があまり似ていないからこそ兄も可愛がってくれている。
兄自身は自分が巫女に似ていることをあまりよく思っていないから、もし弟までもが巫女に似ていたら、ここまで育ててくれなかったかもしれない(実際、「似てないから可愛いんだよ」と言われたこともあるし)。
ただ、アクセルとしては髪の色くらいは似ていてもよかったんじゃないかと密かに思っている。あまりにも兄と似ていないと「自分たちは本当に血の繋がった兄弟なのか」と時々疑わしくなってしまい、安心できないのだ。
まあ、こんなこと口に出したら「またお前はそんなことで悩んで」と叱られてしまうのだけど……。
「お前、またネガティブなこと考えてるでしょ」
自分たちの母親だという予言の巫女。石碑を破壊したのと同時に消滅してしまったけれど、彼女も兄のような綺麗な金髪をしていた。
おそらく遺伝的に巫女の血を濃く受け継いでいるのは兄の方で、見た目も性格も能力も――いいか悪いかは別にして――よく似ているのだ。
逆に自分は、万が一の時のスペックとして作られたらしいので、巫女の血も兄ほど濃くはない。髪の色も金色ではなく薄めの茶色だし、性格も兄とは正反対になった。
もっとも、正反対だからこそ相性がいいのだし、見た目があまり似ていないからこそ兄も可愛がってくれている。
兄自身は自分が巫女に似ていることをあまりよく思っていないから、もし弟までもが巫女に似ていたら、ここまで育ててくれなかったかもしれない(実際、「似てないから可愛いんだよ」と言われたこともあるし)。
ただ、アクセルとしては髪の色くらいは似ていてもよかったんじゃないかと密かに思っている。あまりにも兄と似ていないと「自分たちは本当に血の繋がった兄弟なのか」と時々疑わしくなってしまい、安心できないのだ。
まあ、こんなこと口に出したら「またお前はそんなことで悩んで」と叱られてしまうのだけど……。
「お前、またネガティブなこと考えてるでしょ」
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