1,391 / 3,048
第13章~獣化の秘密~
第30話
しおりを挟む
「まあ、治療中は当然死合いには出られないからな」
ジークが淡々と言う。
「獣化の治療に何ヶ月もかかると、必然的にランクも下がる。実力で敵わない上位ランカーを引きずり降ろすには、最も手っ取り早い方法だな。しかもやり方によっては、めちゃくちゃリスクも少ないし」
「だから宴会場の食事なんて信用ならないんですよ。いつどこでどんな毒が仕込まれるかわかりませんからね」
と、ユーベルがやれやれと肩を竦める。
「わたくしもヴァルハラにきてそこそこ年数経っていますが、宴会場で食事したことは一度もありません。皆さん、毒殺のことを軽く見すぎです」
「あはは、さすが貴族サマは用心深いねー。僕はそういうの、あまり気にしたことないけどなー」
「……ミューの胃袋はいろんな意味で普通ではないので。とにかく、あなたも宴会場で食事する際は気を付けなさい。運悪く毒に当たる可能性もあるんですから」
「……!」
そう忠告され、アクセルは言葉を失った。そんなことを言われてしまうと、なんか急に飲食が恐ろしくなってくる。外で食事ができなくなる。
「……ユーベル様は、兄が誘発剤を盛られた場所は宴会場だと考えているんですか?」
「十中八九そうでしょう。あそこで提供されるシチュー鍋に誘発剤を仕込んでおけば、不特定多数の戦士に盛れますからね。獣化の気配がない戦士には効果がありませんが、たまたまフレインは引っ掛かってしまった……。そんなところでしょう」
「そう……ですか……」
ジークが淡々と言う。
「獣化の治療に何ヶ月もかかると、必然的にランクも下がる。実力で敵わない上位ランカーを引きずり降ろすには、最も手っ取り早い方法だな。しかもやり方によっては、めちゃくちゃリスクも少ないし」
「だから宴会場の食事なんて信用ならないんですよ。いつどこでどんな毒が仕込まれるかわかりませんからね」
と、ユーベルがやれやれと肩を竦める。
「わたくしもヴァルハラにきてそこそこ年数経っていますが、宴会場で食事したことは一度もありません。皆さん、毒殺のことを軽く見すぎです」
「あはは、さすが貴族サマは用心深いねー。僕はそういうの、あまり気にしたことないけどなー」
「……ミューの胃袋はいろんな意味で普通ではないので。とにかく、あなたも宴会場で食事する際は気を付けなさい。運悪く毒に当たる可能性もあるんですから」
「……!」
そう忠告され、アクセルは言葉を失った。そんなことを言われてしまうと、なんか急に飲食が恐ろしくなってくる。外で食事ができなくなる。
「……ユーベル様は、兄が誘発剤を盛られた場所は宴会場だと考えているんですか?」
「十中八九そうでしょう。あそこで提供されるシチュー鍋に誘発剤を仕込んでおけば、不特定多数の戦士に盛れますからね。獣化の気配がない戦士には効果がありませんが、たまたまフレインは引っ掛かってしまった……。そんなところでしょう」
「そう……ですか……」
0
あなたにおすすめの小説
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる