転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第25章~魂との戦い~

第23話

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 ――というか、そもそもこういうことって、ヴァルキリーの一存じゃ決められないんじゃないか? 他の神々はどう思ってるんだ……?

 神々の事情は、アクセルにはわからない。

 ただ、透ノ国は特殊な場所で、かつ重要なものがたくさん置き去りにされているから、新たに管理者が欲しいという気持ちは理解できる。

 確かに、地下に集められていた研究資料だったり、地上に点在していた国々、周りの建物等、あのまま放置でいいんだろうかと思う部分は多かった。少なくとも、誰かしらの管理は必要だろう。

 とはいえ、それを自分以外の誰かに押し付けるのは違うと思う。

 あんな切り離された場所の管理なんてしたくない……という神々の思惑はわかるけど、自分たちがやりたくないことは他の誰かもやりたがらないものだ。

 そんな面倒事の押し付けに利用されかけていたのかと思うと、何だか猛然と腹が立ってくる。死んでしまった最高傑作も可哀想だ。

 アクセルは声を震わせながら、言った。

「……相変わらずあなた達は自分勝手ですね。こちらの都合なんて考えもしない。そんな人たちに利用されかけたのかと思うと、反吐が出ますよ」
「神とはそういうものです……。少なくとも、格下の者の都合など考えません。情けをかけることもありますが、それは神の厚意であり、絶対ではないのです……」
「そうですか。では、この場であなたが傷を癒せず見捨てられたとしても、それは神の勝手ということになりますね」

 冷たくそう言ってやったら、シグルーンは少し視線を落とした。そしてやや投げやりな口調で頷いた。
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