2,768 / 3,048
第31章~おかしな仲間?~
第24話
しおりを挟む
「まあ無事ならよかったけど、オオカミがそのまま逃げ帰るなんてことあるんだね」
「例のカメがバリアを張ってくれたからな。あんなのが張られていたら、襲いたくても襲えないだろうよ」
「バリア?」
アクセルは簡単に事情を説明した。
例のカメにずっと付き纏われていたこと、今まで付き纏っていた理由、ついでにカメが流暢な言葉を発していたことも暴露した。
「ふーん……? あのカメくんがねぇ……?」
「妙なヤツだったけど、敵意はなかったからよかったよ。食べる物さえ確保できれば、本人は満足みたいだしな」
「……そう? あまり満足しているようには見えないけど」
「は?」
兄がベランダに続く窓を指し示す。
嫌な予感がしてそちらに目をやったら、案の定例のカメが窓越しにじっとこちらを見つめていた。暗闇の中からだったので、ちょっとホラーだった。
「えええ!? 何でまだついて来ているんだ!? もう用事は済んだだろう?」
「ご飯食べたかったのかな。お前と一緒にいれば、好きなだけ食事できるって味を占めちゃったのかもね」
「そんな……。うちだってかなりギリギリなのに」
アクセルは慌てて窓を開け、カメと対面した。そして膝を折り、カメに視線を合わせて真剣な口調で言った。
「申し訳ないけど、これ以上きみに分けてあげられる食料はないんだ。俺たちも食事しないと生きて行けないからな」
「グァ……」
「そういうわけだから、食事をしたいなら他を当たってくれ。うちよりもっと食料溜め込んでいる家はいっぱいあるからさ」
「例のカメがバリアを張ってくれたからな。あんなのが張られていたら、襲いたくても襲えないだろうよ」
「バリア?」
アクセルは簡単に事情を説明した。
例のカメにずっと付き纏われていたこと、今まで付き纏っていた理由、ついでにカメが流暢な言葉を発していたことも暴露した。
「ふーん……? あのカメくんがねぇ……?」
「妙なヤツだったけど、敵意はなかったからよかったよ。食べる物さえ確保できれば、本人は満足みたいだしな」
「……そう? あまり満足しているようには見えないけど」
「は?」
兄がベランダに続く窓を指し示す。
嫌な予感がしてそちらに目をやったら、案の定例のカメが窓越しにじっとこちらを見つめていた。暗闇の中からだったので、ちょっとホラーだった。
「えええ!? 何でまだついて来ているんだ!? もう用事は済んだだろう?」
「ご飯食べたかったのかな。お前と一緒にいれば、好きなだけ食事できるって味を占めちゃったのかもね」
「そんな……。うちだってかなりギリギリなのに」
アクセルは慌てて窓を開け、カメと対面した。そして膝を折り、カメに視線を合わせて真剣な口調で言った。
「申し訳ないけど、これ以上きみに分けてあげられる食料はないんだ。俺たちも食事しないと生きて行けないからな」
「グァ……」
「そういうわけだから、食事をしたいなら他を当たってくれ。うちよりもっと食料溜め込んでいる家はいっぱいあるからさ」
12
あなたにおすすめの小説
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
説明は初めの方に詰め込んでます。
えろは作者の気分…多分おいおい入ってきます。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫だと……思います(?)
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
5/25
お久しぶりです。
書ける環境になりそうなので少しずつ更新していきます。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる