転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第31章~おかしな仲間?~

第24話

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「まあ無事ならよかったけど、オオカミがそのまま逃げ帰るなんてことあるんだね」
「例のカメがバリアを張ってくれたからな。あんなのが張られていたら、襲いたくても襲えないだろうよ」
「バリア?」

 アクセルは簡単に事情を説明した。

 例のカメにずっと付き纏われていたこと、今まで付き纏っていた理由、ついでにカメが流暢な言葉を発していたことも暴露した。

「ふーん……? あのカメくんがねぇ……?」
「妙なヤツだったけど、敵意はなかったからよかったよ。食べる物さえ確保できれば、本人は満足みたいだしな」
「……そう? あまり満足しているようには見えないけど」
「は?」

 兄がベランダに続く窓を指し示す。

 嫌な予感がしてそちらに目をやったら、案の定例のカメが窓越しにじっとこちらを見つめていた。暗闇の中からだったので、ちょっとホラーだった。

「えええ!? 何でまだついて来ているんだ!? もう用事は済んだだろう?」
「ご飯食べたかったのかな。お前と一緒にいれば、好きなだけ食事できるって味を占めちゃったのかもね」
「そんな……。うちだってかなりギリギリなのに」

 アクセルは慌てて窓を開け、カメと対面した。そして膝を折り、カメに視線を合わせて真剣な口調で言った。

「申し訳ないけど、これ以上きみに分けてあげられる食料はないんだ。俺たちも食事しないと生きて行けないからな」
「グァ……」
「そういうわけだから、食事をしたいなら他を当たってくれ。うちよりもっと食料溜め込んでいる家はいっぱいあるからさ」
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