転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第32章~事の真相~

第96話

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 ――よし、じゃあ俺も……。

 アクセルも手近にあった丸太を担ぎ、気合いを入れて狂戦士モードに突入した。

 そして水の中に入り、兄の隣に居座る。

「俺もやる。どっちがより長く続けられるか、勝負だな」
「おや、挑戦状かい? いいね、そういうのも久しぶりだ。まだまだお前には負けないよ」

 にこりと微笑むと、兄は再び前を向いて滝に打たれた。アクセルも負けじと滝の水圧に耐え続けた。

「え、ええと……二人共、無理しないようにね?」

 見守っているバルドルはだいぶ引いているみたいだが、これが戦士の修業だ。気にしてはいられない。

 そうして何分か滝に打たれていたのだが、しばらくして急に身体が重くなってきた。

 ――う……キツくなってきた……。

 冷たさは感じていないから、狂戦士モードは途切れていないはずだ。

 ならばこれは、丸太と滝の重みが身体に蓄積してきた証拠だろう。痛みや冷たさは感じなくても、身体へのダメージはそのまま残るのだ。

 先程から膝もぷるぷる震えているし、全身が硬くなって動けない。指先の感覚もなくなってきた。

 あ、これヤバい……倒れそう……。

「……あっ……」

 とうとうバランスを崩し、バシャーンと冷水の中に転倒してしまう。

 転んだ拍子に丸太の下敷きになり、そのままぶくぶく水の中に沈んでしまった。

 上手く身体を動かせず、動揺して水を飲み込んでしまい、更にパニックになって狂戦士モードすら解除されてしまう。

 途端、全身に刺さるような冷たさが襲い掛かってきて、アクセルはいよいよ頭が真っ白になった。
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