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第32章~事の真相~
第103話
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それなら細かい罠など気にせず、思いっきり暴れられるんだが……なんて考えていると、唐突にバルドルが怪訝な顔をし出した。
「……ところで、何か焦げ臭くない?」
「……あっ、やば! 鍋に火かけっぱなしだった!」
慌ててキッチンに駆け込み、煮立っているカレー鍋の火を止める。スープカレーにしようと思ったのに、かなり水分が飛んで焼きカレーみたいになってしまった。鍋もちょっと焦げている。
仕方がないのでまた少し水を加え、ルーの塊を溶かし直した。焦げのせいでだいぶ香ばしい匂いがしたが、「そういう料理なんだ」とごまかして夕食に出した。
***
その日の夜は話し合いの末、アクセルは兄のベッドで一緒に寝ることになった。
「毎日私ばっかりベッドを使ってるのは申し訳ないから、今日は私がソファーで寝るよ」
「いや、そんな……。俺はどこでも寝られるんで、バルドル様は俺のベッド使ってください」
「でもソファーじゃ身体の疲れがとれないんじゃない? 今日はみっちり鍛錬してたし」
「ああ、じゃあ私たちは同じベッドで寝ますよ。それならいいでしょう」
「えっ!?」
兄の発言に驚いたのはアクセルの方だった。
――兄上と同じベッドで……? 何かちょっと嫌な予感がするんだが……。
普通に添い寝するだけなら万々歳なのだが、今朝も「おはようセックス」をほのめかしてきたし、あまり安心できないんだよなぁ……。
少し心配していたら、兄が寝る前にホットミルクを作ってくれた。ハチミツ入りの美味しいやつだ。
これはあまり眠れない時に飲むものだから、きっと今夜は何もせずに普通に寝るつもりなのだろう。それならよかった。
「……ところで、何か焦げ臭くない?」
「……あっ、やば! 鍋に火かけっぱなしだった!」
慌ててキッチンに駆け込み、煮立っているカレー鍋の火を止める。スープカレーにしようと思ったのに、かなり水分が飛んで焼きカレーみたいになってしまった。鍋もちょっと焦げている。
仕方がないのでまた少し水を加え、ルーの塊を溶かし直した。焦げのせいでだいぶ香ばしい匂いがしたが、「そういう料理なんだ」とごまかして夕食に出した。
***
その日の夜は話し合いの末、アクセルは兄のベッドで一緒に寝ることになった。
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