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第8話 第四章 アイサキユズキ
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ユズキ、という名前で呼ばれるのが、特別好きなわけじゃない。ただ、名字で呼ばれるよりはましだというだけで。
自分が選んだわけではないもので、自分を規定されるのが嫌だった。女だから。子供だから。あの辺りに住んでいるから。そういったもの。
なぜ他の人は平気なのか、不思議で仕方が無かった。
近所のおばさんなどと普通に笑いながら会話をしていても、「ユズキちゃんはもう中学生になったのねえ」と言われただけで、あたしは「なりたくてなったのではありません」と癇癪を起しかけた。変わり者だと、評判になった。
二つ上の姉さんは、あたしとは全然違った。何を言われてもありのままに受け止めて、柔らかく笑う。本当にこの人が、自分の姉なのかといつも疑った。
あたしの方が客観的に見て容姿は優れていたけど、男の人からよく告白されるのは姉さんの方だった。姉さんはいつも譲る側。色んな人に頼られ、負担が大きくなれば、また別の誰かが姉さんを助ける。これは女の生き方の、一つの手本だと思った。
姉さんを見習って、ひとまずあたしは、癇癪を起こすのをこらえるように努力した。金切り声を上げたくなった時こそ微笑んで、素直にうなずく。それだけであたしはあっという間に人気者と化し、同級生からも先生からも一目置かれるようになった。
姉さんは、あたしが十五歳の時に妊娠した。そして、父親の名前を言わなかった。ずっと物分かりの良い子だった姉さんが、この時だけは、
「絶対に産む。何が何でも、私が育てる」
と言い張った。何かを譲るまいとする姉さんを見たのは、初めてだった。
その姉さんが夜煌蟲に襲われたのは、妊娠六カ月の時だった。あたしと一緒にマタニティドレスを買いに行って、帰りが遅くなった夜。油断を突かれて、一瞬のことだった。電柱の陰から現れた緑色の光が幾筋も、姉さんの口から体内に飛び込んで行った。
夜煌蟲は体の外にいればつまみ取ることもできるけど、一度体内に入られれば外科的手法では取り除けないし、効く薬も無い。
ほんの一瞬の油断で、姉さんの運命は決まってしまった。
姉さんは、
「どうしようね、……」
と、こんな時なのに、青ざめながら微笑んでいた。
母が一昼夜かけて色んな所に問い合わせても、有効な手段は見つからなかった。とにかく死んでしまわないように、姉さんをベッドに縛り付け、舌を噛まないようにタオルで猿轡をする。辛いけど、仕方がなかった。そして、産まれて来る子供をどうしたらいいのか、誰も分からなかった。
何かおかしい、と母が言い出したのは、姉さんが蟲を飲み込んでから三日経った頃だった。姉さんに、自殺衝動が全く見られなかったのだ。
姉さん自身も、きょとんとしていた。死にたい気持など、全く起こらない。むしろ、出産と育児のための準備ができないことに気が焦る一方だという。生きたい気、満々だった。
私達は試しに、姉さんをベッドから解放してみた。
姉さんは、今までと全く変わらない日常生活を送った。夜煌蟲に襲われたことなど、何かの間違いだったのではないかと思えるくらいに。こんなことは、聞いたことが無い。
姉さんが野次馬にちょっかいを出されないよう、このことは家族の外には誰も話さなかったけど、あたしは心の底から驚いていた。
「私の赤ちゃんのお陰かもしれないね。理屈は分からないけど、妊娠中は蟲の影響を受けなくなるとかさ。だって私、他に思い当たる節が無いもの。この子はやっぱり、私に奇跡を連れて来てくれたんだよ。分かってたんだ、そういうの」
姉はそう言って、えへへと締まりなく笑いながら、大きくなって行くお腹を撫でた。「そんな都合のいい話があるわけ無いでしょうが」と言いたくなったけど、原因が不明のままなので、あたしも、もしかしたらそうかもしれない……と思いもした。
そうこうしている間に、出産の日はやって来た。あまりに何事も無いので、夜煌蟲のことなどいつしか忘れてしまっていた。
その日は運良く土曜日の昼間だったので、あたしは、病院の分娩室に入っていく姉を見送った。
何時間経っただろう。すっかり、日が暮れた頃。
手術室の中から、大声が聞こえた。子供の鳴き声ではない、大人の悲鳴。分娩室の前のソファに座っていたあたしは、腰を上げた。
一人の看護士さんが、血相を変えて、分娩室から飛び出て来た。全身をバタバタと叩いて、何かを払い落すような格好をしている。
嫌な予感が、頭の中に弾けた。
あたしは、分娩室の中に飛び込んだ。
姉さんが、足を広げて分娩台に寝ている。
台の下に、小さな赤黒い固まりが落ちていた。緑色の光を、吐き散らしながら。
その横で、巨大な緑色の繭をいくつも上半身にまぶした産科医らしいお医者さんが、医療器具らしいハサミのようなものを喉に突き立てて痙攣していた。もう一人、こっちも蟲まみれの別の看護士さんが、床を這う黒いコードを首に巻き付けて、自分で締めている。
大急ぎで、人を呼んだ。
何人もの人が駆け込んで来て、その時ようやくあたしは、床に落ちていた赤黒いものが、自分の右手を口の中に突っ込んで必死に窒息死しようとしている、――産まれ落ちたその瞬間に、死のうとしている――姉さんの赤ちゃんだと分かった。
赤ちゃんはそのまま、死んだ。最初の誕生日が、命日になった。
あの病院の人達がその後どうなったのかは、よく知らない。
結論から言えば、姉さんの推測は正しかった。当時はまだ実例が少なくてあまり知られていなかったけど、妊娠中に夜煌蟲が体内に入ると、母体そっちのけで胎児に蟲が巣食う。数ヵ月後、母親のお腹の中でたっぷりと繁殖した蟲は、出産とともに外界へ躍り出る。
姉さんは、出産とともに体内の蟲を吐き出した後、母体には耐性でもできるのか、夜煌蟲に改めて取り憑かれることはなかった。
手当てをして、家に帰って来た姉さんはひどく弱っていたけど、数日もすれば歩き回れるようになった。
そして、出産からちょうど十日後、家から少し離れた所にある高いビルのてっぺんから、飛び降りて死んだ。
夜煌蟲の影響ではなく、確実に自分の意志で。
あたしには、きっと事前にそれを知っても、姉さんを止められなかっただろうと思う。
――早く、死なせてあげたい。
帰宅直後の、体温を失くした抜け殻のような姉さんを見ていて、そう思ったから。
――死ぬのって、そんなに怖いかな。
断絶は、同時に、人によっては救いなんじゃないのかな。
きっと、――……
――……そうだ。生きている方が、もっともっと、ずっと……。
姉さんのお葬式は、雨だった。
あたしは悲しみよりも、虚脱感とか疲労感とか、そういったものにじめじめと埋もれて、ただ時間が過ぎるのを待っていた。
中学の担任の先生が、お焼香に来た。先生は、姉さんの中学時代も担任だったらしい。
先生を見て、姉さんの過ごした時間がどんなものだったのか、ぼうっと考えた。すると、自然に涙が出た。
先生があたしの頭を、子供にするように撫でた。
あたしはそんな姿を人に見せたことはなかったので、先生も驚いていた。
でも、涙は止まらなかった。
自分が選んだわけではないもので、自分を規定されるのが嫌だった。女だから。子供だから。あの辺りに住んでいるから。そういったもの。
なぜ他の人は平気なのか、不思議で仕方が無かった。
近所のおばさんなどと普通に笑いながら会話をしていても、「ユズキちゃんはもう中学生になったのねえ」と言われただけで、あたしは「なりたくてなったのではありません」と癇癪を起しかけた。変わり者だと、評判になった。
二つ上の姉さんは、あたしとは全然違った。何を言われてもありのままに受け止めて、柔らかく笑う。本当にこの人が、自分の姉なのかといつも疑った。
あたしの方が客観的に見て容姿は優れていたけど、男の人からよく告白されるのは姉さんの方だった。姉さんはいつも譲る側。色んな人に頼られ、負担が大きくなれば、また別の誰かが姉さんを助ける。これは女の生き方の、一つの手本だと思った。
姉さんを見習って、ひとまずあたしは、癇癪を起こすのをこらえるように努力した。金切り声を上げたくなった時こそ微笑んで、素直にうなずく。それだけであたしはあっという間に人気者と化し、同級生からも先生からも一目置かれるようになった。
姉さんは、あたしが十五歳の時に妊娠した。そして、父親の名前を言わなかった。ずっと物分かりの良い子だった姉さんが、この時だけは、
「絶対に産む。何が何でも、私が育てる」
と言い張った。何かを譲るまいとする姉さんを見たのは、初めてだった。
その姉さんが夜煌蟲に襲われたのは、妊娠六カ月の時だった。あたしと一緒にマタニティドレスを買いに行って、帰りが遅くなった夜。油断を突かれて、一瞬のことだった。電柱の陰から現れた緑色の光が幾筋も、姉さんの口から体内に飛び込んで行った。
夜煌蟲は体の外にいればつまみ取ることもできるけど、一度体内に入られれば外科的手法では取り除けないし、効く薬も無い。
ほんの一瞬の油断で、姉さんの運命は決まってしまった。
姉さんは、
「どうしようね、……」
と、こんな時なのに、青ざめながら微笑んでいた。
母が一昼夜かけて色んな所に問い合わせても、有効な手段は見つからなかった。とにかく死んでしまわないように、姉さんをベッドに縛り付け、舌を噛まないようにタオルで猿轡をする。辛いけど、仕方がなかった。そして、産まれて来る子供をどうしたらいいのか、誰も分からなかった。
何かおかしい、と母が言い出したのは、姉さんが蟲を飲み込んでから三日経った頃だった。姉さんに、自殺衝動が全く見られなかったのだ。
姉さん自身も、きょとんとしていた。死にたい気持など、全く起こらない。むしろ、出産と育児のための準備ができないことに気が焦る一方だという。生きたい気、満々だった。
私達は試しに、姉さんをベッドから解放してみた。
姉さんは、今までと全く変わらない日常生活を送った。夜煌蟲に襲われたことなど、何かの間違いだったのではないかと思えるくらいに。こんなことは、聞いたことが無い。
姉さんが野次馬にちょっかいを出されないよう、このことは家族の外には誰も話さなかったけど、あたしは心の底から驚いていた。
「私の赤ちゃんのお陰かもしれないね。理屈は分からないけど、妊娠中は蟲の影響を受けなくなるとかさ。だって私、他に思い当たる節が無いもの。この子はやっぱり、私に奇跡を連れて来てくれたんだよ。分かってたんだ、そういうの」
姉はそう言って、えへへと締まりなく笑いながら、大きくなって行くお腹を撫でた。「そんな都合のいい話があるわけ無いでしょうが」と言いたくなったけど、原因が不明のままなので、あたしも、もしかしたらそうかもしれない……と思いもした。
そうこうしている間に、出産の日はやって来た。あまりに何事も無いので、夜煌蟲のことなどいつしか忘れてしまっていた。
その日は運良く土曜日の昼間だったので、あたしは、病院の分娩室に入っていく姉を見送った。
何時間経っただろう。すっかり、日が暮れた頃。
手術室の中から、大声が聞こえた。子供の鳴き声ではない、大人の悲鳴。分娩室の前のソファに座っていたあたしは、腰を上げた。
一人の看護士さんが、血相を変えて、分娩室から飛び出て来た。全身をバタバタと叩いて、何かを払い落すような格好をしている。
嫌な予感が、頭の中に弾けた。
あたしは、分娩室の中に飛び込んだ。
姉さんが、足を広げて分娩台に寝ている。
台の下に、小さな赤黒い固まりが落ちていた。緑色の光を、吐き散らしながら。
その横で、巨大な緑色の繭をいくつも上半身にまぶした産科医らしいお医者さんが、医療器具らしいハサミのようなものを喉に突き立てて痙攣していた。もう一人、こっちも蟲まみれの別の看護士さんが、床を這う黒いコードを首に巻き付けて、自分で締めている。
大急ぎで、人を呼んだ。
何人もの人が駆け込んで来て、その時ようやくあたしは、床に落ちていた赤黒いものが、自分の右手を口の中に突っ込んで必死に窒息死しようとしている、――産まれ落ちたその瞬間に、死のうとしている――姉さんの赤ちゃんだと分かった。
赤ちゃんはそのまま、死んだ。最初の誕生日が、命日になった。
あの病院の人達がその後どうなったのかは、よく知らない。
結論から言えば、姉さんの推測は正しかった。当時はまだ実例が少なくてあまり知られていなかったけど、妊娠中に夜煌蟲が体内に入ると、母体そっちのけで胎児に蟲が巣食う。数ヵ月後、母親のお腹の中でたっぷりと繁殖した蟲は、出産とともに外界へ躍り出る。
姉さんは、出産とともに体内の蟲を吐き出した後、母体には耐性でもできるのか、夜煌蟲に改めて取り憑かれることはなかった。
手当てをして、家に帰って来た姉さんはひどく弱っていたけど、数日もすれば歩き回れるようになった。
そして、出産からちょうど十日後、家から少し離れた所にある高いビルのてっぺんから、飛び降りて死んだ。
夜煌蟲の影響ではなく、確実に自分の意志で。
あたしには、きっと事前にそれを知っても、姉さんを止められなかっただろうと思う。
――早く、死なせてあげたい。
帰宅直後の、体温を失くした抜け殻のような姉さんを見ていて、そう思ったから。
――死ぬのって、そんなに怖いかな。
断絶は、同時に、人によっては救いなんじゃないのかな。
きっと、――……
――……そうだ。生きている方が、もっともっと、ずっと……。
姉さんのお葬式は、雨だった。
あたしは悲しみよりも、虚脱感とか疲労感とか、そういったものにじめじめと埋もれて、ただ時間が過ぎるのを待っていた。
中学の担任の先生が、お焼香に来た。先生は、姉さんの中学時代も担任だったらしい。
先生を見て、姉さんの過ごした時間がどんなものだったのか、ぼうっと考えた。すると、自然に涙が出た。
先生があたしの頭を、子供にするように撫でた。
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