君の『色』は…

親の目を盗んで

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一章

自己紹介

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「よし、全員席に着け!」

恐らくこのクラスの全員が集まったのだろう。杉山先生が声を張り上げる。

…やはり感情が見えないのは九重さんだけだな。彼女に何かあるのかもしれない。

「まずは、初めまして。このクラスの担任を任された、『杉山 透』だ。一年間よろしく頼むよ。」

「えと、初めまして、皆さん。私は『松本 愛子』と言います。まだ教師歴は二年目ですが、このクラスの副担任を務めさせていただきます。頼りないかもしれませんが、一生懸命、頑張りますので!よろしくお願いします!」

杉山先生の隣に中学生くらいの女性がお辞儀をしている。副担任らしい。男子生徒が騒めく。

「お、おい、めっちゃ可愛くねえか?」

「身長低い~、顔ちっちぇ~。」

「おい、あそこはでけぇぞ。」

「今、揺れたよな?」

「あれが本物の巨乳合法ロリか…(ボソッ)」

…言いたい放題だな。まあ、俺のそういう感情は壊れているのだろう。

今まで言っていなかったが、そして今も言いたくはないのだが、言おう。言わねばなるまい。

『僕』は、母に虐待されたからか、心のどこかで女性を恐れている。そのため、…なのだ。(ボソッ)

え?聞こえなかった?もう一回言えって?ああ、もう、あと一回しか言わねえぞ?よく聞けよ?俺は、勃起不全なんだ…

なあ、満足か?

いや、別に使うかどうかの話じゃねえんだ。ただ、ひたすらに虚しさが溢れるんだよ。これ。

はあ、もういい。さっさと帰って寝よう。どうせ今日は昼までに終わるんだ。

「はい、静かに!それでは一人ずつ、簡単な自己紹介をしてもらう。最初は、新城からだ。」

杉山先生がそう言った。

「皆さん初めまして。俺は『新城 翼』だ。よろしく。」

俺はこう言って座った。

「え!?カッコよくない?ね、ね、後で声掛けに行こうよ。」

「うん…」

「あれ?どしたの?」

「うん…」

「まさか、ガチ惚れしちゃったの!?」

「うん…」

「マジか…」

「うん…」

騒々しい。俺は女に興味が無い!…いや、強いて言うなら九重さんか。なぜ彼女の感情が見れないのか、今はそのことで頭がいっぱいだ。色々調べてみるか?

「はい、次。」

杉山先生が九重さんに視線を送って言う。

「はい。皆さん、初めまして。私は『九重 咲良』と申します。これから一年間、よろしくお願いします。」

九重さんが見事なお辞儀をする。…やはりどこかのお嬢様だったりするのかね?

「え!?九重って、まさか、九重財閥じゃないよね?」

「あ、でも、聞いたことある。この学校にお偉いさんの子供が来るって。」

「わ~、綺麗~。」

「素敵ね~。『お姉さま』って呼ぼうかしら。」

…調べるまでもなかったな。九重財閥か。まさに大手の企業だな。

簡単に家まで尾行するか、と思ったが、止めておいた方がよさそうだ。

「じゃあ、次は私かな。私は…」

さて、いきなり手詰まりか。…まあ、せっかくだ。彼女とは親しくなっておいた方が良いだろう。表向きだけだけどな。











…とはいえ、俺は彼女の感情が見えない。ゆえに、どう話せばいいのかがよく分からなくなっていた。いつもは感情を見て、気分が良いときに話しかけ、面倒だと思われる前に話を終わらせていた。

この話し方が全く通用しない。そもそも見えないからな。

…まあ、初日から焦ることは無い。時間はあと一年もあるんだ。ゆっくり、じわじわと、距離を詰めていくとするかね。

言い訳とかじゃないよ?ホントダヨ?

その後、俺は施設に帰り、早めに寝た。
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