崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第五話 荒野のスカベンジャー!

いきなり特訓⁉︎

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「コホン……ナガレ、どんな特訓をしていたんだ」
「そりゃスキルを手に入れる特訓だろ! あったり前金ふりふりじゃねーか!」
「どう言う意味だその言葉は……というか違う、そういうことじゃない。具体的にはどんなことをしていたんだ」
「あーそう言うことね。そりゃあ、アレを使ってたんだ」
 ナガレが指さした先には一メートルくらいの大きさである、組み立て式バリスタみたいな兵器があった。バリスタとは異世界にも存在する設置型兵器で、一言で表現するならば『デカくて超強力な弓』である。バネを使って大きい矢を引き絞り発射するため、人間の弓より強いパワー・貫通力を持つが、一方巨大なため移動が難しく、複数人の利用が基本でもある。
「なんだ、あれは……?」
 訝しむジョーの後ろから、クタクタに疲れ果てたアリッサがやってくる。
「ぜえぜえ……も、もう吐かないもん。ほ、ほぼ毎日のぼってるもん……うぷっ」
「ねーちゃん大丈夫か? あとアレは俺があげたバリスタだぞ」
「俺があげた? どういうことだ」
 ジョーが振り向くと、ルックは「ふっふっふ~」と得意げに胸を張った。
「この前となりの地方まで行ったんだが、そん時にそのバリスタが廃棄されているのを見つけてな。部品にガタが来て威力が落ちたから捨てられたのを、オレが安値で引き取ったってワケ」
 なるほど、いきさつはなんとなく理解できた。しかし分からないのは、なぜナガレがバリスタを持っているかだ。町を守るため配備したり治して売り払ったりするのではなく、かといって攻城兵器を冒険者が運用するのは難しい。まともなバリスタ用の矢は高価だし、矢はブレるから狙撃なんて出来ないし、組み立てている間に見つかればまず壊されてしまう。
 首を捻っているジョーに気づいたナガレが、さも当然のように爆弾発言をした。

「ああ、アレを自分にぶっ放して、それを弾いて防御を鍛えてるんだ」
「………………は?」
 
 言葉の意味がよく分からない。
「え、聞こえなかった? アレを自分に……」
「いや……いや、聞こえている。意味が分からなかっただけだ」
「そっか。なら見てくれよ! ちょっと離れててくれ」
 ジョーとアリッサを広場の端っこに押しやり、ナガレはバリスタの前に立った。その後ルックがぽてぽて走って、バリスタの操作に移る。
「よし、来いっ!」
「うっしゃ、行くぞおらあっ!」
 ルックは極太の弓矢……ではなく、何やら中身が入ったズタ袋をセットする。そしてバネを巻き、弓を引き絞った。
「あの中には砂が入ってるぞ、当たっても『ちょっとだけ』痛いけど、練習にぴったりだったからな」
 ナガレが説明してくれる。ジョーはナガレのいう『ちょっとだけ』について考えてみた。……彼にとっては痛いで済んでも、多分同じことをアリッサがしたら空の果てまで吹き飛ぶかもしれない。
「でもルック、よく引けるねー。重くないの? というかそんなおっきい兵器なら、いくらナガレ君でも即死しちゃわない?」
「バネで引いてるから大丈夫だ。それに威力がえらく下がってんかんな、これじゃまともな弓使っても犬っころ一匹倒せねえぞ。弓の弦も劣化して射程も短いしさぁ……」
 アリッサの質問に答えながら、ルックはナガレに狙いを定める。
「行くぞ、ナガレ! これで三十八回目だぁ!」
「来いルック! あとこれは四十回目だぞ!」
 そう言ってナガレがマルチスタッフを構える。ルックはそれを見て手元のバネを固定し……留め具を外した。
 パシュッッッ!
 鋭い音とともに、勢いよく砂袋が発射された! ナガレは素早くマルチスタッフを動かし、後ろへ受け流そうとする……。
 が、やっぱり駄目だった。
 ゴスッ!
「ぐへぇ~~っ!」
 顔面に激突して、ナガレは地面と平行に吹っ飛んだ。そのままゴロゴロ転がって、今度は広場の木にぶつかる。
 バサバサバサ……。
 木に止まっていた鳥が驚愕して一斉に飛び立ち、落ちてきた葉っぱでナガレが埋もれてしまった。

「ぎゃーっ!? ナガレく~ん!?」
 真っ青になったアリッサが救急箱を放り出して走る。ジョーは茫然として立ち尽くしていた。
(こ、これが特訓……馬鹿なっ! 普通特訓と言えば、筋力トレーニングだったり武器の素振りだったり魔法の連続発射だったりするだろ! 低威力とはいえ、自分に向かってバリスタを撃つのはただの自傷行為だ……!)
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