崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第八話 炎の化身

反撃開始

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「仲間を、信じる……」
 太陽のような笑みを見て、ヒズマは沈黙する。それと同時に、今までの特訓の光景が蘇る。ジョー・ナガレと共に厳しい特訓を重ねて、飛ぶ斬撃を発明したことを……。
(……そうだわ、私だってこんなダサいまま終わりたくない……。ナガレ君はこんな私を信じてくれていたのね。ガラガラマムシの時も、今回もずっと……)
 そして心の中で、硬い決意を結ぶ。
(その気持ちに答えたい……ここでヒヨってたら冒険者の名折れよ~っ!)
 自分の頬をパンパンと軽く引っ叩き、闘志を高める。それを見たナガレもニッと笑って、マルチスタッフを構えた。
「みんな、行こう! バッファロー魂……ってのもヘンだな」
「ナガレ。バッファローとは一部地方で『猛牛』と言う意味があるぞ」
「そうなのかジョー? よっしゃ、なら……オレたちの猛牛魂見せてやろうぜ!」
「「おおーっ!」」

「ううっ、俺様だけ逃げるわけには行かないようだ。でも何もできることないんだが……」
 泣きそうな顔のケンガもロッドを構え、ついに戦闘態勢が整った。それと同時にサラマンダーもようやく煙を振り払い、ナガレたちを捕捉したようだ。
「ガァァァッ!」
 興奮は全く冷めることなく、むしろ激化して突撃してきた! 猛進するタックルを左右に回避する。ナガレはすれ違いざま尻尾に向かって、渾身の振り下ろしを放つ!
「せぇりゃあっ!」
 バシッ!
「グ……ガァァッ!」
 やはり尻尾は大したダメージにならないらしく、ほとんど怯まず尻尾でペチンと薙ぎ払われた。しかしそれをマルチスタッフで防御して、後ろに下がりつつ離脱する。それと同時にジョーも尻尾を切りつけ、素早くバク宙で距離をとった。
「やっぱ尻尾じゃ、向こうも大した攻撃は出来ないみたいだな」
「とはいえ燃えている部位に攻撃は出来ねえ。遠距離攻撃のヒズマとケンガが頼みの綱だぜ」
 ナガレとタネツが話す隙に、サラマンダーが急に突進をストップした。直後、高スピードの火球を吐き出す。狙いはヒズマだ!
「ガァァッ!」
 ゴォォォォッ!
「きゃあっ⁉︎」
 ヒズマはダッシュで距離を取り、地面に身を投げ出し回避する。
「いったぁ……今度はこっちの番よ~!」
 振り向きざま剣を掲げて振り下ろし、飛ぶ斬撃を出そうとする……が、直前まで走っていたことあり、十メートルほども離れてしまっている。
「待てヒズマ! そんな所から撃っても威力が……」
 ケンガが止めようとするが、その時ジョーは何かを閃いたようだ。
「……待てよ、確かヒズマさんのスキルは……はっ、そうか!」
「行けぇっ! 飛ぶ斬撃ぃッ!」
 バシュッ!
 そうして放たれた、半円を描く斬撃。硬直中のサラマンダーにまっすぐ向かっていくが、距離があるため途中で減速していく……と思いきや。
「あ! ど、どんどん加速しているぞ!?」
 ナガレが驚きの声を漏らす。その通り、斬撃は減速するどころか加速していく! そのままサラマンダーの炎をかき分け顔面を切り裂いた。
 ザシュッ!
「グェーッ!?」
 鼻っ面をぶった切られ、悲鳴を上げて仰け反るサラマンダー。何と距離が離れたことで、かえって威力が増している!
「やはりか!」
「ジョー、どういうことだ!?」
「……ヒズマさんのスキルは『遠距離強化』だろう。距離が離れると技の威力が上がるんだ。あの位置から飛ぶ斬撃を放ったことによって、スキルの効果が乗りパワーアップして、今まで通用しなかった斬撃の威力が上がったんだ」
 器用にサラマンダーの反撃を回避しながら解説するジョー。ヒズマは自分のスキルが生かされた瞬間を見て、飛び跳ねて喜んだ。
「やった、やった~! 飛ぶ斬撃が通用したわ~!」
「流石だぜヒズマ! 俺たちも負けてらんねえ!」
 タネツも奮起したその時、またもサラマンダーが咆哮する。
「ガァァァァァァァァァァッ!」
 そして長々とブレスを吐き出した。必殺の薙ぎ払いブレスだ!
「……ッ! まずい、避けろ!」
 ジョーの声に反応して、一斉に回避の姿勢を取るナガレたち。……だが、それに遅れた者が一人いた。

「ひ、ヒズマさん! 危ない!」
「……え?」
 油断していたヒズマだ。
「まずいっ、みんな俺の後ろに隠れろ!」
 タネツがそう叫び、タワーシールドをドカッと構える。
「くっ、頼む……!」
 バシッ!
「グへ!?」
 ジョーはケンガを蹴飛ばしてタネツの方へ押しやり、自分も後ろに隠れた。しかし……なんとナガレがヒズマの方へ走り出す!
「あーっ!?」
「ナガレ! 止せ!」
 ジョーが止めても間に合わない。サラマンダーの火炎ブレスが迫る中、ナガレがヒズマに飛びつき……。

 ゴォォォォォッ!

「な……ナガレ! ヒズマぁーーっ!」
 そのまま炎に飲み込まれ、見えなくなった。
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