崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第十五話 リトル・ドラゴンスレイヤー

試作品

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　そのままジョーとしばらくお菓子タイムを楽しみ、その後は何事もなく次の日になった。

「こんちゃー、ギン爺。出来てるかい？」
「おう、ナガレか。ちゃんと強化しておいたぞ」
　ナガレはギン爺の加工屋を訪れていた。朝っぱらから猛火を灯していて、この辺りだけは冬でも暖かい。
　ギン爺が指差した先には、防具立てにつけてあったナガレのライトアーマーがあった。小さな傷がたくさんあったのもちゃんと修復されて、ピカピカ銀色に輝いている。
　マルチスタッフも、その近くにあった台の上に固定されていた。
「うわ……すげぇ！　やっぱギン爺ってすごいや。あんなボロっちい鎧がこんなになっちゃったよ！」
「ガハハ、こんなもん基本中の基本じゃい！　……そうそう、マルチスタッフの煙幕機能も追加しといたぞ」
　そう言ってギン爺はマルチスタッフを手に取り、操作の説明を始める。
「よいか、ここをこう捻って……」
「え、ここでやってもいいの⁉︎」
「あ、しま……」
　
　ぶっしゅーーーー！

「「ぎょわーーーーっ！」」

　モクモクモクモクモクモク……。

　町の一角から急に真っ白な煙が吹き出して、バッファローの町では消防隊(隊員三名)が出動する事態となり騒然としていた。ギン爺とナガレが各方面に謝罪して回って事なきを経たが……。
　一時間後くらいに、また加工屋は戻ってきた二人。
「……効果の方は確かみたいだ。煙の中じゃ何も見えなかったよ」
「す、すまん。お前さんにまで謝ってもらって……」
「良いってことさ、一応頼んだのもオレだし。それよりまだ紹介を続けてよ」
「よし。改めて、ここをこうグイッと捻るんじゃ。そうするとこちら側から煙が噴き出す。枯れ草を固めたのを燃料にして燃やしとるんじゃ。だから一回使い切りじゃぞ。無くなったらまた言ってくれ」
「サンキュー！」
　ナガレが満足して鎧を受け取ろうとすると「待て！」とギン爺の静止が。
「ん、まだ何かあんの？」
「たわけめ。属性のことを忘れたか！　たーんと準備しとるわい」
「え、マジ⁉︎」
　正直忘れていたが、ありがたい知らせだ。ギン爺はマルチスタッフを手に取り、真ん中近くにあった、緑色の回復魔石を取り外す。
「こいつをこうして……っと」
　カシャッ！
　すると引き出しから石を取り出して、台座にセッティング。ルビーのように真っ赤な赤い石だ。
「こいつは炎の魔法石！　どんな素人でも、熱を加えれば簡単に火を起こせる便利アイテムじゃ。だがこいつを武器にセットすると、武器が燃え上がって炎属性を纏う」