崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十七話 ハト・スタンピード!

金持ちとは、こういう物

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「あ、そっか。ワッカーサは確か鳥肉が苦手なんだよね。食べたら頭が痛くなって息が苦しくなるんだっけ」
 センチアの言葉にワッカーサは頷いた。それはおそらく嫌いというよりアレルギーの類だが、この世界ではまだ理解されていなかった。
「んじゃあーしらだけで行ってくるね~! 後でなんか買って来たげるから、お留守番よろぴくし~」
 そう言って「じゅるり……」と舌なめずりするセンチア。お腹を空かせた彼女は、獣人以上のケモノの眼差しだった。

「あ、あの、叔母さま……父上は『村の冒険者を呼んできてくれ』と……」
 不安そうにシャルロットと話すグレッグ。
「……ええ、大丈夫。私は『村の冒険者』とは聞いたけれど『ドルーシバだけ』を呼んでこいとは言われていないわ。安心して。何かあったら私のせいにしていいから」
「は、はぁ……」
 合点は行かずとも、親愛なる叔母シャルロットの頼みならと納得したグレッグ。だがその代わりにおずおずと尋ねて来た。

「あの、叔母さま……どうしてそんなに、あのバッハローの冒険者皆様に肩入れするのでしょう。何か事情があるのですか?」
「イントネーションが少し違うわ。バッファローよ。……だって彼ら、面白いじゃない。見ているだけでも飽きないわ」
「……叔母さま、もしや娯楽が少ないから、彼らを観察して楽しんでいるのでは?」
「……フフッ、どうかしら」
 なかなか意地悪ながら的を得ている予測だったが、シャルロットはちょっと意地悪に笑っただけだった。

~☆~☆~☆~☆~☆~

 という訳で豪邸にやって来たナガレご一行。十人ちょっとの大所帯だ。
「おお来てくれたかドルーシバの諸君……ん?」
 すぐに出迎えたハーバードだが、あまりの多さにギョッとして立ち止まった。
「な、なんだお前たちは」
「ご飯いただけるなんて嬉しいです! ありがたき幸せ!」
 適当な敬語で返すセンチア。ナガレたちが止める間もなかった。
「なんだとぅ~⁉︎ ……ハッ! それは残念だが、私が呼んだのはドルーシバの諸君だけだ。彼らはこれからのキンテツ村を背負う期待のホープだからな。貴様ら偏屈冒険者どもは呼んでいないんだよ!」
「……あん?」
(よせよタネツさん、相手は領主様だぞ)
「だから諸君らは安いメシでも食べていたまえ。君たちに食わせる飯などない!」
 そう言い切ったハーバード。ナガレたちが嫌そうな顔して帰りそうになると、その時シャルロットが口を開いた。
「……兄上。申し訳ありません。村の冒険者を呼んでこいと指示を受けたグレッグ君を、私は手伝いたかったのです」


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