崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十九話 禍のエースストライカー

束の間の休息?

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 ふとナガレは周囲を見回し、ジョーの姿が無いことに気づいた。確かナガレとワッカーサが対峙して、その後サニーが割り込んでくれた時、屋敷の方へ走って行ったはず。きっとワッカーサを倒せるアイテムが無いか探しに行ってくれたのだろう。
 だが、姿が見えない……。そろそろ戻って来ても良い時間だと思うが。
「そういえば遅いですねぇ。私も屋敷に勝手に入ってくとこ見たんですけど」
「ナガレ君、ジョーくれえ強い奴ならきっと大丈夫だ」
「私たちはサニーを追いましょ~! 銀の武器も持ってないし聖属性も使えないけど、何かできることがあるはずだわ~」
 ヒズマにそう言われて、ナガレも頷いた。
「そうですね。……ケンガ、オレたちサニーを……ん、どした?」
「え? あ、いや……なんでも無えぞ」
「そうか? ……なんかヘンだな。何か企んでないか?」
 ケンガの雰囲気がなんか違う気がして、ナガレは立ち止まった。因縁のカナ・ダンケ(ついでにセンチアも)やナガレたちの前で大活躍したというのに、なんだか大人しい。すぐに顔に出るようなヤツなんだし、もっと嬉しそうな顔しても良いと思うが。
 するとマックィーンが前に進み出た。
「ナガレさん。僕たちはちょっと休憩するよ。君たちは仲間のところへすぐに行ったほうがいい。こうしている間にも、サニーさんは必死で戦っているかもしれない」
「そ、そうだ。立ち話してる場合じゃない! ありがとうマックィーンさん! みんな、行こう! すぐ行こう!」
 そう言ってナガレはダッシュで走っていく。
「あ、ナガレさん! 待ってくださいよぅ~……!」
 すぐさま後に続いたタネツとヒズマ、そして慌てて走り出すフローレンス。

「……行っちゃった。タフな人たちだなぁ」
 ナガレたちを見送ったダンケは、ぽつりと独り言を漏らした。嫌味ではない、純粋な褒め言葉だ。あんなに一生懸命戦って疲れているはずなのに、仲間のためにまだ走って行く。これはBランク冒険者でもそうできることではない。
 爽やかな表情を浮かべるダンケ。しかし反面、カナはショックを受けている様子だった。
「……まさかワッカーサが、あんなに悪い奴だったなんて。口数は少ないけど、酷いことはしないし……仲間だと思ってたのに」
 肩を落とすカナ。自分の仲間が誘拐犯の悪党で、しかも恐ろしい魔物ライカンスロープだったなんて信じたくはなかった。
「まーまー、ワッカーサもやるもんだったし。セコい裏切りピープルのことなんか忘れちゃえばいーよ! もうアイツ仲間じゃないなぁ」
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