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第十九話 禍のエースストライカー
ケンガの謎の挑戦
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センチアがその肩を抱き、陽気な笑顔で励まそうとした。……正直、どれだけワッカーサをディスってもカナの気は晴れないと思うが。
彼女は確かに、ワッカーサが悪人だったことを気にしている。だがそれだけではなく、彼の本性を見抜けなかった自分を恥じているのだ。
「だからカナっち気にしなくてもいーんだよー。ほらほら元気出して!」
そのまま向かい合ってぎゅーっと抱き締めても、モヤモヤした気持ちは消えない。……いや、獣人なので人間よりちょっぴり暖かいセンチアにぎゅっとされて、ちょっと気分がほぐれた気がする。
一方ケンガとマックィーンは、お互いに顔を見合わせた。
「……本当に行くつもりかい、ケンガ。今、君がやろうとしていることはただの意地っ張りだ。厳しいことを言うが、勇気と無謀は違うよ。……だからここは落ち着くんだ」
落ち着いた言葉で話すマックィーン。だがケンガはニヤリと笑った。
「落ち着く、か。……それが出来りゃあいいかもしれないけどなぁ。どうやって自分を落ち着けたらいいのか、忘れちまったよ」
余裕ぶっている感じに見えるが、額にはほんのり脂汗が浮かんでいる。彼自身も緊張している。
「だってあんな特訓、落ち着いてりゃあ出来ないもんなぁ……。俺様もガムシャラになっちゃったもんだ」
それを聞いたマックィーンは「このバカ! 素直に聞き入れてくれよ……」という代わりに「はぁ……」と、呆れたようにため息をついた。
「正直、そう言うとは思ったよ。……僕も行く。それを聞いてしまったら、リーダーとして放っておくわけには行かない。出来れば止めたいところだけど……止めても行くだろう?」
「ヘッ、まぁな。これは俺様の意地だ。強くなったところを見せてやる。俺様の力を思い知らせてやる!」
息巻くケンガは、なんと宮殿の外へ勇足で歩いて行った。その後ろで困ったように腕を組むマックィーン。だが首を横に振って、弓を担いで歩いて後を追いかけた。
(ケンガ……お前は確かに強い。だが、それを見せつけようとする姿勢はどうかと思うぞ)
心中でマックィーンは考える。ケンガの気持ちはよく分かるが……自分を強く見せようと言うのは、致命的な悪癖にもなる。
(自分に自信がつきすぎると、やがて身の程を弁えなくなる。その結果、自分より強い相手に喧嘩を売ってしまうかもしれない。相手が人間なら、挑戦して叩きのめされても流石に殺しまではされないだろう)
意気揚々と進むケンガ。
彼女は確かに、ワッカーサが悪人だったことを気にしている。だがそれだけではなく、彼の本性を見抜けなかった自分を恥じているのだ。
「だからカナっち気にしなくてもいーんだよー。ほらほら元気出して!」
そのまま向かい合ってぎゅーっと抱き締めても、モヤモヤした気持ちは消えない。……いや、獣人なので人間よりちょっぴり暖かいセンチアにぎゅっとされて、ちょっと気分がほぐれた気がする。
一方ケンガとマックィーンは、お互いに顔を見合わせた。
「……本当に行くつもりかい、ケンガ。今、君がやろうとしていることはただの意地っ張りだ。厳しいことを言うが、勇気と無謀は違うよ。……だからここは落ち着くんだ」
落ち着いた言葉で話すマックィーン。だがケンガはニヤリと笑った。
「落ち着く、か。……それが出来りゃあいいかもしれないけどなぁ。どうやって自分を落ち着けたらいいのか、忘れちまったよ」
余裕ぶっている感じに見えるが、額にはほんのり脂汗が浮かんでいる。彼自身も緊張している。
「だってあんな特訓、落ち着いてりゃあ出来ないもんなぁ……。俺様もガムシャラになっちゃったもんだ」
それを聞いたマックィーンは「このバカ! 素直に聞き入れてくれよ……」という代わりに「はぁ……」と、呆れたようにため息をついた。
「正直、そう言うとは思ったよ。……僕も行く。それを聞いてしまったら、リーダーとして放っておくわけには行かない。出来れば止めたいところだけど……止めても行くだろう?」
「ヘッ、まぁな。これは俺様の意地だ。強くなったところを見せてやる。俺様の力を思い知らせてやる!」
息巻くケンガは、なんと宮殿の外へ勇足で歩いて行った。その後ろで困ったように腕を組むマックィーン。だが首を横に振って、弓を担いで歩いて後を追いかけた。
(ケンガ……お前は確かに強い。だが、それを見せつけようとする姿勢はどうかと思うぞ)
心中でマックィーンは考える。ケンガの気持ちはよく分かるが……自分を強く見せようと言うのは、致命的な悪癖にもなる。
(自分に自信がつきすぎると、やがて身の程を弁えなくなる。その結果、自分より強い相手に喧嘩を売ってしまうかもしれない。相手が人間なら、挑戦して叩きのめされても流石に殺しまではされないだろう)
意気揚々と進むケンガ。
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