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第三十三話 ジョーの傷跡
サードプラン
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「……でも、なんでそんなことしてるの?」
いまいち理由が分からないエレナ。その問いにアリッサはグッと胸を張った。
「イケメンの素顔を暴くのに理由がいるのかい?」
「……いるでしょ、普通。でも……ちょっと見てみたいかも」
「でしょ~? そんな訳で何かアイデア立てて、責任取って手伝ってよ。主に隊長さんさえ余計なことしなかったら、うまくいってた……かもしれないのに」
「うーん、どうしろと言われても……」
エレナとクリストフは顔を見合わせて「むー……」と黙ってしまった。そりゃあ人のマスクをひっぺがせと言われたら、普通はこうなるものだ。
「……じゃあ、こう言うのはどう? ちょっと卑劣だけど」
と、エレナが何か思いついたようだ。
「ん、なんっすか?」
「ジョー君の寝込みを襲うの!」
「おっおおっおお襲うッ⁉︎」
「そういう意味じゃないわーっ! ……いくら凄腕の冒険者でも、寝ている時は隙だらけ。そのタイミングで慎重にマスクを外してみちゃえばいいじゃん!」
「……アリかも」
「え、アリなの……⁉︎」
アリッサは神妙な顔で頷いた。ルックやターショがぎょっとする中、パシッと手を叩く。
「夢のために妥協するのは乙女のハートが許さないっ! やってやろーじゃないの!」
(お前は乙女についてもっと勉強してこい! 好きな男の子の寝込みを襲って素顔を暴く乙女がどこにいるんだ!)
ルックの心の叫びは、届くこともなかった。
~☆~☆~☆~☆~☆~
「今回コレ↑多いね~」
「ねーちゃんが次々と作戦を立てるから、場面転換も多いんだよ」
そんな訳で深夜。
ナガレもチェリナも、みーんな自宅でぐうぐう眠っていた。起きているのは一部の物好きと、クリストフたちのような治安維持の方々だ。
「こんな辺境の地では、誰が町を守っていたんだろうか」
騎士団詰所の町役場……ではなく、アルカナショップの向かいの建物に持たれて立つクリストフ。……そのうんざりしたような目からは「なんで私がこんな目に……」という感情がよーく分かる。
「こんな辺境ですけど、実はバッファローは牧場の町らしいです。これまた実は、この町で一番広い設備が何か知ってます? ……牧場なんですよ」
「ふむ、それで?」
「この町には五つも牧場があって、それぞれが違う家畜を育ててるんですって。……そしてカウボーイやカウガールもいるんですけど、それがもんのすごく強いらしいです」
「カウボーイ・カウガールか……。ああ、とても有名だな」
ナイフと投げ縄で敵を倒すカウボーイとカウガール。……とても強いのだが、それ故にナガレたちの冒険には出しづらいのである。
いまいち理由が分からないエレナ。その問いにアリッサはグッと胸を張った。
「イケメンの素顔を暴くのに理由がいるのかい?」
「……いるでしょ、普通。でも……ちょっと見てみたいかも」
「でしょ~? そんな訳で何かアイデア立てて、責任取って手伝ってよ。主に隊長さんさえ余計なことしなかったら、うまくいってた……かもしれないのに」
「うーん、どうしろと言われても……」
エレナとクリストフは顔を見合わせて「むー……」と黙ってしまった。そりゃあ人のマスクをひっぺがせと言われたら、普通はこうなるものだ。
「……じゃあ、こう言うのはどう? ちょっと卑劣だけど」
と、エレナが何か思いついたようだ。
「ん、なんっすか?」
「ジョー君の寝込みを襲うの!」
「おっおおっおお襲うッ⁉︎」
「そういう意味じゃないわーっ! ……いくら凄腕の冒険者でも、寝ている時は隙だらけ。そのタイミングで慎重にマスクを外してみちゃえばいいじゃん!」
「……アリかも」
「え、アリなの……⁉︎」
アリッサは神妙な顔で頷いた。ルックやターショがぎょっとする中、パシッと手を叩く。
「夢のために妥協するのは乙女のハートが許さないっ! やってやろーじゃないの!」
(お前は乙女についてもっと勉強してこい! 好きな男の子の寝込みを襲って素顔を暴く乙女がどこにいるんだ!)
ルックの心の叫びは、届くこともなかった。
~☆~☆~☆~☆~☆~
「今回コレ↑多いね~」
「ねーちゃんが次々と作戦を立てるから、場面転換も多いんだよ」
そんな訳で深夜。
ナガレもチェリナも、みーんな自宅でぐうぐう眠っていた。起きているのは一部の物好きと、クリストフたちのような治安維持の方々だ。
「こんな辺境の地では、誰が町を守っていたんだろうか」
騎士団詰所の町役場……ではなく、アルカナショップの向かいの建物に持たれて立つクリストフ。……そのうんざりしたような目からは「なんで私がこんな目に……」という感情がよーく分かる。
「こんな辺境ですけど、実はバッファローは牧場の町らしいです。これまた実は、この町で一番広い設備が何か知ってます? ……牧場なんですよ」
「ふむ、それで?」
「この町には五つも牧場があって、それぞれが違う家畜を育ててるんですって。……そしてカウボーイやカウガールもいるんですけど、それがもんのすごく強いらしいです」
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