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その4
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「あ……っ、いいよ、もっと、大丈夫……」
せつなげな声。大沼の身体の横に置いた俺の腕を、ぎゅっとつかむ手。さらに深く、大沼と身体を繋ぎあわせていく。快感が背中を震わせる。
「き、清文、気持ちいい?」
ドギマギしながら訊くと、大沼は涙目で微笑んだ。まだまだ、清文って呼ぶのは照れる。
「うん、すっごい幸せだよ」
こんな時に、俺が好きな目尻が下がったとろけるような笑顔を見せられたら、もうどうしたらいいんだ、ってレベルに俺も幸せだ。
さっき大沼、胸いじられてむちゃくちゃ気持ちよさそうだったよな。入れてる時にさわったら、さらに気持ちよくなったりするのか? 俺は試しに、大沼の胸の突起を舐めた。
「あ、ああっ、いつきっ……!」
高くなる声。ひくつき、締めつけてくる内部。明らかに反応がよくなった。もっと気持ちよくしたくて、左は舌で、右は指で刺激する。
「ああ……すごいっ、いつき、いいっ……!」
せつなげな声。寄せられた眉、艶っぽい半開きの唇。完全に理性の飛んだ顔。俺のモノをきゅうきゅうと締めつけてくる内部。
感じてくれてるのが楽しくてつい調子こいて、胸を責めまくる。深く求めてきて、腰を揺らす大沼。
「あ、ダメ俺イク……!」
「イっていいから、樹も動いて」
大沼を傷つけたくないから、本当にそろそろと腰を振る。それだけでもすっげえ気持ちいい。
「樹、もっと……、もっと……」
荒い息。艶っぽい声。もっと聞いていたいけど、もう限界だ。
「うっ、ああ……も、イク……っ!」
「あっ……!」
俺は少し深く突くと同時にイった。それが刺激になったのか、ぎゅっと俺にしがみつく腕に力がこもり、大沼も吐情する。腹のあたりに生ぬるい感触。
モノを抜いた後も離れたくなくて、大沼を抱きしめて肩に頭を預ける。大沼が猫みてえに身体をすり寄せてくる。
「すごい気持ちよかったよ、樹」
ちゅっ、とほっぺたにキスされた。幸せすぎて、頭がほわほわしてる。エッチっていいな。こんなに気持ちいいもんだとは、想像以上だ。
「俺も、マジ最高だった」
少し放心気味に言う。大沼のぬくもり。息づかい。汗くささ、唾液や精液のにおい。ぼんやり感じる。余韻がすごくて、なにも考えられねえ。動きたくねえというか、動けない。
「少し寝ようか」
そう言うとごそごそと身体を下へと動かし、俺の胸に顔を埋める大沼。その甘えた仕草に、俺達恋人になったんだなって、うれしくて。
「最高の誕生日だよ、ありがとう」
うん、とうなずく自分の声が遠い。俺、生きててよかった。大沼に出会えてよかった。大げさかも知れねえけど、心からそう思った。
目を覚ますと、部屋はすっかり暗くなっていた。なんか重いと思ったら、大沼が俺に抱きついて、足も絡めるようにして眠っている。ぬいぐるみを抱いて眠る子供みてえだ。こんな俺を本気でかわいいと思ってるらしい大沼にとっちゃ、俺はぬいぐるみみてえなもんなのかもな。
今、何時だろう。時計はないかと、部屋を見回す。
ベッドの右上の窓に、リビングと同じグレーのカーテン。部屋を入って右奥、備えつけのクローゼットの横に、チェスト。ただそれだけの、シンプルな寝室。掛け時計はねえ。今になって気づいたけど、ベッドは男二人でも狭さを感じないから、たぶんダブルだ。
一人暮らしなのにベッドがデカいのは、同棲の名残なのか。それとも、単に広いベッドが好きなだけか。モテるヤツだから、いつでも誰かを連れこめ……って、大沼に失礼だろ。
気持ちよさそうな無垢な寝顔を眺める。勝手に嫉妬でもやもやして、ゲスいこと考えちまうのはもうやめにしねえと。
ベッドヘッドがちょっとした棚になってて、デジタル時計が置いてあった。その横にあるのは、照明のリモコンか。さっきまではもう夢中で、部屋の様子なんてほとんど見えちゃいなかった。
時計は六時を過ぎてる。結構寝ちまったな。
ベッドの足もとの方にかろうじて引っかかってる黒いものは、俺らどっちかのパンツか。なんか気恥ずかしい。俺、本当に大沼とエッチしたんだな。夢みてえだわ。
左腕はしっかり大沼に抱きつかれてるせいで動かせなくて、右手でそっと大沼の髪を撫でる。
「……いつき……」
「ごめん、起こしちまったか」
眠そうに目をこすりながら首を横に振る、無防備な顔。
「もうすっかり暗いね」
大沼はベッドヘッドに手を伸ばし、リモコンで照明をつけた。
「今日、泊まってくでしょ?」
当然のような甘えた声で俺の顔を見上げ、右腕を撫で下りていく手。行き着いた先にある俺の手を、ぎゅっと握る。
「えっ、い、いやその……」
コクって即エッチしてその上泊まるって、盛りだくさんすぎねえか? いくらなんでも、一気に進みすぎだろ。一日に味わえる幸せの許容量、軽く越えてきてるし。
せつなげな声。大沼の身体の横に置いた俺の腕を、ぎゅっとつかむ手。さらに深く、大沼と身体を繋ぎあわせていく。快感が背中を震わせる。
「き、清文、気持ちいい?」
ドギマギしながら訊くと、大沼は涙目で微笑んだ。まだまだ、清文って呼ぶのは照れる。
「うん、すっごい幸せだよ」
こんな時に、俺が好きな目尻が下がったとろけるような笑顔を見せられたら、もうどうしたらいいんだ、ってレベルに俺も幸せだ。
さっき大沼、胸いじられてむちゃくちゃ気持ちよさそうだったよな。入れてる時にさわったら、さらに気持ちよくなったりするのか? 俺は試しに、大沼の胸の突起を舐めた。
「あ、ああっ、いつきっ……!」
高くなる声。ひくつき、締めつけてくる内部。明らかに反応がよくなった。もっと気持ちよくしたくて、左は舌で、右は指で刺激する。
「ああ……すごいっ、いつき、いいっ……!」
せつなげな声。寄せられた眉、艶っぽい半開きの唇。完全に理性の飛んだ顔。俺のモノをきゅうきゅうと締めつけてくる内部。
感じてくれてるのが楽しくてつい調子こいて、胸を責めまくる。深く求めてきて、腰を揺らす大沼。
「あ、ダメ俺イク……!」
「イっていいから、樹も動いて」
大沼を傷つけたくないから、本当にそろそろと腰を振る。それだけでもすっげえ気持ちいい。
「樹、もっと……、もっと……」
荒い息。艶っぽい声。もっと聞いていたいけど、もう限界だ。
「うっ、ああ……も、イク……っ!」
「あっ……!」
俺は少し深く突くと同時にイった。それが刺激になったのか、ぎゅっと俺にしがみつく腕に力がこもり、大沼も吐情する。腹のあたりに生ぬるい感触。
モノを抜いた後も離れたくなくて、大沼を抱きしめて肩に頭を預ける。大沼が猫みてえに身体をすり寄せてくる。
「すごい気持ちよかったよ、樹」
ちゅっ、とほっぺたにキスされた。幸せすぎて、頭がほわほわしてる。エッチっていいな。こんなに気持ちいいもんだとは、想像以上だ。
「俺も、マジ最高だった」
少し放心気味に言う。大沼のぬくもり。息づかい。汗くささ、唾液や精液のにおい。ぼんやり感じる。余韻がすごくて、なにも考えられねえ。動きたくねえというか、動けない。
「少し寝ようか」
そう言うとごそごそと身体を下へと動かし、俺の胸に顔を埋める大沼。その甘えた仕草に、俺達恋人になったんだなって、うれしくて。
「最高の誕生日だよ、ありがとう」
うん、とうなずく自分の声が遠い。俺、生きててよかった。大沼に出会えてよかった。大げさかも知れねえけど、心からそう思った。
目を覚ますと、部屋はすっかり暗くなっていた。なんか重いと思ったら、大沼が俺に抱きついて、足も絡めるようにして眠っている。ぬいぐるみを抱いて眠る子供みてえだ。こんな俺を本気でかわいいと思ってるらしい大沼にとっちゃ、俺はぬいぐるみみてえなもんなのかもな。
今、何時だろう。時計はないかと、部屋を見回す。
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気持ちよさそうな無垢な寝顔を眺める。勝手に嫉妬でもやもやして、ゲスいこと考えちまうのはもうやめにしねえと。
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左腕はしっかり大沼に抱きつかれてるせいで動かせなくて、右手でそっと大沼の髪を撫でる。
「……いつき……」
「ごめん、起こしちまったか」
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「もうすっかり暗いね」
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「今日、泊まってくでしょ?」
当然のような甘えた声で俺の顔を見上げ、右腕を撫で下りていく手。行き着いた先にある俺の手を、ぎゅっと握る。
「えっ、い、いやその……」
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