文字の大きさ
大
中
小
40 / 70
第三章 蝶の行方
17※
「――あぁ――っんう、……っは……ぁ」
高められてゆくが、達しようとすると根元をきゅっと握られて、達するのを阻止される。
「や……っぁ」
ナシェルは絶頂感を得られずにもどかしげに首を振り、腰をくねらせた。
「ヴァニオ……達か、せ……ろ…ああっ……」
「未だだ……ここがいいんだろ? ビクビクしてる……」
ヴァニオンはにやりと意地悪そうに笑い、その下の双珠を掌にくるんで転がすようにした。亀頭を丹念に舌で愛撫しながら、その尖端に喉奥の吐息をふきかける。
「んっ……は、ッん……」
熱い息に、ソコが溶かされるようだ。
ナシェルは耐えがたい快感に幾度も背をしならせる。立てた膝をわななかせ、ばたつかせて、悦びに息を上げる。尖端からはとぷとぷと先走りの蜜が溢れて伝い落ちる。ヴァニオンは丁寧にそれを舌で舐め取った。
そうしてナシェルを舌技に溺れさせると、ヴァニオンはさらに再びそれを喉奥まで呑み込んだ。
「ああっ……っぁ――ふ…、ヴァニオン……もう、もう……だめ、ぁあ――っ」
ナシェルの苦しげな懇願が滔々と続く。
「……もう我慢できねえのか? 仕方ねえな……イけよ、ほら」
切羽詰ったナシェルの啼き声に、ヴァニオンは微苦笑し、舌の動きを速め根元を弛めて、一度彼を達させた。
「ひ、っあ。ああああ――!……っぁあ……っ」
ナシェルの放った猥らな体液を残らず嚥下したヴァニオンは、唇を離してもう一度ナシェルの体の上へと這い上がり、その白皙の裸身を抱き竦めた。
――お前を、もっともっと遠い世界に連れていくことができたらいいのに。
ヴァニオンは口に出すことのできぬ想いを腕の力に込めた。腕の中にはナシェルの裸身がある。見た目よりもずっとしなやかで強靭な体だが、今はヴァニオンの下で絶頂の余韻に浸り、小刻みに震えていた。
荒い呼吸に上下するナシェルの胸の揺れを、ヴァニオンがそっと包み込み、鎮めてゆく。
抱きしめたまま、抱きしめられたまま、二人はしばらくそのままでいた。
長い沈黙があった。
それに耐えられなくなり、ナシェルが口を開きかけたその時、ヴァニオンが諭すように語り始めた。
「……ずっとお前を護ってやる。これからもずっと。
陛下に手ひどくされてお前が疲れているなら、俺はいつでもお前をこんな風に甘やかしてやれる。…お前が希みさえすれば」
「……ヴァニオン……」
「けどな、ナシェル。それは痛みから逃れるための、傷を舐めあうだけの単なる逃避だよ。……分かるだろ?
俺を選ばないと決めたなら、もう、振り返ったら駄目だ。
俺はお前に忠誠を誓う。だけど、お前はもう前だけを見てろ。俺を気にするな。振り返って俺を見るな……。これで、最後にするから」
「………」
ヴァニオンは顔を近づけて来、ナシェルの返事も喘ぎも全て吸い取るような濃厚な口づけをした。舌で、烈しくナシェルの口腔を掻きまわす。
そうしながらナシェルの後孔に指を這わせる。ナシェルの放った白露で存分に濡れたそれを、躊躇わずに秘肛の中に押しいれ、奥を寛げ始めた。
「……ひ、っぁ……」
弛緩しかかっていた体が、すぐに過敏に反応してきつく反り返る。ねっとりした指が体の内側を侵す快感に、ナシェルは我知らずそこを締め付けていた。
指の動きが停まる。
「せっかく拡げて慣らしてるんだ……そんなに締め付けたらだめだろ? 力、抜けよ」
云われたとおりに息を吐いて下肢を綻ばせるのを意識すると、孔に差し入れられた指がまたたく間に増やされ、ひどく掻き乱された。
「ああ……っ……く……ぅ、はっ……あぁ」
ナシェルは無意識にヴァニオンの腕に爪を立てていた。節くれた、男らしい指が襞の内部を前後左右に弄り回す。渦のようにぐるぐるとした圧迫感に包まれて、ナシェルはたちまち汗みずくになり身をよじった。
「挿れるぞ、」
心の準備をするかしないかのうちに、ヴァニオンは己のものをナシェルの秘蕾に押しつけ、狙いを定めて性急に抉り入れてきた。
「ぁ、待っ……んぅ! い……っ」
一息で、ずぅんと最奥まで貫かれる。その強引な進め方にナシェルは思わずまなじりに涙を浮かべ、抗議の声を上げようとするが、ヴァニオンはその唇を軽くついばんで声を吸い取り、そのまま腰を前後に激しく抽送しはじめる。
「ん――っ……あああっ……」
ナシェルは背筋を粟立たせ、ぶるぶると全身を戦慄かせてて善がる。
気持ちいい。
大きく息を吸ったかと思うや嬌声がとめどなく溢れ出し、ヴァニオンの荒い呼吸音をかき消す。
身の内を抉る熱い肉棒に、喉を焼けつかせ、腰をくねらせ、眦に溜めた雫を弾けさせて、
ナシェルは、ヴァニオンを受け入れたまま幾度も精を散らした。
「ヴァニオ、ン、はぁっ……もっと……もっと……」
感想 1
あなたにおすすめの小説
【BL】惚れた男に嫌われたくなくて「男遊びならしてもいい」と言ったら、本当に男遊びを始められて絶望している侯爵令息の話
多額の借金で没落寸前の実家を救うため、結婚相手を探していた男爵令息のラキにカムグロス侯爵家から求婚状が届く。
お相手は同性のディートリヒで、初対面で歓迎されるどころか冷たく突き放されてしまう。
『必要最低限関わるな』
『愛人を作るな』
『男遊びならしてもいい』
ディートリヒから実家の借金を完済する条件を言われたラキは、学園で令息たちとの交流を満喫中。
褒め上手なラキの周りには可愛い令息が集まり、推し活状態に。
一方、ディートリヒだけが嫉妬で胃を痛める日々。
ラキへの恋心を隠し続けた不器用侯爵令息に、幸せな未来は訪れるのか?
.
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
女の子として育てられた身代わりメイド、冷酷公爵に正体を暴かれ執着の檻に閉じ込められる 〜夜に咲く花〜
女の子として育てられたラナには、誰にも言えない秘密があった。
――僕は、男だ。
18歳の冬、没落した一族の罪を贖うため、冷酷な公爵・セヴェランにメイドとして捧げられた。
純白のフリルに身を包み、偽りの乙女を演じ続ける日々。
正体が露見すれば即処刑――薄氷の上を歩くような緊張が、常にラナを縛りつけていた。
しかし、ある穏やかな午後。
その均衡は、あまりにも呆気なく崩れ去る。
逃げ場を失った身体を捕らえられ、隠し続けてきた真実を見抜かれたとき、
氷のように冷え切っていた主従関係は、静かに形を変えた。
「お前は男ですらない。……ただの、私の所有物だ」
突きつけられたのは死ではなく、逃れられない執着。
行き場を失った孤独な存在を囲い込み、決して手放そうとしない絶対的な支配。
偽りの乙女としての時間は終わりを告げ、
ラナは一人の青年として、抗えないほど深く書き換えられていく。
それは救いか、それとも堕落か。
孤独を抱えた二人の魂は、背徳の熱の中で静かに絡み合っていく――。