【白銀の黒帝：13】魔道国家の留学生

2章：潜入編

後期期末テスト前の出来事 中編

翌日の放課後。

なぜか教室には半分ぐらいの生徒達が残っっているんだぞ。
「なんか、グレイ君、保護者を呼ばれたんだって」
「アデル先生の授業サボってたからだろ」
「アデル先生っていい先生なのに、なんでなのかしら」など噂しているぞ。

みんな、どうして俺が保護者の呼び出しくらったって知ってるんだぞ。　
というよりもウザいから早く帰ればいいんだぞ。

「シリル、お前なんで平然としてられるんだ？」ってラーツも残っていて聞かれたぞ。
ラーツ以外にもオットとシンがいて、なんか3人とも心配した顔してるぞ。
「俺、退学でもいいかって思ってるからだぞ。」
「はぁー、保護者はそれでいいのか？」ってシンが驚いて聞いてくる。
「そうだぞ。説得して、せめて試験うけろよ」ってオットもなんか剣幕な表情だぞ。

言えないけど、俺これで学生4度目だぞ。　しかも1度はここの学園卒業してるんだぞ。
”バーン”って教室のドアが開いたぞ。
「シリル、場所わかんねぇー。　広すぎだ」って、黒のビーニー帽に、グレイのフード付きパーカーに黒のカーゴパンツでいつもの私服でタバコを加えたシュンさんだぞ。
って、ここまで転移してきただけじゃないかだぞって心で突っ込んでおいたぞ。
「シュンさん、今いくのだぞ」と言って、俺は「じゃぁーな」といってシュンさんと教室をでていくのだった。

そんなシュンの登場にクラスに残っていた生徒達は騒然となるのであった。

「え！あれが、保護者。　って超イケメンじゃない」「どこの裏の人だよ」「でも、若いし超イケメンだな」と口々にいう。

そんなクラスメイトたちを見つつ、オットが「シリルも変わってんが、シュンさんも変わってるな」とボソっというと、シンが「あー、なんか気にしなさそうだな」と呆れるのだった。　
さっきまで、心配していた自分達が阿保らしくなってきたのであった。

◇◇◇
一方、生活指導室に向かう俺シュンとシリル。
「ここの結界、穴ばっかだな」ってタバコふかしながら言う。　移転して学園くるの初めてだしな。
「そうだぞ。　前の学園の結界をもってこなかったのかだぞ」
「人間は馬鹿だかんな」って苦笑するしかないな。
「今回は、混魔族も馬鹿だぞ」ってシリルは不機嫌だ。
「確かにな」としか今は言えないな。
「ここだぞ」ってシリルが部屋の扉でとまった。
「シリル、えれーじゃん。　ちゃんと女いねぇーよ」といってドアを開くと、男3人いた。
1人は真面目な感じでいかにも生活指導の男性教師。　もう1人は混魔族だ。　たぶん、シリルの担任だな。　そして厳つい奴が、たしかギールの情報だとここの学園長だ。

俺がタバコをふかしながらいつものスタイルで座り、シリルも隣に座った。
「んでぇ、きてやったけど、何のようだ？」
「保護者も目上に対して言葉遣いがなっていないとは。　あとここは禁煙です。」って生活指導の男性教師だ。

俺もシリルも実年齢じゃはるかに上だってんだよ。
「あー、面倒くせぇー」って言いながら、俺はタバコを消した。　
「消したぞ、んで、なんだ？」
「そこのグレイ君が、魔術の実技に授業を後期からサボっておりまして、このままでは単位取得できず、留年かまたは退学かという事で、今後の話合いをするためにお呼びたてしました」って生活指導の男性教師だ。
「ふーん、授業サポったのはそこの混魔族が、実技を見学させてたって聞いてぇっけど」って俺。
「な！私の事を魔族と呼ぶのはやめていただいたい。　勝手な妄想です。」って混魔族の教師だ。

はぁ～？自分が魔族だって自覚がないのかこいつ。　それとも守秘義務かなんかか？　まぁいい。
「あっそ。　んで見学だけだって聞いたけど？」
「グレイ君の魔力量と髪色から判断して見学させてました。　それに見学でも学ぶことはあります。」
「見学なんてつまんねぇーし、意味ないよな。　まぁ、どっちでもいいけど。　そういや、魔術って何をおしえてんだ？」って聞いてみた。
「わからないと思いますが」といって魔術の教科書を俺に渡してきた。
「シリル、こんなんやってんのか？」って魔術の教科書をパラパラみながら聞いた。
「そうだぞ。　魔法陣の発動だぞ。　しかも、効率わるいぞ。」
「何を言っているんですかグレイ君。　これは、私の故郷で使っており、魔方陣はもうお亡くなりになりましたが、高名な魔術師様のものです」
ふぅーん、そういや魔大陸の魔術は魔法陣の発動だけだってシリルが前に言ってたの思い出したわ。
魔術は、自然の断りを理解してロジック組んでおのれ魔力だけで発動、その発動した結果が魔法陣なんだがなぁ～。

「あっそ、別に気になっただけだ。　んで、留年か退学かを選べって事なんだよな？」って聞いてやった。
「ああ、ただ、彼の将来を考えて、ギルドランクもCと聞く。　俺の推薦で、冒険者学園に編入させてやってもよい」って偉そうに学園長が言ってきた。
「シリル、どうする？」
「もうこの学園に用はないから、退学でいいぞ」ってすげーぇ嬉しそうなシリルだよ。
「だよな」
「退学届けだぞ」といってバックから退学届けを出して渡すシリルであった。